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kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

映画『謎解きはディナーのあとで』を観て

2013-08-24 23:34:39 | 映画・邦画

13-66.謎解きはディナーのあとで
■配給:東宝
■製作年、国:2013年、日本
■上映時間:121分
■料金:0円(観賞券使用)
■観賞日:8月24日、新宿バルト9(新宿三丁目)

 

□監督:土方政人
◆北川景子
◆櫻井翔
◆椎名桔平
◆中村雅俊
◆伊東四朗
◆桜庭みなみ
◆要潤
◆竹中直人
◆宮沢りえ
◆鹿賀丈史
【ストーリー&感想】
人気を博したテレビドラマの初の劇場版。世界屈指の企業グループ総帥の令嬢でありながら新米刑事として警視庁国立署に勤める宝生麗子。休暇を利用して、宝生家所有の豪華客船プリンセス・レイコ号に執事の影山とともに乗り、シンガポールへ向かう。しかし船内には、有名芸術家の作品の警護にあたる、麗子の上司・風祭京一郎警部の姿もあった。
出航後ほどなくして、船内で殺人事件が起こる。乗員乗客合わせて3000人が乗るプリンセス・レイコ号がシンガポールに到着するまでの5日間にさらなる被害を出さないためにも真相を解明しようとする麗子と影山だが、彼らも事件に巻き込まれてしまう……。

この作品、元々は人気TVドラマの映画化で、最近良くありがちなパターンですね。自分はTVドラマは普段から見ないので、このドラマがヒットしていたのは知っていたものの、詳しい人物像などの予備知識はゼロで観た。と言っても無料でなかったら1,800円出してまで観なかったでしょう。
お嬢様新米刑事の麗子が休暇でシンガポールへクルーズ船でヴァカンスを楽しむ中で事件は起きた。何故か船内には麗子の上司が国立市(くにたち市)から贈られる彫刻の警備で乗船、謎解きに挑むのだか相変わらず的外れな推理ばかりで、こんな警部で大丈夫?って思ったりして。
そもそもこの船は宝生家の持ち物で、乗船時には必ず「セイレーンの涙」と呼ばれる一家の宝である宝石を大事に持ち込むのが習慣で、犯人はこの宝石が目当てなのが進行と共に分かる仕組みに。あと、久し振りに中村雅俊を見たが相変わらず若々しいなと思いながらも、「何だか普通の役で出ているんだ~、中村雅俊ってそんなレベルの俳優になったの?」と思いながら観ていたら、彼が、今回の事件に絡んでいた事が判明。しかも、影山は執事としての立場から、彼の微妙な「癖」を見抜いていたのですね、これは鋭かった。結局、これが事件を解決する突破口になったのだからね。

影山は藤堂支配人と対峙し「あなたは、かつて李家の執事でした。物腰から執事経験があったことは分かります。海運王の李一族が破滅したのは、あのレイモンド・ヨーに騙されたからです。李夫妻は、あなたに最愛の娘を託して自殺しました。そして、あのセイレーンの涙を落札したのが、宝生一族でした。あなたはセイレーンの涙を取り戻すために、この17年間、ヴァルゴ号で働くことにした・・・・」。影山、見事な推理で一件落着って、本当は風祭の仕事では?まあ、金田一耕助も警察に代って見事な推理で事件解決に導いていましからね。

そして、この映画、最初と最後にシンガポールのホテルで宮沢りえが「ミス・ソロス」として登場します。これが結構インパクトあるんですね~、実は、これには17年前に幼かった麗子と関係があって、今回の船内での出来事ともつながりがあった事が影山によって証明されました。彼女の上を行く、ここでも見事な推理でした。

この作品を果たして映画として上映する意味があったか分かりません、むしろ、TVで2時間ドラマSPとして拡大枠で放送したら良かったかも、あくまでも個人的な感想ですが。影山の毒舌とお嬢様丸出しの麗子との絡み、決めゼリフ「首、くび、クビよ~!」「お嬢様の頭は難破船?」などは楽しめましたが、大きな声では言えないが北川景子って驚くほど貧乳だね~。


映画『真夏の方程式』を観て

2013-07-29 21:51:19 | 映画・邦画

13-61.真夏の方程式
■配給:東宝
■製作年、国:2013年、日本
■上映時間:129分
■観賞日:7月27日、TOHOシネマズ日劇(有楽町)
■料金:0円(観賞券使用)



□監督:西谷弘
◆福山雅治
◆吉高由里子
◆北村一輝
◆風吹ジュン
◆杏
◆前田吟
◆白竜
◆永島敏行
◆西田尚美
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
手つかずの美しい海が残る玻璃ヶ浦で進められている海底鉱物資源開発計画の説明会に招かれた物理学者・湯川学は、川畑夫妻が経営する旅館「緑岩荘」に滞在することになった。
そこで湯川は一人の少年・恭平と出会う。恭平は親の仕事の都合で、夏休みの間、親戚である川畑家の旅館で過ごすことになったという。翌朝、堤防下の岩場で男性の変死体が発見された。男は旅館のもう一人の宿泊客・塚原。彼は元捜査一課の刑事で、服役後に消息を断ったある殺人事件の犯人を捜していたらしい。
現地入りした捜査一課刑事・岸谷美砂は、さっそく湯川に協力を依頼。やがて、環境保護活動にのめりこむ旅館の一人娘・成実や、観光業がふるわず廃業を考えていたという川畑夫妻、そして恭平をも巻き込みながら、事件を巡る複雑な因縁が次第に明らかになっていく……。

この映画、前半から美しい海の風景でスタートし、子供嫌いの湯川が宿泊先の民宿の経営者の親戚である恭平との交流が楽しい。わざわざ恭平の為に、ペットボトルを改良してロケットを作成して海の中を見せるくだりは良かった。実は、この子供は何も知らないうちに殺人事件に利用されていたりする中盤以降では雰囲気が違ってくる。
それは川畑重治と節子の馴れ初めが延々と語られるのだが、二人の馴れ初めと今回の事件が15年前まで遡って繋がって来るのだから。
節子は誰からも好かれる女性で、その節子を憧れの眼差しで眺めていた重治は自分は彼女と結婚するとは考えていなかっただけに彼女への感謝の気持ちを常に持っている。だが、実は一人娘成実は重治とは血の繋がりが無いことが分かる。それを知った時、重治は愕然とするのだが、それでもこの状況を受け入れることで健気に家族を守ろうと努力し続けていた。
15年前、ホステス三宅伸子を常連客の仙波が殺害→自首した事件があったんですが…。実は三宅を殺したのは、突然自宅に押しかけてきて狼藉を働いた彼女の態度にキレた一人娘・川畑成実の犯行で、仙波は彼女を庇うために無実の罪を背負って服役してた。15年前に殺された三宅。殺したのは当時14歳の成実であり、みんなで彼女を庇っていたのです。それは仙波と節子の間に生まれた子供が成実だったからなんですね。

