対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

ネイピア数の導入と自然対数の性質

2020-10-14 | 指数と対数
 オイラーはネイピア数(自然対数の底)を導入した。
  
  
 この直後の節(§123)で、オイラーは「それゆえ、双曲線対数(自然対数のこと)には、数1+ωの対数がωに等しくなるという性質が備わっている」と述べている。
 任意の対数
  
でk=1(a=e)とすれば、log(1+ω)=ωになることはわかる。しかし、ネイピア数の導入と直結している「それゆえ」がわからなかった。

 次のように考えればよいことに気づいた。ネイピア数の導入
  
において、1/n=ωとおくと、左辺は
  
となる。
 ここで両辺の対数(底e)をとると、
  
  
したがって、log(1+ω)=ωである。