「神さん今日は予定どうり進んでいますか。」声を掛けていただいたのは今月入社したばかりの相談員の補助のIさん。 施設の様子が分かるようになるまで時々2階のお手伝いに来てくれます。こうして身近にお世話をしていると1日の利用者が80名もいてもすぐに名前を覚えるでしょう。ここでは職員も利用者もお互いに名前で呼び合う親近感があります。
「手順どうりスムーズに出来ています。」 マシーンが滞りなく出来ると後は自主練習をたっぷりできるので安心。 隣でホットパック、メドマーの予約表にそれぞれが名前を記入している。Yさんが来て「マッサージ機に乗ってみようかな。」 1階から引っ越してきた大きなマッサージ機。早速彼女が名前を書いて予約した模様。 彼女がマッサージ機を受けるその前にメドマーをベッドに寝ながら受けている。その姿を見てから先ほどのI さんをそっと呼び小さな声で「Yさんは先月脳の手術を受けたばかりでマッサージ機に乗ってもいいかどうか介護士さんに確認してあげて。」
数人の介護士さんが輪になってどうしたら良いのか相談している。メドマーから戻ったYさんに初めてだから足だけマッサージをしましょうと説明していた。 そばでバイオサイクルに乗っていた私は余計なことを言ってしまったが後のことを心配するより一言で安心できてよかった。
12時近くなると一日コースの人は1階に降りて昼食準備。まだ2階にいる人たちはぞろぞろとエレベーターへ。一番元気なM子さん、降りるときは残っている半日コースの女性たちに一人づつ「さようなら、さよなら」とハイタッチ。身体が悪いところは何処もなさそうなM子さん。「いつも元気でいいわね。」 「そんなことないの。今おとなしくしているの。」 「それで」 「この間、うるさい、静かにしろ! と男性に怒鳴られたの。」声の大きさは変えられないし下を向いて笑っても楽しくない。下を向いていると息も出来ない。 ごもっとも!
明るく元気な方が生きる力も出るはずですが静かにしていたい人もいる。折り合いをつけるしかないのでしょう。