この事実を突きとめようっと捜査していたのが元刑事の塚原で、彼を一酸化中毒死させたのは重治だったのは、ここまで守ってきた家族の秘密を暴露されたくなかったから。中毒死させたのも巧妙な手口を使っての犯行で、これには湯川と恭平も気付かなかった、それほど巧妙なんですね。

ただストーリー的には、どう言えば良いのだろか、2時間ドラマに有りがちなパターンでしたね。一家で子供を守ろうと頑張って生きてきたのだが、警察がここまで気付かないものでしょうかね?
ガリレオ・シリーズには特段思い入れはありませんが、福山雅治と恭平の共演シーンは中々良かったです。これが有ったから重くならずに済んだとも思います。


映画『さよなら渓谷』を観て

2013-07-01 23:16:45 | 映画・邦画

13-55.さよなら渓谷
■配給:ファントム・フィルム
■製作年、国:2013年、日本
■上映時間:116分
■観賞日:7月1日、新宿武蔵野館(新宿)
■料金:1,000円

 

□監督・脚本:大森立嗣
□脚本:高田亮
■大森南朋
■真木よう子
■大西信満
■鶴田真由
■鈴木杏
■井浦新
■新井浩文
【ストーリー&感想】
都会の喧騒から離れた緑が覆う渓谷で、幼児が殺害され実母が犯人として逮捕されるショッキングな事件が起こる。母親の逮捕により事件は解決したかに見えたが、一件の通報により、この渓谷に住む尾崎俊介がこの母親と不倫関係にあったことがわかり、俊介に共犯の疑いがかけられる。通報したのは俊介の妻・かなこであった。
取材に当たっていた週刊誌記者の渡辺は、かなこが俊介を告発したこと、二人が必要最低限の物しか持たず、まるで何かから隠れているかのような生活をしていることにひっかかりを感じる。調べていくうちに、渡辺は二人を結びつけている15年前の罪に行きつく……。

この作品、元々観る予定は無かったと言うより詳しい内容は全く分からず予備知識無しで観に行ったのは、モスクワ国際映画祭で審査員特別賞を受賞したのが理由。俳優陣も魅力的な陣営とは言い難く、敢えて言えば真木よう子と大森南朋が名を連ねているのがアピールポイントかな?

ストーリー的には冒頭でいきなり母が我が子を殺害して逮捕されるという世間を騒がす事件から始まり、その殺害犯と不倫関係にあった尾崎俊介とその妻かなこの関係を取材する週刊誌記者渡辺を中心に展開される。渡辺演じる大森南朋は大森立嗣監督の弟であるが、この渡辺が一種の進行役を担っていると同時に、週刊誌記者でありながら刑事のような動きもしている。
尾崎と妻かなこの関係、これが暴かれた時は驚いた。だって、かなこが学生時代に尾崎は大学野球部のエースであった時に、かなこは友人が離れた隙にレイプの被害にあう。尾崎と共にレイプに加わった部員らは退学になったがこれを暴いたのが渡辺で、ついでながら、かなこは名前まで変えて別人になりすまして尾崎への復讐心からなのか、尾崎も当初はかなこがレイプ相手の女性とは知らなかったようだ。
被害者が加害者と生活を共にするという心理は男性には理解し難く、尾崎もかなことの夫婦生活はどこか普通の夫婦とは何かが違っていて、それを映像で表現するのは難しかっただろうが、セリフでなくて表情や間でそれを現していた。

最後にかなこは誰にも行き先を告げずに尾崎の前から姿を消した。これはかなこの中で尾崎への復讐が遂げられたからか?それとも単なる気まぐれなのか?自分は前者のような気がするが...。

かなこを演じた真木よう子、彼女の豊満な肉体を晒すサービスショットも含めて、この作品は彼女と大森南朋の演技力で成り立っている。
決して娯楽性の高い作品では無いが、観賞後、重い気分というか晴れやかな気分とは正反対な気分で映画館を後にした。


映画『奇跡のリンゴ』を観て

2013-06-14 18:52:33 | 映画・邦画

13-49.奇跡のリンゴ
■配給:東宝
■製作年、国:2013年、日本
■上映時間:129分
■料金:1,000円
■観賞日:6月14日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)



□監督:中村義洋
◆阿部サダヲ
◆菅野美穂
◆山崎努
◆笹野高史
◆池内博之
◆本多博太郎
◆原田美枝子
◆伊武雅刀
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
岩木山が日本最大のリンゴ畑を見下ろす青森県中津軽郡。この地で生を受けた木村秋則は、幼い頃から学生時代にかけて、車やバイク、エレキギターなど機械いじりに夢中になって過ごしていた。
高度経済成長によって生み出されたモノの仕組みに対する興味は人一倍で、当然ながら一帯を覆うリンゴ畑や農業への関心はゼロだった。後に、この農業に人生を賭けることになろうとは、学生時代には全く想像できなかった。そんな彼に転機が訪れる。リンゴ農家の娘・木村美栄子とお見合い結婚して木村家に入ることになったのだ。

農業もリンゴも秋則にとっては初めての経験だったが、苦労しながらも何とか技術を身に付けてゆく。やがて、妻の身体に異変が起きる。リンゴは農薬なしでは生産不可能な果物だったが、その農薬が美栄子の身体を蝕んでいたのだ。繰り返し散布する農薬の影響で皮膚がかぶれ、数日間寝込むこともあった。これをきっかけに、絶対不可能と言われていた“リンゴの無農薬栽培”への挑戦を決意する秋則。美栄子の父・征冶の協力を得て、私財を投げ打って挑戦を続けるが、およそ10年の間、奇跡が起きることはなかった。
畑は痩せ、周囲の農家には“カマドケシ(破産者)”と疎まれ、家族は貧困にあえぐ。追い詰められ、自殺を決意した秋則は1人、岩木山を登る……。とその時、荒れ果てた山野に立つ1本の樹が目に止まった。その枝には、果実がぶら下がっていたのだ。“なぜ、こんなところに……?”疑問に思いながらその樹に近づいた秋則は、そこで奇跡の糸口を掴む……。

この作品、リンゴの無農薬栽培への挑戦が表向きのテーマだが、良く観ると、これは無農薬栽培を押し通そうとして孤立したリンゴ農家の婿とその娘で妻である美栄子の農薬アレルギーを治そうと努力した家族の物語でもある。
観ていて秋則が葉っぱにばかり拘って、何故、もっと土壌改良に乗り出さないのか?とか研究機関へ相談しないのか?とか疑問に感じた。ラストは傷心の秋則が岩木山に登り、そこでふと目にした野生のリンゴをみて始めて土壌に注目するのだが「遅すぎた」感じは否めない。
まあ、それでも婿として妻の実家が営むリンゴ農園を借金返済の為の資金繰りの為に次々と手放し、遂には秋則の義父は認知症にまでなってしまった。だが、最後まで妻の農薬アレルギーを何とかしてあげたい、との思いが遂に完遂したが、既に10年が経過していたのだった。
菅野美穂と阿部サダヲの夫婦と、口数少ない山崎努の家族でのシーン、山崎努が戦争時代の話を婿に聞かせたり、組合で周囲の拒否反応の中で毅然とした態度で持論を述べるシーンは家族愛を感じさせられましたね。組合の中でも孤立し、同年代の連中からも徐々に距離を置かれるなかで、秋則の実家の母だけはそっと食料を届けたりするなど、身内だけは最後まで諦めませんでした。
阿部サダヲと菅野美穂の夫婦は適役だったのと、津軽弁のセリフも違和感なかった。最後まで情熱を持ってリンゴ無農薬栽培に邁進した秋則は、その熱意が実り、今では全国から予約が殺到するようになったそうだ。


