主 「正方形の複合」を読み直していて、内容とマッチしていないことに気づいた。改題して、「様相性の内的連関について」とした。図もいくつか付け加えた。読んでみてほしいね。
客 九鬼周造は、円を使って、三つの様相性の体系を図示していた。しかし、きみは円では、対当関係を十分に把握できないのではないかと思った。それで、直線と正方形を使って、様相性の体系の図示を試みたんだったね。こんな運び。
1 対当関係を直線上に表現する。
2 これを基礎にして、様相性の3つの体系をそれぞれ表示する。
3 様相性の3つの体系を直線上にすべて重ねる。
4 正方形を使って様相性の内的連関を表現する。
主 おれの図示の方がわかりやすいのではないかと思っているのだが、実際のところ、どうなのだろう。
客 人それぞれだと思うよ。ただ、ひとついえることは、九鬼の幾何学的精神に対抗するというきみの意図は伝わっているのではないかということだ。それでは読んでみるよ。