対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

ウグイスはどこへ

2018-03-30 | 庭に来る鳥
ヒヨドリは相変わらずいるが、メジロは見かけなくなっている。いまはスズメが目立つようになっている。キジバトやムクドリやシロハラはときどき見かける。鳴き声も聞く。
しかし、鶯の声がない。昨年は3月の初旬に1度だけ鳴き声を聞いた。今年は一度も聞いていない。桜の時期には、南天の茂みの中にいてよく鳴いていたものである。楽しみだった。南天を間引いたのがよくなかったのだろうか。

「こけら」と「かき」

2018-03-29 | ノート
「こけら」は材木を削ったくず、狭義では屋根を葺(ふ)くのにつかう薄い板を指す。「かき」は果物のカキである。
「こけら」と「かき」の漢字はまぎらわしい。「こけら」は、木部四画、[一](いち)+[巾]である。これに対して、「かき」は木部五画、[亠](なべぶた)+[巾]である。ワードなどでは区別して表示されるが、ネットでは区別されない。
「こけら」と「かき」の漢字が別字だとする説がある(多くの現代の字書)一方、その区別には根拠がないという説(JIS規格)もある。JIS規格では「柿(木部五画)」が両方の字を包摂するものとしている。過去の字書でのばらつきは次のようである(「こけらとかきの違い・続篇」、ブログ「曉に死す」より)。

ちなみに、4月1日が初日の御園座の案内は「柿葺落四月大歌舞伎 」となっており、「柿葺落」に「こけらおとし」とルビを振っている。「柿葺」(こけらぶき)を「こけら」と読んでいる。

ハンソンの楕円軌道論2

2018-03-28 | 楕円幻想
『新天文学』第56章の「目覚め」で、ケプラーが念頭に置いていたのは卵形であった。それは距離の関係を満足するが、角度(均差)の関係は観測値とずれがあった。「Zを捨てMを選んだ理由」で、豊頬形についてふれたが、これが卵形の最終的な形であった。先の記事は、ケプラーの意識的な位置づけを捨象して(というのは、ケプラーが想定した物理的な力の関係は全く間違っていたから)、ケプラーの無意識を捉えて構成したものである。
(わたしが想定していた「楕円」は、ニュートンが引力を見いだした「楕円」であって、そこでは火星と太陽が引き合っている。それはケプラーの想定した物理的な関係ではない。)

これに対して、ハンソンはケプラーの意図をたどっている。卵形が物理的な仮説で、楕円は卵形を近似する幾何学的な仮説にすぎなかった。しかし、第58章で変化が起こる。卵形は捨てられ秤動は楕円に取り込まれる。ここで楕円がはじめて物理的な仮説になる。これがケプラーの発見の核心であることをハンソンは指摘している。
わたしは「Zを捨てMを選んだ理由」で次のように述べた。
「ケプラーは楕円軌道を予感していた。火星に固有の力を想定し秤動論を構想することによって、離心円から楕円を導こうとする。最初、直径上の秤動を想定した。半径KB上の点Kから点Zへの秤動である。しかし、これば楕円ではなく、豊頬形を形づくった。ケプラーは「直径上の秤動が楕円に通じる道であるはずはない」(第58章)と思うようになる。しかし、「苦労した末」に、「楕円が秤動と両立すると着想する」(第58章)に至った。」

第58章の末尾のポイントだけ引用しているが、ハンソンが着目しているのはここである。前後を含めて引用してみよう。
(引用はじめ)『新天文学』(岸本良彦訳)
何よりも最も大きな不安は、気が狂わんばかりに考え込んで精査してみても、これほどの真実らしさで、これほど観測した距離に一致する形で、直径上における秤動を惑星に割り当てられるのに、何故、惑星はむしろ均差を指標として楕円軌道のほうを進みたがるのか、その理由を発見できないことだった。ああ、私は何と滑稽だったことか。直径LK上における秤動LEが楕円に通じる道であるはずがない、と考えたとは。こうして私はかなり苦労した末に、次章で明らかになるように、楕円が秤動と両立すると着想するに至った。同時に次章で、物理学的原理から引き出した論拠が、この章で挙げた観測結果や代用仮説による検証と一致する以上、惑星には軌道の図形として完全な楕円以外に何も残らない、ということが証明されるだろう。
(引用おわり)
ハンソンはここに「概念組織の変動のモデル」を見た。(つづく)

桜を見に行く

2018-03-27 | 日記
外の明るさに反応して、目覚めている感じである。調べてみると、日の出は5時45分、ずいぶん早くなっている。久しぶりに朝6時半のラジオ体操をやった。
昼に五条川の桜を見に行った。「日本のさくら名所100選」だけあってみごとな桜並木だと思う。平日なのにかなりの人出である。考えてみれば春休みの期間であった。8分咲きだろうか。金曜日から10日間、桜まつりだが、週末には散り始めるのではないだろうか。

