レスリング女子55キロ級の吉田沙保里が決勝戦でカナダ選手を破り金メダルを獲得した。2004年アテネ大会、2008年北京大会に続き、このロンドンでも金メダルを獲得した。日本のメダルは計33個(金5、銀14、銅14)となり、史上最多の37個を獲得した2004年アテネ五輪に次いで2番目となった。
前日の63キロ級・伊調馨に続き、五輪3連覇を達成。世界選手権を含めると12連覇となり、これは“霊長類最強”の異名を取ったレスリング界のレジェンド、アレクサンダー・カレリン(ロシア)と並ぶ記録である。さらに、今大会は4試合中で1ピリオドも落とさないどころか、失点すらゼロのオール完封勝ち。まさに盤石の姿勢で3個目のメダルを手にした。
準決勝ではW杯で苦杯を喫したジョロボワ(ロシア)を破り、決勝では以前の対戦で得意のタックルを返されたバービーク(カナダ)に完勝した。世界の吉田包囲網をかいくぐり、敗戦を糧に再度得意としているタックルに磨きをかけて掴んだ五輪3連覇だった。夜中の3時に眠い中をワンセグで金メダル獲得の瞬間を体験出来て嬉しかったです。でも、表彰式までは観ないで、再び眠りにつきました。
吉田沙保里
「この4年間はいろいろなことがあった。負けを知って、また強くなれたかなと思う。(準決勝で)リベンジを果たせてうれしかったが、決勝で勝つまで気を抜かないように考えていた。プレッシャーに負けたら駄目なんだ、笑顔で終わるんだ、という気持ちで臨んだ。」
栄和人女子レスリング監督
「正直言って、この五輪は難しいと思った。吉田は絶対勝たないといけないと思ったはず。最後の最後に爆発してくれた。今でも信じられない。」
日本レスリング協会・福田富昭会長
「吉田は手堅く勝ちを取りにいった。戦略を変えられるのは普通のレスラーではできない。(伊調、小原と)金メダルの3人は褒めるべき存在。ここまで女子レスリングが育つと思ってなかったから、感無量。」