映画『リアル 完全なる首長竜の日』を観て

2013-06-08 22:50:16 | 映画・邦画

13-47.リアル 完全なる首長竜の日
■配給:東宝
■製作年、国:2013年、日本
■上映時間:127分
■料金:0円(ポイント使用)
■観賞日:6月8日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)

 

◇綾瀬はるか
◇佐藤健
◇中谷美紀
◇オダギリジョー
◇染谷将太
◇小泉今日子
◇堀部圭亮
◇松重豊
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
淳美が自殺を図り、一命を取り留めたものの昏睡状態となる。彼女と幼い頃から一緒に過ごしいつしか恋人となった浩市でも淳美が自殺を図った理由がわからない。
彼女を救うために、浩市は<センシング>と呼ばれる眠り続ける患者と意思疎通ができる手法を用い、淳美の意識内へ潜り込む。<センシング>を繰り返すうちに、浩市の脳と淳美の意識が混線するようになり、二人は現実と仮想が入り乱れる意識の迷宮を彷徨う。そして二人がかつて過ごした飛古根島へ向かった浩市は、記憶を封印していた15年前の事件に触れる……。

この作品、「センシング」という相手の意識の中に入り込むという治療を受ける話だが、その意識が混線してしまうのと過去と現在が交錯するので、これも一種のタイムトラベルの要素を持っていると言える。
幼馴染の浩市と淳美が育った場所にリゾート開発計画が持ち上がるという時代設定は、恐らくバブル時代の話だ。その頃に子供だった二人、その時の事件が伏線となって現在と結び付いている。
最初はてっきり淳美がこん睡状態に陥り、浩市がセンシングで淳美の意識の中に潜入しているのだとばかり思っていた。だが真相は浩市がちょっとした不注意で足を滑らして滑落して頭部を打撲。前半部で淳美に盛んに浩市が呼びかけて意識を取り戻そうと試みるが、実際は混線していたのか、中盤以降で辻褄が合わなくなり始めてから、実は逆だったという事実を少しずつ観る側に突き付けて来る。
タイトルの「首長竜」は実は幼馴染で水難事故で亡くなった「モリオ」の化身で、CGで描かれた首長竜に追い詰められるシーンは前時代のSF映画観たいで、言いたい事は分かるのだが興醒めだった。ラスト、真相が明かされ、病院のベッドで1年近く(以上だっけ?)眠ったままだった浩市が目を覚ましてジ・エンドとなるのだった。

綾瀬はるかと佐藤健の絡みが大部分で、中谷美紀や染谷将太が一歩下がった状態で主役の二人と密な関係をアピールする役目と言ったら良いだろうか?その他の脇役達も中々のメンツだが、前半と後半では別々の映画を二本観ているような感じで、その辺の脚本上の工夫が求められる。


映画『県庁おもてなし課』を観て

2013-05-25 17:32:09 | 映画・邦画

13-45.県庁おもてなし課
■配給:東宝
■製作年、国:2013年、日本
■上映時間:123分
■料金:1,800円
■観賞日:5月25日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(六本木)

◇堀北真希
◇錦戸亮
◇船越英一郎
◇高良健吾
◇関めぐみ
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
高知県庁・観光部に観光促進を目的とする“おもてなし課“が発足。だが、事なかれ主義の体質が抜けない職員たちは、斬新な企画を打ち出すこともなく、毎日なんとなく仕事をこなしていた。
そんな“おもてなし課“の中で、やる気はあるが空気の読めない若き職員・掛水史貴は、県出身の小説家・吉門喬介に観光特使就任を要請するが、役所仕事と民間感覚のズレを厳しく指摘されてしまう。毒舌家だが言っていることは当を得ている吉門は、掛水に「県庁外部から女性を雇うこと」、そして「以前『パンダ誘致論』を展開して県庁を追われた伝説の元職員・清遠和政に接触を試みること」をアドバイスする。
掛水は、民間感覚と柔軟な発想力を兼ね備えたアルバイト・明神多紀を雇い、清遠の大胆な発想とアドバイスを求め、彼の経営する民宿を訪ねる。しかし、その民宿で掛水は、実質民宿を切り盛りしている清遠の娘・佐和からいきなりバケツの水を掛けられてしまうのだった。なにか事情があるらしい吉門と佐和の関係が明らかになっていく中、やがて高知県全土を巻き込んだ“おもてなし課“の計画が動き始める……。

高知県庁に実在する「おもてなし課」を舞台にした作品で、堀北真希と関ジャニの錦戸亮の二人が主役とあればヒットが約束されえいるような配役だ。二人共にさわやかなイメージがあることから、この配役は見事ハマっていた。
県内をレジャーランド化するという発想から、元職員の清遠が経営する民宿に行くと、気の強そうな娘にバケツで水をかけられる。その清遠を紹介したのが県出身の人気小説家・吉門で、その吉門と清遠の娘・佐和の意外な関係が明らかになり、この関係と明神と掛水の微妙な関係も絡む展開。
堀北演じる明神の爽やかさと、清遠佐和のしかめっ面との対比が面白かったが、明神がアルバイト職員であるのは如何にも現在の社会情勢を反映しているし、県庁の職員の民間感覚の欠如も描かれていた。
清遠家の三人と県庁の明神と掛水の関係を描きながら、如何にして高知県を魅力のある県として売り込んでいくかに苦心するようす、そんな感じの作品だった。一見すると高知県PR映画に見えるが、この二組の人間関係を多く盛り込んだことで、安っぽい映画にはならなかった。ストーリーそのものは平坦だったが、俳優陣の人選の良さがそうしたマイナス点を上手く補っていたように見えた。ただ、最後のTV出演のシーンは...?必要かなって感じ。


映画『クロユリ団地』を観て

2013-05-19 16:00:26 | 映画・邦画

13-44.クロユリ団地
■配給:松竹
■製作年、国:2013年、日本
■上映時間:106分
■料金:1,800円
■観賞日:5月19日、新宿ピカデリー(新宿)
□監督:中田秀夫
◇前田敦子
◇成宮寛貴
◇勝村政信
◇西田尚美
◇手塚理美
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
クロユリ団地に引っ越してきた明日香。老朽化の進むこの団地で、13年前から謎の死が相次いでいることを彼女は知らなかった。明日香は引っ越したその夜から、隣りの部屋からの不気味な音に悩まされ続ける。ある日、目覚ましの音が鳴り続いているのを不審に思った彼女が隣室を訪ねると、老人が独りきりで死んでいるのを見つける。
明日香は老人の死を防げなかった自責の念と、その日から次々と彼女を襲う恐ろしい出来事に神経をすり減らす。老人が何か伝えようとしているのではないかと考えた明日香は、隣室の遺品整理に来た特殊清掃員の笹原の力を借りて手がかりを探そうとするが……。

