kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

映画『ハンター』を観て

2012-02-13 18:22:33 | 映画・ホラー,サスペンス,スリラー

12-12.ハンター
■原題:The Hunter
■製作国・年:2011年、オーストラリア
■上映時間:100分
■字幕:伊東武司
■観賞日:2月12日、シネマスクエア東急(歌舞伎町)

 

□監督・脚色:ダニエル・ネットハイム
◆ウィレム・デフォー(マーティン・デヴィッド)
◆サム・ニール(ジャック・ミンディ)
◆フランシス・オコナー(ルーシー)
◆モルガナ・デイヴィス(サス)
◆フィン・ウッドロック(バイク)
◆カラン・マルヴェイ(ライバルハンター)
【この映画について】
幻の野生動物を追い求める孤高のハンターの運命を、オーストラリアの神秘的な大自然を舞台につづる人間ドラマ。『スリーピング ビューティー/禁断の悦び』のメガホンをとった女流作家ジュリア・リーの小説を原作に、無垢(むく)な心の母子との交流を通して、孤高の人生を貫いてきた自らの生き方を見つめ直す主人公の葛藤(かっとう)を描く。
主演は『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』のウィレム・デフォー。共演には『A.I.』のフランシス・オコナー、『ジュラシック・パーク』シリーズのサム・ニールら実力派がそろう。(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】
百戦錬磨の傭兵として世界中を渡り歩いてきたマーティン・デヴィッドは、バイオ・テクノロジー企業であるレッドリーフ社の依頼で、オーストラリア・タスマニア島を訪れる。目的は、タスマニアタイガーの生き残りを見つけ出し、その生体サンプルを採取するというものだった。
タスマニアタイガーは70年以上前に絶滅したとされているが、その目撃情報を入手したレッドリーフ社はライバルを出し抜くために、凄腕のハンターでもあるマーティンを送り込んだのだ。現地ガイドのジャック・ミンディが用意したベースキャンプは古めかしい木造の民家で、利発な少女サスとその弟バイク、体調不良で寝たきりの母親ルーシーのアームストロング家が住んでいた。

動物学者で環境保護活動に熱心な父親ジャラは数ケ月前に森へ向かい、消息を絶ったという。発電機が壊れ、お湯も出ない家にうんざりしたマーティンは、町のバーに立ち寄って貸し部屋を探す。しかし、森林伐採を生業とする地元の労働者たちはマーティンをエコロジストだと決めつけ、敵対心をむき出しにする。
非合法ハンターの素性を隠して研究者を装うマーティンは、仕方なくアームストロング家に身を寄せる。マーティンは、ガイド役を申し出るミンディを途中で帰し、ひとりで大自然の奥深くへ入っていく。森や草原に動物用のトラップを設置する12日間の調査を何回か繰り返し、タスマニアタイガーの痕跡や行動範囲を特定するつもりだった。しかし1回目の調査で謎めいた銃声を聞き、2回目は人為的に破壊された鉄製トラップを見つける。他人と一切関わらず、冷たい人生を送ってきたマーティンだったが、アームストロング家の子供たちと触れ合ううち、心に変化が訪れる。やがてこの仕事に疑念を持ったマーティンは、密かに近づいてくる脅威との闘いを強いられ、人生最大の決断を迫られる。

ハンターであるマーティンはアームストロング家の主だったジャラが行方不明になっていたことで、ガイド役のミンディに何かしらの胸騒ぎを感じていた。そのアームストロング家に身を寄せていたことで、マーティンが調査で不在の合間を縫って家は何者かに放火されルーシーとサスを失ってしまい呆然とする。
更に、彼は調査中に白骨化したジャラの死体を発見し、マーティン自身も何者かに後を追われ危険を察し始める。レッドリーフ社はマーティンが成果を上げないことから密かに後任のハンターを送っていた。そして遂に...。紆余曲折を経てマーティンはタイガーを視界に捉え、彼の銃はタイガーに焦点を合わせ引き金は...。

結局、彼はレッドリーフ社にタイガーは居なかったと電話連絡し、アームストロング家の生き残りとなったバイクを迎えに行く。彼はハンターとしての生活に見切りを付け、孤児となったバイクと共に生きるのか?でも、レッドリーフ社は容赦するとは思えないのですが...。

前半は幻のタイガーを巡って地元の利益を守りたい地元民の冷ややかな態度に悩まされながらも、タイガー発見の為の情報収集に精を出す。ここで伏線となって来るのが子供から渡された一枚の絵だった。マーティンはそこに何かを感じたからだった。このアームストロング家との交流が要所要所でストーリーを上手く進めるターニングポイントになるのだが、ウィレム・デフォー演じるマーティンは孤独だった人生がここでの家族との交流で心境の変化を感じて来る。孤独な男を演じたら右に出る者はいない?ウィレム・デフォーはハンター生活を上手く演じていた。
サム・ニールも裏に何かを隠していそうな役だったが、ウィレム・デフォーとの絡みは見応えがあった。後半からはタイガーを巡っての駆け引きが繰り広げられながら、最後はこんなハンター生活に嫌気がさして終わると言う展開は、もう一捻り何かが欲しかった気がした。
それでも、実際にタスマニア島でロケした映像がふんだんに使われていることで、ストーリーに真実性を持たせていたと思う。これをどこか別の場所で「タスマニア島」という設定で撮影しても説得力は無かったと思う。

余談ですが、アームストロング家の主だったジャラは「生前」ブルース・スプリングスティーンが好きだった、でも所持していたのは「LP」だった。それは「ボーン・イン・ザ・USA」収録の「アイム・オン・ファイアー」だった。彼が木の陰とかにこしらえたスピーカーから曲が流れて来るシーンは、生前のジャラを語る唯一のシーンとして頭に残った。


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