対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

対話とアウフヘーベン

2017-01-09 | 案内
ホームページのタイトルを「対話とアウフヘーベン」に変えた。2度目である。スマホの画面でも見やすいように、左詰めにして横幅を短くした。見やすくなっていると思う。
「踊るのか、跳ぶのか。」をひさしぶりにHTMLで作成し、ホームページに見出しを作った。また、「オイラーの公式と弁証法」(PDF)の見出しも作った。いま取りあげている自選記事は次の4つである。
踊るのか、跳ぶのか。
跳ぶのか、踊るのか。――ロドスはマルクスの薔薇
「光の電磁波説」の誕生
オイラーの公式と弁証法

対話とアウフヘーベン

「オイラーの公式と弁証法」

2016-12-29 | 案内
「オイラーの公式と弁証法」(はじめに)より。

オイラーの公式は数学で最も美しい式といわれている。たんに美しいだけでなく、実用的にもすぐれている。それは異なる種類の2つの関数、指数関数と三角関数を結びつけるもので、次のような式で表わされている。
  eix = cos x+isin x
遠山啓はこの式を「太平洋と大西洋を結ぶパナマ運河」と形容していた。また吉田武は「虚」と「実」、「円」と「三角」を結ぶ「不思議の環」と形容している。ファインマンは「jewelry(宝石)」とよんでいた。
この公式は18世紀にオイラーが導いたものである。異なる指数関数と三角関数が結ばれているので、この公式が作られた過程は弁証法と対応しているのではないかと思われた。ここで弁証法とはギリシアやヘーゲル、あるいはマルクス主義の弁証法ではなく、私が提起している弁証法のことである。それは端的にいえば、2つの「論理的なもの」を選んで1つの「論理的なもの」にまとめる技を指している。『オイラーの無限解析』(レオンハルト・オイラー著/高瀬正仁訳/海鳴社)と『無限のなかの数学』(志賀浩二著/岩波新書)を参考にして、オイラーの公式が作られた過程を把握したいと思う。

オイラーの公式と弁証法」(PDF)
目次
1 はじめに
2 指数関数とn倍角の公式
3 n倍角の公式への極限の導入
4 指数関数への虚数単位の導入
5 オイラーの公式
6 公式の導出と弁証法との対応
付録
1 オイラーによる虚数単位iを用いたn倍角の公式の導出
2 オイラーによるsinとcosの巾級数展開の導出
3 「論理的なもの」
  1 自己表出と指示表出
  2 複素数モデル
4 弁証法の理論
  1 「対話」の基礎
  2 「対話」のモデル
  3 「止揚」のモデル
  4 ひらがな弁証法
参考文献
オイラーの公式と弁証法」(PDF)

1864年の「光の電磁波説」

2016-10-10 | 案内
〈「光の電磁波説」の誕生2〉を〈1864年の「光の電磁波説」〉に改題した。内容と直結して、わかりやすいタイトルになったと思う。内容はほとんど変わっていない。
Kazumoto Iguchi氏の翻訳「電磁場の動力学的理論」の脚注に次のようにある。
_ last revised on 5 Sept. 2012. translated to Japanese by Kazumoto Iguchi. Original paper: Received October 27, — Read December 8, 1864. James Clerk Maxwell, of the Royal Society (London), 155 (1865) pp.459 – 512.
また、Philosophical Transactionsには、次のようにある。
A Dynamical Theory of the Electromagnetic Field J. Clerk Maxwell
Phil. Trans. R. Soc. Lond. 1865 155, 459-512, published 1 January 1865
マクスウェルの"A Dynamical Theory of Electromagnetic Field"は1864年に執筆され、1865年に公開されたことがわかる。1864年の「光の電磁波説」というタイトルは、A Dynamical Theory of the Electromagnetic Fieldが書かれた1864年を考慮したものである。
さて、〈「光の電磁波説」の誕生2〉では波動方程式は次のようだった。
   
d2/dt2が縮んでいて気になっていたが、どうすることもできなかった。改行など試みてはみた。ところが別の不具合を解決しようとして見つけたコマンドをここで試してみたらうまくいった。行の間隔を調整できることも知った。〈1864年の「光の電磁波説」〉では次のようになっている。
   
〈1864年の「光の電磁波説」〉の出発は「εμ の複合――マクスウェルの弁証法」(2007年)である。ここの数式はWordで数式を作成してスキャナーで読み込んで画像ファイルにしたものである。ずいぶん手間をかけた。しかし残念なことに、偏微分の上付き文字2の位置がほとんど間違っている。例えば、∂2H/∂t2ではなく、∂2H/∂2tになっている。どうしていたのだろう。(これ以前の「マックスウェルの発想と複合論」(2003年)では正しい表記になっている。)
〈1864年の「光の電磁波説」〉をみていただきたい。(〈「光の電磁波説」の誕生2〉もそのまま残してある。)
1864年の「光の電磁波説」