AKB48を卒業して女優の道を進む前田敦子がJホラーの第一人者である中田秀夫監督作品に出演した。ホラー映画の演技って、場面によって展開が急に変ったりで、驚きの表情とか結構それなりの演技力が伴わないとファンからそっぽを向かれる。私はAKBのファンでも無いので、ただ単に中田作品を観たら元AKBが出演していたというスタンスで観た。
まずはタイトルの「クロユリ団地」だが、映像で見る限りはどう見ても年季の入った公営住宅としか見えない。団地の作りとか部屋の規模とかはそのままの印象だが、名前は如何にも何かありそうな感じだが、「クロユリ団地」なんてネーミングは公営団地には無さそうなところが逆の意味で何かありそうな変な感じ。
冒頭で前田敦子が幸せそうな家族団らんの一場面が出て来るが、この時間軸と現在の時間軸があちこちで交錯するのがミソで、この辺は中田監督の巧みな演出だ。登場人物は前田とやはり心に傷を抱えている成宮演じる笹原とミノル少年の「三人」だ。

ミノルは当初は孤独な少年、との印象だったがやはり中田作品らしく、この少年の正体が実はストーリーの鍵だった。少年は実は事故で亡くなっていて、まだ現世に魂は残したままかつての居住地であったクロユリ団地に姿を現している。明日香も家族を事故で失っており、成宮演じる笹原も恋人を「失って」いて、心に傷を負ったもの達同士だった。
結局、ミノルの事故の真相も分かり笹原は引き込まれてしまい落命、明日香も除霊に失敗して、これではミノル少年の霊とこの先も付き合うことになりそうで、監督の意図なのだろうが続編を作ろうと思えば「増産」出来そうなエンディングだった。

世間的には前田敦子出演作で、まだ女優としての実績を積むことになる彼女にはキツイ評価は無いだろう。彼女の演技力をここで論じるのはまだまだ早いかな?もっともっとストーリーに違和感なく溶け込んで、作られた表情以外の何かが出せるようになったら改めて論じてみたい。


映画『図書館戦争』を観て

2013-05-01 23:13:57 | 映画・邦画

13-36.図書館戦争
■配給:東宝
■製作年、国:2013年、日本
■上映時間:128分
■観賞日:5月1日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)
■料金:1,000円



□監督:佐藤信介
□原作:有川浩
◆岡田准一(堂上篤)
◆榮倉奈々(笠原郁)
◆田中圭(小牧幹久)
◆石坂浩二(仁科巌)
◆栗山千明(柴崎麻子)
◆手塚光(福士蒼汰)
◆西田尚美(折口マキ)
◆橋本じゅん(玄田竜助)
◆鈴木一真(武山健次)
【この映画について】
 『阪急電車 片道15分の奇跡』などの原作者、有川浩の代表作を基に、岡田准一と榮倉奈々が本を読む自由を守る自衛組織の隊員にふんするSFアクション。国家によるメディア検閲が正当化されている架空の社会を舞台に、“図書隊”の新人女性隊員が鬼教官や仲間たちに助けられながら、知る権利や本を読む自由を死守すべく戦いに身を投じていく。
田中圭や栗山千明、石坂浩二など豪華なキャストが共演。『GANTZ』シリーズなどの佐藤信介がメガホンを取る。本格的な戦闘シーンと共に、登場人物たちの恋の行方からも目が離せない。(この項、Yahooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
近未来の日本。各メディアにおける風紀を乱す表現を武力の行使をも厭わず取り締まる『メディア良化法』が施行された。
それから30年後の正化31年、『メディア良化法』による検閲に対抗し読書の自由を守るために結成された図書館の自衛組織・図書隊に笠原郁が入隊する。

郁は高校生のときに図書隊隊員に読みたい本と彼女自身を助けてもらったことがあり、その隊員に憧れていた。郁の担当教官となった二等図書正・堂上篤は非常に厳しく、郁を助けた隊員のことも愚かだと非難する一方、絶妙なタイミングでフォローを入れてくる。
堂上の厳しい指導を経て、郁は女性としては初めて図書特殊部隊ライブラリータスクフォースに配属されるまでに成長。堂上や小牧幹久の下、エリート・手塚光や業務部・柴崎麻子といった同期の仲間に囲まれ過酷な訓練と図書館業務をこなしていく。そんな中、郁はなぜか優しく助けてくれた憧れの隊員とは真逆であるはずの堂上のことを意識しはじめる。

ある日、小田原にある情報歴史図書館が閉館されることになる。情報歴史図書館が有するすべての資料は関東図書隊に移管されることになったが、その中には『メディア良化法』に関する報道資料が含まれていた。
それは『メディア良化法』成立の裏側に触れていると言われており、メディア良化委員会はその報道資料を狙っているため、移管の日には図書隊とメディア良化委員会との衝突が避けられないことが決定的だった。本来タスクフォースは危険な前線に立つべきであるものの、郁は図書基地司令・仁科巌の護衛にまわることになる。闘配備から外されたことにショックを隠せない郁に、堂上は何も言わないでいた。全面対決がはじまるそのとき、堂上の耳に、思いもよらぬ事件が起こったことが入ってくる……。

原作を未読の為、違いは分からないが岡田准一と榮倉奈々の配役は良かったのではないだろうか?ただ、メディア良化法の名の下に有害図書として排除され、それを守る為に自衛組織であるタスクフォースとの間に激しい戦闘が繰り広げられるというのは飛躍しすぎる感じは個人的に否めない。ストーリー的には榮倉奈々演じる笠原が、憧れを抱いてタスクフォース入りを決意をし、その相手が鬼教官の堂上だったという設定だ。その堂上を異性として意識するようになるのだが、笠原が堂上を「チビ」と吐き捨てるように呟くシーンは笑えた。榮倉奈々はモデル出身なだけに細身で長身小顔で、岡田准一より背が高いだけに、このセリフって即興かな?


