対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

ホトケノザ

2015-02-27 | 日記
 葉が茎を囲んでつく様を蓮華座に見立てた命名である。仏の座。花の桃色も魅力だが、つぼみの赤もおもむきがある。いまのところ、咲いているのはこの1本だけである。

 

約分と止揚

2015-02-26 | 弁証法
 aufhebenの訳に数学の分野で「約分する」がある。これを『新アポロン独和辞典』同学社で初めて知った。三省堂や岩波の辞典でも確かめた。初心者用の辞典に載っているのである。これまで哲学書のなかで止揚と約分が同じaufhebenの訳だという指摘、反対に数学書のなかで約分と止揚の関係を記述したものなど読んだ記憶がない。

 弁証法の「止揚」にはaufhebenの3つの意味を見出すことができた。同じように「約分」にもaufhebenの3つの意味を見出すことができる。

  保存する    大きさ
  廃棄する    公約数(最大公約数)
  持ち上げる   互いに素な数 

   例  6/8 = 3×2/4×2 = 3/4

 約分をaufhebenと捉えることは理にかなっているのである。しかしドイツで使われているようには思えない。ドイツの子供は知らないのではないだろうか。秘密のaufheben。

 英語で「約分する」はreduceである。独語でも同じようにreduzierenである。kürzenも使われているかもしれない。約分のドイツ語を調べているとき『アクセス独和辞典 第3版』(2010年)三修社を見た。ここには「aufheben」に「約分する」はなかった。aufhebenの意味はreduzieren(減らす)されていたのである。

スズメノカタビラ

2015-02-25 | 日記
 無臭ニンニク(ジャンボニンニク)を植えた畝の雑草が気になった。抜くときこの雑草の名前を知らないことに気づいた。雀の帷子だった。雀は小さい、帷子は単衣の着物を意味している。たしかに花の先端は襟のようにみえる。

 

弁証法の漢字ひらがなモデル6

2015-02-24 | 弁証法
5 弁証法 つながるかたち

 
  (を・にした)・(〈対話〉・〈モデル〉・〈思考方法〉) 
  (〈認識〉・〈対立物〉・〈統一〉)・(における・の)
から
  〈対話〉を〈モデル〉にした〈思考方法〉 
  〈認識〉における〈対立物〉の〈統一〉  
を導く。

 不完全な「論理的なもの」は指示表出の指示性と自己表出の関係性が適切に結びついていない。これを改める手段はさまざまある。その一つが弁証法である。弁証法は二つの「論理的なもの」の指示表出と自己表出を媒介にして、把握しようとする対象に正確に対応する指示性と関係性を構築する。

 「中埜弁証法」と「上山弁証法」を足場にして、「しま弁証法」を構築する過程を漢字とひらがなのモデルで表わした。3段階にまとめて終わりとしよう。

1 選択
     〈対話〉における〈モデル〉の〈思考方法〉
     〈認識〉を〈対立物〉にした〈統一〉
2 混成
     (を・にした)・(〈対話〉・〈モデル〉・〈思考方法〉) 
     (〈認識〉・〈対立物〉・〈統一〉)・(における・の)
3 統一
     〈対話〉を〈モデル〉にした〈思考方法〉 
     〈認識〉における〈対立物〉の〈統一〉  

(了)


弁証法の漢字ひらがなモデル5

2015-02-23 | 弁証法
4 止揚

 アウフヘーベン(Aufheben)には相反する三つの意味がある。「保存する」・「廃棄する」・「持ち上げる」。確認しておこう。

 「保存する」 ――中央の「 〈対話〉における〈モデル〉の〈思考方法〉」と「〈認識〉を〈対立物〉にした〈統一〉」を、両側の 「 (を・にした)と(〈対話〉・〈モデル〉・〈思考方法〉) 」 と 「(〈認識〉・〈対立物〉・〈統一〉)と (における・の)に保存する。

 「廃棄する」 ――中央の「 〈対話〉における〈モデル〉の〈思考方法〉」と「〈認識〉を〈対立物〉にした〈統一〉」を廃棄する。

 「持ち上げる」――両側の 「 (を・にした)と(〈対話〉・〈モデル〉・〈思考方法〉) 」 と 「(〈認識〉・〈対立物〉・〈統一〉)と (における・の)」 を次のステップへ持ち上げる。

