kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

映画『プレシャス』を観て~アカデミー賞受賞作品

2010-06-17 00:00:00 | アメリカ映画 2010

10-28.プレシャス
■原題:Precious
■製作年・国:2009年、アメリカ
■上映時間:109分
■鑑賞日:5月1日、シネマライズ(渋谷)
■料金:1,000円

スタッフ・キャスト(役名)
□監督・製作:リー・ダニエルズ
□脚本:ジェフリー・フレッチャー
□撮影監督:アンドリュー・ダン
□編集:ジョー・クロッツ
◆ガボレイ・シビデ(プレシャス)
◆モニーク(メアリー)
◆ポーラ・パットン(ミズ・レイン)
◆マライア・キャリー(ミセス・ワイス)
◆シェリー・シェパード(コーンロウズ)
◆レニー・クラヴィッツ(ナース・ジョン)

【この映画について】
ハル・ベリーに黒人女性初のアカデミー主演女優賞をもたらした映画『チョコレート』でプロデューサーを務めたリー・ダニエルズが、初監督した本作。
家族からの虐待に苦しむ黒人少女が、文字を知ることにより自我を確立し、自身の可能性を大きく広げて行く物語だ。彼女を襲うのは、目を覆いたくなるようなむごい現実の数々。
しかし、彼女は自分をしっかりと持ち、周囲の人々に支えられながら生き抜こうとする。自身も虐待を受けていたという監督がプレシャスに託した希望が、強いメッセージと共に伝わって来る作品だ。プレシャスを虐待する母親を演じたモニークが、物語終盤に見せる凄まじい独白にも注目して欲しい。
サンダンス映画祭グランプリをはじめ、各国の映画賞を総なめにした感動作。主演は、映画初出演のガボレイ・シディベ。「サイレンサー」のモニークが、本作でゴールデン・グローブ賞、米アカデミー賞の助演女優女優賞を獲得。
(この項、goo載しました)
【ストーリー&感想】
1987年のアメリカ、ニューヨークのハーレム。アフリカ系アメリカ人の16歳の少女クレアリース・プレシャス・ジョーンズは、“愛しい、貴い”という意味のミドルネームとは似ても似つかない、過酷な現実を生きていた。
彼女は今、自分の父親の子供を妊娠している。彼女は12歳のときにも妊娠し、出産していた。しかし子供を引き取ることはできなかった。父親は行方をくらまし、母親メアリーはプレシャスを、精神的にも肉体的にも虐待している。
太っていて文字も読めないプレシャスは、きれいになってもてはやされる自分を夢想していた。ある日、プレシャスの妊娠が学校に知られてしまい、彼女はフリースクールに送られる。

プレシャスは代替学校“イーチ・ワン・ティーチ・ワン”に通い始めるが、当初は反発する。しかし、自分と同じように悲惨な境遇にある仲間たちや、女性教師レインと出会い、人を愛するということを見出していく。レイン先生は辛抱強くプレシャスを理解しようとし、彼女に作文を教える。少しずつ読み書きができるようになったプレシャスは人生に生きる意味を見つけ、次第に強く、美しく生まれ変わっていく。しかし過酷な運命が、プレシャスを待ち構えていた。
この作品ではプレシャスの母を演じたモニークがアカデミー賞を受賞したのですが、主役はタイトル通り「プレシャス」なんですね。
文盲で16歳とは思えない100キロ超の巨体と2人の子供の母であるプレシャス、彼女の不幸な生い立ちと、母親から精神的にも肉体的にも、これでもかとダメを押したように虐待を受け、父親からは性的虐待を受けその父親の子を二人も生んだ。

学校からもドロップアウトし、落ちこぼれの生徒が通う代替学校に渋々通うが、ここで出会った女性教師レインとの出会いが彼女の人生を変えるきっかけになる。文字を覚え徐々に教養も身に付けたプレシャス、自立に向けて頑張ろうと決意していたら、今度は自身がHIVウィルス感染者で陽性だったことが判明。
どこまでも不幸を背負いこんだ彼女、それでも福祉課のミセス・ワイスの励ましもあり、最後は生活保護を受けている母の下を去り、二人の子供を育てる決意を固める。アメリカの16歳の黒人女性を演じたガボレイ・シビデは新人だが、新人とは思えないほどその体格同様どっしりとした演技が光った。
アカデミー助演女優賞を受賞したモニークは、理不尽とも思えるほど娘を虐待する役で、その虐待ぶりの見事さ?には脱帽だ。

母とは正反対のキャラであるミズ・レインを演じたポーラ・ハットン、ノーメイクで社会福祉課のミセス・ワイス役のマライア・キャリーはこの役を見事に理解していたし、レ二ー・クラヴィッツまでもが脇役で出演するなど、音楽界のスーパースターが二人出ているのにも注目したい。


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