映画『藁の楯』を観て

2013-04-29 23:16:32 | 映画・邦画

13-35.藁の楯
■配給:ワーナー・ブラザース
■製作年、国:2013年、日本
■上映時間:125分
■観賞日:4月29日、TOHOシネマズ渋谷
■料金:1,800円

□監督:三池崇史
◆大沢たかお(銘苅一基)
◆松嶋菜々子(白岩篤子)
◆岸谷五朗(奥村武)
◆伊武雅刀(関谷賢示)
◆永山絢斗(神箸正貴)
◆余貴美子(由里千賀子)
◆本田博太郎(大木係長)
◆藤原竜也(清丸国秀)
◆山努(蜷川隆興)
【この映画について】
人気漫画「ビー・バップ・ハイスクール」シリーズの作者で、作家としても活躍する木内一裕の同名小説を、大沢たかお、松嶋菜々子、藤原竜也の共演で、鬼才・三池崇史監督が映画化したサスペンス・アクション。殺人鬼を殺したら10億円を支払うという新聞広告に殺気立つ人々と、彼を警視庁まで移送する任務を受けたSPの息詰まる攻防戦が描かれる。(この項、MovieWalkerより転載しました)
【ストーリー&感想】
歳の幼女が惨殺される事件が発生。8年前に少女暴行殺人事件を起こし出所したばかりの清丸国秀に容疑がかかり、警察による捜査が行われるが、一向に清丸の足取りは掴めずにいた。
事件から3ヶ月後、事態が大きく変わる。殺された幼女の祖父・蜷川隆興は政財界を意のままに動かす大物で、彼が大手新聞3紙に、清丸を殺した者に10億円支払うとの全面広告を打ち出した。この前代未聞の広告を見た国民は一気に殺気立ち、身の危険を感じた清丸が福岡県警に自首。東京の警視庁まで清丸の身柄を護送する最中に彼の身を守るために、生え抜きのSP5名が配置された。いつ、どこで、誰が襲撃してくるかわからない極限の緊張状態の中、護送が始まる……。

この映画、冒頭から人間の欲望丸出しみたいなシーンの連続で畳み掛ける前半部と、中盤以降は一転して護送するSP同士が疑心暗鬼になったりと心理劇が展開される。
資産家であり祖父でもある蜷川が新聞紙に清丸を殺したら10億円の広告に殺気立つ日本中の人間模様はおかしかったが、そもそもこの様な広告をいくら蜷川が資産家であっても新聞社が広告を掲載するのは疑問に感じる。
SPや機動隊に裏切り者が実は潜んでいたりしながら、また、途中で新幹線を降りて清丸に不意を突かれて白岩が落命したりしながらも警視庁まで清丸の護送を果たしながら、最後はまさに体を張った銘苅を演じた大沢たかおの演技は良かったのと、資産家蜷川を演じた山努の存在感も半端じゃなかった。犯人清丸役の藤原竜也、日本中を敵に回し警察からも命を狙われる役所だったが、憎しみを振りまく?様子の演技はこちらもナイスだった。


映画『脳男』を観て

2013-02-18 09:30:00 | 映画・邦画

13-16.脳男
■配給:東宝
■製作年・国:2013年、日本
■上映時間:125分
■観賞日:2月17日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(六本木)
■料金:0円(ポイント利用)

 

□監督:瀧本智行
◆生田斗真(鈴木一郎)
◆松雪泰子(鷲谷真梨子)
◆江口洋介(茶屋刑事)
◆二階堂ふみ(緑川紀子)
◆太田莉菜(水沢ゆりな)
◆大和田健介(広野刑事)
◆染谷将太(志村)
◆光石研(黒田雄高)
◆甲本雅裕(空身)
◆小澤征悦(伊能)
◆石橋蓮司(藍澤)
◆夏八木勲(入陶倫行)
【この映画について】
生まれつきの常識では考えられないほどの高い知能と、驚異的な肉体を兼ね備えるも、人間らしい感情はない謎めいた男・脳男をめぐるバイオレンス・ミステリー。
第46回江戸川乱歩賞を受賞した首藤瓜於の小説を原作に、『犯人に告ぐ』などの瀧本智行が監督を務め、『八日目の蝉』の成島出が脚本を担当。感情を持たない冷徹な男には、『僕等がいた』シリーズの生田斗真がふんし新境地を開拓。共演には松雪泰子と江口洋介、『ヒミズ』の二階堂ふみ、染谷将太ら多彩な顔ぶれがそろう。(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
都内近郊で無差別連続爆破事件が頻発し、路線バスが爆破される。乗客が全員死亡したその犯行に使われたのは、舌を切り取られた女性の全身に爆薬を巻きつける“人間爆弾”。
動機不明の異常な事件を担当する刑事の中に、粗暴だが人一倍正義感の強い茶屋がいた。犯人のアジトを突き止めた彼が現場に踏み込むと、別の男と格闘していた犯人がアジトを爆破して逃走する。茶屋が確保したその男は、“鈴木一郎”と名乗った以外、一切身元不明。爆破の共犯者と見なされ、精神鑑定を受けるが、担当医師の鷲谷真梨子は彼の態度に違和感を覚える。

平均的過ぎる受け答え、正確過ぎる生活行動。その様子を観察した真梨子は、一郎の過去を調べ始める。本名は入陶大威(=いりすたけきみ)。幼い頃に轢き逃げ事故で両親を亡くした彼は、大富豪の祖父・入陶倫行(=いりすのりゆき)に引き取られる。ところが、倫行は息子夫婦を失った怒りから、並外れた知能を持つ一郎を、人間らしい感情を持たず、正義のために犯罪者を抹殺する殺人ロボットに鍛え上げたのだ。
そんな彼は周囲から“脳男”と呼ばれるようになっていた。だが真梨子は、どんな人間でも必ず人間性を取り戻せると信じていた。一方、茶屋も“一郎は犯人を殺そうとしたのではないか”という仮説に辿り着く。そんな中、一郎を移送していた護送車が、緑川紀子と水沢ゆりあの2人組に襲われる。一郎を出せと要求する彼女たちこそ連続爆破犯だった。争いの中でゆりあが一郎に撃たれ、仕掛けられた爆弾によって護送車が爆発。混乱に乗じて緑川と一郎が逃走する。

1週間後、姿を現した緑川が、真梨子を人質に取って病院に立て籠もる。病院中に仕掛けられた爆弾に翻弄される警察。そこへ、緑川を抹殺するため一郎が姿を現す。様々な想いが錯綜する中、一郎と緑川の死闘が幕を開ける……。

光源氏を演じていたジャニーズ事務所所属ながら俳優路線を歩む生田斗真が「脳男=鈴木一郎」を演じる。時代劇から一気に現代的な人物像を演じるので、その違いが演技力を試される映画でもあった。
鈴木一郎(ヤンキースの方は本名『鈴木一朗』)と名乗る場面があるが、そもそもそれ自体が偽名なのは明らかで、この点については彼の生い立ちを探るシーンで祖父の夏八木勲が登場することで明かされる。冒頭で路線バスが白昼爆破されたりして派手な演出が施されてはいるものの、鈴木一郎が犯人として取り調べられるようになってからは、どちらかと言えば松雪泰子演じる精神科医とのやりとりと捜査担当刑事である茶屋との絡みが主。
脳男と呼ばれる鈴木が感情が無くまばたきせずに質問に答えるシーンを用意することでそれを証明するのだが、その強靭な肉体は交通事故にあってもほぼ無傷である点は「どうかな?」って現実的ではないので違う描き方にした方が良かっただろう(原作本はどう描写しているのだろう?)。

ラストの末期癌患者である緑川と鈴木との対決で幕となるのだが、個々の素材は面白いのだが、原作とどのように違うのかは分からないが、序盤の盛り上がりからラストでの二人の対決に繋げるまでのストーリーにあと一つ二つ大きなエピソードなりサイドストーリーを生い立ち部分に組み込めばどうだったかな?
生田の演技は難しい役だったので彼のキャリアからすれば合格点、緑川を演じた二階堂ふみは良かったね。あと、染谷将太も子役時代もあるので年齢の割には落ち着いた演技をする。これからも楽しみな「若手」だ。 