 アウフヘーベン(Aufheben)は止揚や揚棄と翻訳されている。的確な訳語だろう。中央の「中埜弁証法と上山弁証法」を「止」め(「棄」て)、両側に出現した新しい指示性と関係性を次の段階へ「揚」げるのである。

無臭ニンニク

2015-02-20 | 日記
 無臭ニンニクはニンニクではない。同じネギ属だが、種はニンニクではなくニーキだという。ジャンボニンニクの別名だが、去年の夏、飛騨市で買った無臭ニンニクはニンニクと同じ大きさと形をしていた。食べたが臭いはない。調べると育て方はニンニクと同じという。鱗茎は大きくなるらしい。10月、残った鱗片を試みに畑に植えた。芽が出て成長してきた。6月ごろ収穫できる。

  

ハコベ

2015-02-19 | 日記
 ハコベ属Stellaria (ステラリア)はラテン語の「stella(星)」にちなむ。たしかに花は星に似ている。花弁は5枚だが、それぞれ2裂しているため10枚あるように見える。さまざまな種類がある。ハコベが属名でなく種名の場合、昔からあるミドリハコベなのか、明治時代に帰化したコハコベなのかはよくわからない。前者、後者、両方を指す説がある。島崎藤村が「緑なすはこべは萌えず」で思い浮かべたハコベはミドリハコベだろう。

  緑なすはこべは萌え…
  

 写真はコハコベである。柱頭は3分、茎は紫褐色が見分けるポイントである。


弁証法の漢字ひらがなモデル4

2015-02-18 | 弁証法
3 弁証法 ひろがるかたち

 中埜弁証法と上山弁証法とは違った表出の根拠を模索する。中央の矢印(↑↓)である。左右(←・→)に新しい指示性と関係性の可能性が出現する。横長の図を3分して示す。中央(↑↓)・左側(←)・右側(→)の順に示す。


   〈対話〉における〈モデル〉の〈思考方法〉 
          ↑   ↓                 
   〈認識〉を〈対立物〉にした〈統一〉

(を・にした)            ←

(〈対話〉・〈モデル〉・〈思考方法〉)←  


       →(〈認識〉・〈対立物〉・〈統一〉)

       →(における・の)

弁証法の漢字ひらがなモデル3

2015-02-17 | 弁証法
2 中埜弁証法と上山弁証法の表示

 中埜肇は弁証法を「対話をモデルにした思考方法」と捉える。上山春平は「認識における対立物の統一」と捉える。しかし、両者の弁証法は「論理的なものの三側面」に制約され完全に展開できない。指示表出と自己表出の結びつきは不完全にみえる。両者の弁証法を次のように表示しよう。

   中埜弁証法    〈対話〉における〈モデル〉の〈思考方法〉
   上山弁証法    〈認識〉を〈対立物〉にした〈統一〉

 弁証法を正しく捉えるためには、ここを足場にして指示表出と自己表出の根拠を見直し、指示性と関係性を構築する必要がある。

弁証法の漢字ひらがなモデル2

2015-02-16 | 弁証法
1 「漢字」は指示表出、「ひらがな」は自己表出

 名詞・動詞・形容詞など「詞」(指示詞)を表わすときは、「漢字」を使う場合が多い。助詞・助動詞・接続詞など「辞」(関係詞)を表わすには、「ひらがな」を使う場合が多い。思い切って「詞」は「漢字」、「辞」は「ひらがな」ということにしよう。いいかえれば、「漢字」は指示表出、「ひらがな」は自己表出と想定する。

  「〈彼〉と〈信念〉を〈もっている〉が〈勇気〉とならば」

 このままでは意味は通じない。指示表出の指示性と自己表出の関係性が適切に結びついていないからである。不完全な「論理的なもの」は、このような不整合な形をもっていると想定することができる。指示表出と自己表出の根拠を見直し、

  「〈彼〉が〈信念〉と〈勇気〉とを〈もっている〉ならば」

のように、指示性と関係性を改める必要がある。