「対話とモノローグ」の検索

2015-11-01 | 案内
左側のブックマークの欄に、「対話とモノローグ」目次と検索がある。これをクリックすると「対話とモノローグ」目次と検索が呼び出される。そこには、これまで書いた記事の1~207(2005年から2015年初頭)までの目次と検索窓が出てくる。2014年までは記事の数が少なかったので目次を作成することはできたが、2015年に入ってからは難しくなって、208以降は作っていない。しかし、検索窓は208以降も含めて、最初から最新の記事まで対応しているので利用してほしいと思う。例えば、検索窓に「武谷三男」と入力して検索すると「対話とモノローグ」のなかの「武谷三男」に関連した記事が表示される。「数学」でも「蜜柑」でも「ヒヨドリ」でも、入力した語を含んだ記事が表示される。

「対話とモノローグ」目次と検索

Diablog

2015-01-12 | 案内
 スマホでホームページ「弁証法試論」を見た。表示が小さく、とても見ずらい。画面を2分割しているのが原因だと思う。この分割を止め、1列にした。
 また、サイトのタイトルを「弁証法試論」から「Diablog」に変更した。弁証法に限定したタイトルでは内容が合わなくなっていた。

 Diablogとは、対話dialogueとブログblogを重ねたもので、これまで「対話とモノローグ 目次と検索」のファイル名にしていたものである。

   Diablog

跳ぶのか、踊るのか。 ―― ロドスはマルクスの薔薇 HP

2014-12-20 | 案内
 サイトをOCNからso-netに移した。

 最初の記事として、「跳ぶのか、踊るのか。―― ロドスはマルクスの薔薇」を載せたので、案内します。

     跳ぶのか、踊るのか。―― ロドスはマルクスの薔薇

 跳ぶのか、踊るのか。―― ロドスはマルクスの薔薇
   目次
     1 saltaは「踊れ」
     2 「Hic Rhodus, hic saltus!」の翻訳と注釈
     3 ヘーゲルの薔薇
     4 マルクスのロドス
     5 ロドスの下向と上向

「ひらがな弁証法」完結

2011-07-24 | 案内

 やっと、終わった。

 ひらがなの表現を、

   あれとこれと
   ひらいて  つないで
   ふたつを  ひとつに
   むすぶわざ
から、

    あれとこれと
    むすんで
   ひらいて
   ふたつを
   ひとつに
   つなぐわざ

へ改めた。これは、最初の定式(ホームページの色紙)  

    あれとこれと、
   ひらいて、むすんで、
   ふたつを、ひとつに、
   つなぐわざ。

とも違っている。最初の定式は、「むすぶ」に混成モメントの形成を対応させていた。2番目の定式は「つなぐ」と「むすぶ」を入れ替えたものである。「つなぐ」の結合の度合いが、「むすぶ」より小さいと思えて、「つなぐ」を混成モメントに対応させたのである。こんどの定式は、「むすぶ」を選択と対応させ、弁証法の始まりに置いた。「ひらく」が混成の過程に対応する。「つなぐ」が統一に対応する。原型にもどったことになる。

 ひらがな弁証法は、弁証法から矛盾を取り除き、対話を取り入れている。ヘーゲルと対照すれば、矛盾と止揚ではなく、対話と止揚の弁証法である。


 ひらがな弁証法2010

 第4章 終局――ひらがな弁証法

      5 ひらがな弁証法
      あとがき
      参考文献
 


「正反合」から「正々反合」へ

2011-06-26 | 案内

 田坂広志氏は『使える弁証法』(東洋経済新報社 2005年)で、「割り切らない」ということ強調している。そのためもあってか、田坂氏の弁証法には、「矛盾」と「対話」が同居しているようであった。

 わたしたちは、ヘーゲルの弁証法(「矛盾」と「止揚」)に対して、複合論(「対話」と「止揚」)を提起した。矛盾律を前提にして弁証法を考えてきたのである。「弁証法」と「矛盾」は関係ないのでである。ようするに、わたしたちの弁証法は、田坂氏の弁証法とは違っているのである。わたしたちは、「矛盾」と「対話」の関係について、「割り切り」を実行していることになる。

  

ひらがな弁証法2010

    第4章 終局――ひらがな弁証法

      4 正々反合


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正反合の過渡性

正反合から正々反合へ

パラ para ― コン con― シン syn


弁証法の例

2011-06-18 | 案内

 光を電磁波と同じだと考えるマクスウェルの思考過程に、弁証法の構造を指摘することができる。

   ひらがな弁証法2010

    第4章 終局――ひらがな弁証法

      3 マクスウェルの弁証法 

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   εとμの複合 ――マクスウェルの弁証法


弁証法の図解

2011-05-29 | 案内

 アインシュタインがソロヴィーヌへ送った手紙のなかで示した思考モデルを基礎にして、わたしたちは弁証法のモデルを示した。

 アインシュタインの思考モデルは、興味深かった。

 自己表出と指示表出の軸、悟性と理性の関係、「論理的なもの」と「経験的なもの」の違い、下向(原理の発見)と上向(構成的努力)、発見的思考(伊東俊太郎)とテマータ(G・ホルトン)の関係などを鍛えることができた。

    アインシュタイン

    ひらがな弁証法2010

    第4章 終局――ひらがな弁証法

      2 弁証法の図解