映画『みなさん、さようなら』を観て

2013-02-03 23:29:50 | 映画・邦画

13-10.みなさん、さようなら
■配給:ファントム・フィルム
■製作年、国:2012年、日本
■上映時間:120分
■観賞日:2月3日、テアトル新宿(新宿三丁目)
■料金:1,800円

 

□監督・脚本:中村義洋
□脚本:林民夫
◆濱田岳(渡会悟)
◆倉科カナ(緒方早紀)
◆永山絢斗(薗田憲明)
◆波瑠(松島有里)
◆ベンガル(泰二郎)
◆田中圭(堀田)
◆大塚寧々(渡会日奈)
◆ナオミ・オルテガ(マリア)
【この映画について】
『アヒルと鴨のコインロッカー』『ポテチ』の名コンビ、中村義洋監督と主演の濱田岳が再びタッグを組んだ青春作。小学校卒業を機に、団地から一歩も出なくなった主人公の12歳から30歳までの喜怒哀楽を追い掛ける。
その同級生を倉科カナ、永山絢斗、波瑠ら注目の若手俳優たちが演じ、母親役の大塚寧々やケーキ店店主役のベンガルらベテラン俳優たちが作品に彩りを添える。昭和のシンボル団地を舞台に展開する心温まるストーリーが胸に響く。(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
“僕は一生、団地の中だけで生きていく。”12歳の春、渡会悟の一大決心は母の日奈を始め、周囲を仰天させる。賑やかな団地には、肉屋から魚屋、理髪店、衣料品店など何でも揃っている。外出する用事は、団地の敷地内だけで充分。初恋も、親友も、何だって団地の中だけで済ますことができる。団地の中のケーキ屋に就職し、同級生の緒方早紀と婚約。
団地の中だけの生活を謳歌してゆく悟だったが、いつしか団地で暮らす友人たちは、1人、また1人と悟の前から去ってゆく。本当はみんな知っている。なぜ悟が団地から出ないのか。果たして、悟が団地から出なくなった本当の理由とは何なのか?彼が団地の外に一歩踏み出す日は来るのだろうか……?

悟は小学校の時、中学生が教室に乱入して包丁を振り回した揚句に刺殺する事件が発生し、これをきっかけに団地の外に出ず団地内で一生を過ごすと決意する。だが、何でそうなの?小学生の考えだから論理的ではなく思い付きだったのだろうが、このストーリーのそもそものスタートはそこなので、もう少ししっかり描いても良かった。
悟の決意も虚しく、同級生は次々と団地を後にして引っ越すばかりで、何時の間にか団地は廃れて来て活気も失われて行く。母子家庭の悟は母・日奈の心配もどこ吹く風で、団地内の商店街に就職すると決意するものの、どの店からも求人を断られ、辛うじて顔馴染みのケーキ屋である秦二郎の店でアルバイトとして雇ってもらう。
相変わらず団地から一歩も外に出ない生活を続けながらも、早紀と婚約し彼女の為にも外に出る決意を一度は固めるも、いざ外へ繋がる階段を降りようとするも発作を起こしてしまい断念し、婚約そのものも不成立となってしまう。

そんな時に知り合ったブラジル人少女との交流話と彼女を誘拐しようとする一味との対決は「余計」だった部分だ。この部分をカットして上映時間を短縮した方が良かった。
最後は、看護師の母が病院で急病で倒れたことから、悟は意を決し団地を出た。が、既にその時にはかつての同級生らは一人も残っていなかった。母は結局亡くなってしまうのだが、悟に取って母の存在はそれだけ大きかったのだ。

12歳から30歳の悟を演じた濱田岳は、それぞれの年代を個性的に演じていたし倉科カナも良かった。だが、ストーリーの核が無くブラジル人少女との交流もどこか中途半端な印象だった。 


映画『さよならドビュッシー』を観て

2013-01-27 23:36:33 | 映画・邦画

13-7.さよならドビュッシー
■配給:東京テアトル
■製作年、国:2013年、日本
■上映時間:131分
■観賞日:1月26日、ヒューマントラストシネマ渋谷(渋谷)
■料金:1,800円



□監督・脚本:利重剛
□脚本:牧野圭祐
◆橋本愛(香月遥)
◆清塚信也(岬洋介)
◆ミッキー・カーチス(香月玄太郎)
◆吉沢悠(新条医師)
◆相良樹(片桐ルシア)
◆相築あきこ(香月悦子)
◆清水紘治(鬼塚先生)
◆戸田恵子(桃山校長)
◆熊谷真実(綴喜みち子)
【この映画について】
第8回「このミステリーがすごい!」大賞に輝いた中山七里の小説を、久々にメガホンを取る利重剛監督が映画化。火事で重傷になりながらも、懸命にピアニストを目指す少女が不可解な事件に巻き込まれていくさまを、ドビュッシーやショパンの名曲に乗せて描く。
主演は、『桐島、部活やめるってよ』など話題作への出演が相次ぐ橋本愛。ピアノ教師を、テレビドラマ「のだめカンタービレ」の吹き替え演奏で知られる人気ピアニストの清塚信也が演じる。(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
ピアニストになることを目標にしている16歳の遥は両親や祖父、いとこらに囲まれ幸せに暮らしていたが、ある日火事に巻き込まれルシアと祖父が犠牲になり遥一人だけ奇跡的に生き残る。全身の皮膚を移植する手術を受け、まさに奇跡的に死の淵から生還した。
全身に大やけどを負い心にも大きな傷を抱えた遥だったが、ピアニストになることを諦めず、コンクール優勝を目指して猛練習を再開した。それは生前にルシアと交わしたある約束、プロになってルシアの為にドビュッシーの「月光」を弾くことだった。しかし、資産家である一家の一族を巻き込んでの遺産相続を巡って、12億円を相続することになった彼女の周囲で不可解な現象が続発し、彼女の身にまで不審な出来事が発生するなど不穏な空気が流れる。

橋本愛主演作のこの映画、彼女はいまや若手女優の注目株で昨年も何本か出ていたけど(「貞子3D」はイマイチだった)、今回はピアニストになる夢を持ちながらも全身に大やけどを負った少女という役所。 
ピアニストになる夢を諦めずに追って行く部分と、両親がアフリカ出張中に行方不明になってから暮らしていた家が火事で焼失して大火傷を負う部分とそれに纏わるミステリー部分が重なる展開。前半で仲良しだった遥とルシアの同い年のいとこ、この二人、実は良く似ていると言う点がミステリーのなぞ解きの伏線になっていて、最後に、遥とルシアが実は入れ替わっていたというオチに繋がっている。ミステリー部分のこの入れ替わりは確かにアッと思わされたが、ピアニストになる夢を追い続けていた理由が入れ替わった部分とも重なっている。
だが、この映画の見どころはミステリー部分よりやはりピアニストへなる為に岬からレッスンを受けながら成長していく部分だと思う。岬を演じる清塚信也の本職は俳優ではなくて「ピアニスト」である。音楽演奏シーンに有りがちな、音は吹き替え録音を使用し俳優は演奏している「フリ」をして合成するやり方では無い、本職が演奏しているだけに説得力がある。