桜、満開

2018-03-26 | 庭の草木
櫻、満開。「桜」は新字体、「櫻」は旧字体である。「さくら、まんかい」だが、ここでは、「ゆすらうめ、まんかい」のつもりである。
角川新字源』に次のようにある。

【桜】【櫻】
なりたち会意形声。木と、首かざりの玉の意と音とを示す嬰(エイ/ヤウ)とから成り、首かざりの玉のような実のなる木、ゆすらうめの意を表わす。日本では、花・葉などがゆすらうめに似ているところから、「さくら」の意に用いる。意味①ゆすらうめ。ばら科の落葉低木。果樹の一つ。②さくらそう(桜草) 後略

桜を「さくら」と用いるのは日本だけで、中国や朝鮮では「ゆすらうめ」のようである。「さくら」は日本で自生していた植物で、そこに中国から「梅」や「桃」や「櫻(ゆすらうめ)」が入ってきた。これらは全部バラ科の植物で、花もよく似ている。「さくら」に「櫻」を当てる。漢字がなくなった「ゆすらうめ」は、「梅桃」、「桜桃」と表記されるようになる。
暖かい日が続く。庭のゆすらうめは満開である。古文で「花」といえば、「さくら」を意味する場合もあれば「うめ」を意味する場合もあるという。「ゆすらうめ」を指すときはなかったのだろうか。

ハンソンの楕円軌道論1

2018-03-23 | 楕円幻想
『科学的発見のパターン』(村上陽一郎訳、講談社学術文庫、1986)の第4章「理論」は、ハンソンのケプラー論である。ここでハンソンは卵円形(物理的な仮説)と楕円(幾何学的な仮説)との関係を明確にしようと試みていた。取り上げてみよう。

火星―太陽系において、力関係は次のように考えられていた。太陽の力は火星を離心円の接線方向に動かし、軌道が円から外れる力は火星にある。火星が円から内側に移動するその動きは秤動と呼ばれていた。「円から楕円へ」がケプラーの歩みだが、円軌道に疑問をもったとき、最初に想定されたのは卵形であった。秤動の先には卵形があった。
ケプラーにおいて惑星軌道の物理は楕円ではなく卵形に想定されていた。楕円は卵形軌道を解明する代替手段(数学的道具)であった。卵形と楕円は並行していたが、力点はあくまでも卵形にあった。
『新天文学』第58章で、卵形(卵円形)が楕円に変わる。ハンソンはここに焦点を当てている。





ユスラウメとヒヨドリ

2018-03-22 | 庭に来る鳥
今日まで天気が悪い予報だったが、午前中から青空がみえていた。風は強い。予定になかった洗濯ができた。
シロハラが地面を啄んでいた。嘴で土や草などを放り投げる動作が機敏である。レンギョウの枝に飛び上がらないかと待ってみるが、期待通りにはいかない。蜜は好みではないのだろうか。レンギョウの枝で見かけているのはヒヨドリだけである。
ユスラウメにはスズメやメジロ、それにジョウビタキ、ヒヨドリが来ている。一番見かけるのはヒヨドリである。

ひよどり提灯

2018-03-21 | 庭に来る鳥
遠出をする予定にしていたが、天気予報を見て延期した。朝から冷たい雨が降っている。飛騨地方は霙だという。外出する気にもなれない。
枇杷の枝にヒヨドリが雨宿りしている。鳥にだって予想外の寒さだろう。トリハダを立てて、羽を精いっぱい膨らませている。

禁酒を楽しむ

2018-03-20 | 日記
1か月ほど続いている。体調が悪いわけではなかった。飲んでいたビールが「うまいものではない」という感じがした。酒と肴を準備するのが面倒だという気分になった。
酒を買わない。夕食後、歯を磨き、おくちくちゅくちゅMをして、飲み食いをしない。基本はこの2つだろうか。飲酒は生活習慣である。そう実感がする。
これまでも何度か禁酒をしたが、破れるきっかけは、土産の酒であったり、知り合いとの飲み会だったりした。今度も成り行き任せだが、いまは禁酒を楽しんでいる。読書の時間が増えた。これも禁酒のメリットの一つ。

レンギョウとヒヨドリ

2018-03-19 | 庭に来る鳥
昨年初めてヒヨドリが連翹の花を啄んでいるところを見た。見ただけで撮れなかった。今年は撮れた。待ちかまえていたわけではない。窓を開けて空模様を見ていた。一度降った雨はあがっていた。黄色が濃くなったレンギョウに鳥影があった。ヒヨドリだった。