橋本愛は今まで美少女ぶりが注目され、出演作に恵まれていた感じは薄かったが、やっとストーリー的(突っ込みどころは多いですが)にも役所的にもしっかりした作品に主役として出演し、しっかりとした演技で応えていた点は好感が持てる。


映画『青木ヶ原』を観て

2013-01-12 10:45:11 | 映画・邦画

13-3.青木ヶ原
■配給:アークエンタテインメント
■製作年、国:2012年、日本
■上映時間:104分
■観賞日:1月12日、有楽町スバル座(有楽町)
■料金:1,600円

 

□監督:新城卓
◆勝野洋(松村雄大)
◆前田亜季(加納純子)
◆矢柴俊博(滝本道夫)
◆津川雅彦(住職)
◆長谷川真弓(滝本志津)
◆渋谷天外(番頭)
◆田中伸一(大前)
◆ゴリ(マスター)
◆左とん平
◆二木てるみ
◆石原良純
【この映画について】
元東京都知事・石原慎太郎(現、衆議院議員)の小説を、彼の作品を2度映像化している新城卓監督が映画化した、ファンタジックなラブストーリー。純愛の末、一度迷い込んだら出てこれないという自殺の名所である富士山麓の青木ヶ原樹海で命を絶った男女と、男の幽霊に導かれた地元男性との不思議な運命を描く。前田亜季が男の愛に揺れるヒロインを熱演。(この項、Movie Walkerより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
富士山麓、苔むした溶岩の上に木々が鬱蒼と茂る青木ヶ原樹海は、世間から姿を消したいと願う人々が集まってくる。忍野村でペンションを経営する松村雄大が行きつけのバーで出会った男は、松村が参加する遺体一斉捜索に同行したいと申し出る。

翌日の捜索で、その男が約2年前の遺体となって発見される。松村が丁寧に葬ると、男は再び現れて頭を下げる。しかし男の幽霊は松村の前に現れ続ける。村の住職は、男は松村に頼みたいことがあるはずだと言う。県警の友人から男の身元を聞き出した松村は、彼が入婿として若旦那をつとめていた東京の老舗紙問屋に行く。
男は滝本道夫といい、恋愛結婚をした妻・志津と息子がいた。しかし2年前に金庫の金を持って家を飛び出した滝本を遺族は許しておらず、遺骨の引き取りを拒否される。

調査を続ける松村は、紙問屋の番頭や滝本の親友・大前の話から、滝本と加納純子という若い女性の関係を知る。ライオンズクラブの慈善活動で、幼稚園に勤める純子と出会った滝本は、幼いころ富士山麓で起きた交通事故で両親を失い、自身も足に障害を負いながら明るく生きる純子に惹かれていった。
純子は自分を好きにならないよう訴えるが、2人の純愛はますます絆を深めていく。やがて純子が白血病で倒れると、滝本は彼女を守る決意をする。破格の費用をかけた手術で回復したかに見えたが、ある日、純子は化学療法をやめ、姿を消す。2年前、滝本は最後の電話で大前に、純子を見つけたと告げたという。松村は謎を明らかにするために、樹海へ向かう。

この映画、冒頭のシーンでゴリ演じるバーのマスターと常連の会話シーンで、気がついたら見馴れない男性がポツンと座っている。だが、実はこの男性こそが滝本自身であり、バーに来ていた松村との「出会い」の場だった。翌日、滝本自身が希望して青木が原樹海の行方不明者遺体一斉捜索に加わりたいと申し出があったため、松村と再び集合場所で出会う。
だが、この滝本は「幽霊」であり捜索現場で遺体で発見される。ここまでの流れは自然なのだが、監督の演出なのか静かな滑り出しと言った風情だが、シーンの描き方としては物足りなかった。
結局は滝本が松村の経営するペンションのことを覚えていたのがきっかけらしいが、松村演じる勝野洋が探偵か刑事に見えてきたと観賞したひとなら感じたのでは?ストーリーの本質は滝本が難病に冒されている純子と出会い、彼自身が老舗の入り婿という息苦しい家庭環境から抜け出したい願望があったのか、純子との交際に発展。純子はそんな滝本の好意を嬉しく思いながらも、自分の病気の事で頭が一杯で敢えて滝本を突き放そうとするが、自然の流れで二人は同居生活を始め、滝本は妻の実家の金庫から大金を持ち出し、彼の妻子との生活はこの時点で破綻。だから、遺骨の引き取りを拒否されていた訳だ。

純子との関係は深まり、持ち出した資金で米国での最先端治療を受け一時は回復に向かったが、やはり、体は再び彼女の体を蝕み滝本に何も告げずに行方をくらまし、必死に彼女を探すが...。純子の命の灯は消えかかっており、だが、彼女には滝本との愛の結晶を宿していた。自分の命と引き換えても産もうと決心して病院を回った彼女だが、遂に、その願いは叶わず。滝本に見守れ富士の樹海で力尽きてしまい、滝本も彼女の後を追うように...。
滝本は一体松村に何を訴えたかったのか?

この作品、主役は勝野洋であるが、滝本を演じていた矢柴俊博が主役とも取れる。矢柴に関してはCMで見た程度の印象しか無く、それでも印象の薄い滝本役にはある意味で適役か?脇役で津川雅彦、左とん平、ゴリ、石原良純らに加えて原作者の石原慎太郎が一瞬出演するなど、むしろ脇役の方が知名度が高かった?

さて、公開初日の初回上映、有楽町スバル座で始めて映画を観た。で、私は知らなかったのだが、初日ということもあって出演者らによる舞台挨拶があった。原作者は欠席で新城監督がメッセージを代読し、後は勝野洋や前田亜季や矢柴俊博などが1回目の上映終了後に挨拶した。TVや雑誌の取材もあり、始めて舞台挨拶というのに遭遇しました。


映画『その夜の侍』を観て

2013-01-06 20:59:47 | 映画・邦画

13-2.その夜の侍
■配給:ファントム・フィルム
■製作年、国:2012年、日本
■上映時間:119分
■観賞日:1月5日、新宿武蔵野館(新宿)
■料金:1,800円

 

□監督・脚本:赤堀雅秋
◆堺雅人(中村健一)
◆山田孝之(木島宏)
◆新井浩文(青木順一)
◆綾野剛(小林英明)
◆谷村美月(関由美子)
◆安藤サクラ(ミカ)
◆でんでん(佐藤進)
◆坂井真紀(中村久子)
◆田口トモロヲ(星信夫)
◆山田キヌヲ(川村幸子)
【この映画について】
劇団「THE SHAMPOO HAT」の赤堀雅秋が作・演出・主演を手掛けた戯曲を、彼自らの演出で映画化したヒューマンドラマ。
ひき逃げ事件の犠牲になった妻の復讐に燃える男と、その事件の犯人で刑務所から出てきた男の対峙(たいじ)を、重厚なタッチで紡ぎ出す。堺雅人が復讐の機会をうかがいつつも、良心の呵責(かしゃく)にさいなまれる男を熱演。また、山田孝之が、粗暴と孤独を併せ持つひき逃げ犯を演じ切る。人間の残酷さと狂気、そこから生まれるかなしさを深くえぐった深遠なテーマも見逃せない。
(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
東京のはずれで小さな鉄工所を営む中村健一は、5年前、トラック運転手に最愛の妻久子をひき逃げされた。死んだ妻の思い出から抜け出せず、留守番電話に遺された妻の声を延々再生しながら糖尿病気味にも関わらず甘いプリンを食べ続けている。

喪失感を抱え絶望的な毎日を過ごす中村に、従業員の久保や佐藤たちは、腫れ物に触るように接するしかない。久子の兄で中学校教員の青木は、中村を早く立ち直らせようと、同僚の川村と見合いをさせるが、中村は「僕なんかあなたにふさわしくない」と新しい人生に向かうことを拒絶する。
一方、久子をひき逃げした犯人、木島宏は、2年間の服役後、ひき逃げトラックに同乗していた腐れ縁の友人小林の家に転がり込んでいる。そんな木島のもとに、1ヶ月前から「お前を殺して俺も死ぬ。決行まで後○日」という無記名の脅迫状が連日執拗に送られてきていた。決行日は木島が中村の妻を轢いた日で、もう数日後に迫っている。

木島から脅迫状のことを知らされた青木は、脅迫状を送っているのは中村と察し、復讐の決行をやめさせようとするが、中村を前にすると何も言えなくなってしまう。そんな中、中村は鉄工所の仕事の合間、包丁をしのばせた袋を手に毎日のように木島をストーキングし続けていた。
決行前夜。ラブホテルでホテトル嬢のミカと過ごし、虚しさをさらに募らせる中村。一方、木島は復讐を思い留めさせられない青木に腹を立て、生き埋めにすると脅すのだった。そして決行日の夜。台風の激しい雨が町を覆っている。歩き回ったあげく、人気の無いグラウンドまでやってきた木島は、闇の中、後を追いかけてきた中村と遂に対峙する……。

「健ちゃーん、また隠れてプリン食べてるんでしょ、バレてるんだからね。本当、いい加減にしないと死んじゃうんだからね、冗談抜きで!」
この映画の主役はある意味で姿を現さない、事故死した健一の妻の存在ともいえる。何故なら、健一は妻・久子の突然の事故死で立ち直ることが出来ずに、殻に閉じこもってしまう。殺風景な部屋で、妻の残した「健ちゃーん」の留守電を聞きながらプリンを食べるのが、唯一、妻との繋がりを現世で持てるので、糖尿病が進行しようとお構いなくプリンを食べる、そんな単調な生活の毎日。(ラストでは、そのプリンを頭に乗せてグチャグチャにして留守電を抹消する、何か吹っ切れたのだろうか?)
そして、その妻をトラックで轢き殺した木島をひたすらつけ狙い、包丁を隠し持って「決行の日」へ向けてのカウントダウンを儀式みたいにしている。だが、そもそも健一に木島を抹殺する勇気は持ち合わせていない。また、木島もその最低人間振りがやたらに強調されているが、彼も臆病で寂しさから虚勢を張っている、健一と木島はどこか似た者同士ではないだろうか?

ストーリー的には終盤の公園での雨中の決戦?がハイライトであるが、そこに至るまでの登場人物のキャラとそれを演じる俳優陣の演技は良かった。山田孝之の「嫌な奴、最低人間?」で工事現場警備の若い女性を手籠めにするキャラ、堺雅人の頼り無さそうな暗そうなキャラ、その健一が経営する工場の従業員達が腫れものを触るように接する様子、久子の兄を演じる新井浩文のこれまた木島に良いように脅され健一に再婚を勧めるキャラなど、どの俳優も脚本通りの演技を通り越して観ている者に訴える演技は評価したい。
だが、残念ながらミニシアター系での公開に留まったのは、ストーリーとしての広がりとか華やかさに欠ける点や監督の知名度などが挙げられるが、作品自体は良かったと思う。


映画『今日、恋をはじめます』を観て

2013-01-02 18:55:07 | 映画・邦画

12-107.今日、恋をはじめます
■配給:東宝
■製作年、国:2012年、日本
■上映時間:121分
■観賞日:12月30日、TOHOシネマズ有楽座(有楽町)
■料金:0円(1カ月フリーパス)

 

□監督:古澤健
◆松坂桃李(椿京汰)
◆武井咲(日比野つばき)
◆木村文乃(菜奈)
◆青柳翔(花野井)
◆高岡早紀(神崎京香)
◆長谷川初範(日比野庄一郎)
◆麻生裕未(日比野節子)
◆村上弘明(椿圭太)
◆新川優愛(日比野さくら)
【この映画について】
累計800万部を超える水波風南の人気同名コミックを、本作が映画初主演となる武井咲と松坂桃李をキャストに迎え実写化。古風で恋愛に縁のない女子高校生が、秀才だが遊び人で人気者の同級生に反発しながらもいつの間にか恋に落ちる純愛物語。劇場版では原作にオリジナルの展開が盛り込まれ、高校生ならではのイベントが四季を通して描かれる。(この項、ぴあ映画生活より転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
日比野つばきは、真面目が取り柄だが、ファッションセンスはイマイチのダサダサ女子高生。高校の入学式当日、成績トップに加え、ルックスも学校でナンバー1というモテ男、椿京汰と隣の席になる。ガリ勉地味系で“昭和女”の自分には、おしゃれや恋なんて縁がないと諦めていたつばきにとって、これがすべての始まりだった。
クラスみんなの前で突然、京汰がつばきのファーストキスを奪った上に、“自分の彼女にする”と宣言。いきなりのキスに怒り、反発しながらも、軽薄な遊び人だとばかり思っていた京汰の隠された一面を目にして、つばきは次第に惹かれてゆく。初めてのデート、初めての恋、初めてのキス……。恋することを知り、少しずつ変わってゆく。そして京汰も、まっすぐにぶつかってくるつばきに徐々に惹かれ始める……。

この映画、原作が人気コミックだとは知らなかった、と言うよりTOHOシネマズの1カ月フリーパスを使う為に観たので、そうでなければ観る予定は無かったと思う。
ストーリー的にはモテ男の椿が敢えて地味な「つばき」を彼女に選んで、自分主導で交際を始めたものの、椿の母親が家を出たことで女性不信に陥っていたことが分かり、つばきも椿との交際を通じて「成長」していくことでストーリーは進んで行く。当初は椿のイケメンさについていけなかったのに、つばきが段々と洗練されてきたことで何時の間にか「格差」が縮まって、最後には椿の方がつばきを必要とする様な形に変って行くのだが、121分の上映時間はチョイと長く感じた作品でした。椿を演じた松坂桃李は何だかこの役がハマっていた。


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