歴声庵

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景浦勉著「幕末維新の松山藩」

2006年10月15日 20時15分05秒 | 読書
 幕長戦争大島口の戦いで、幕府歩兵隊二個大隊と並んで幕府軍の主力となった松山軍について知りたくて購入しました。
 期待していた幕長戦争大島口についての記述は少なかったですが、今まで知らなかった幕末の松山藩の動向が知れたので良かったです。またこの著者の景浦氏は松山の郷土史家らしいのですが、過激な郷土史家にありがちな地元の過度な賞賛や感情的になる事もなく、淡々と幕末の松山藩の動向について記述してくれているので好感が持てました。
 幕末の松山藩を本格的に調べる人には物足りないかもしれませんが、私のように概略が判れば良いという人にはお勧めかと思います。

 またこの本を読んで今まで詳細が判らなかった、幕長戦争で松山藩の虎の子となった新整大隊の詳細が判ったのが最大の収穫でした。なるほど全兵が雷管ゲベール銃を装備した農兵部隊だったのですね、確かに火縄銃装備の松山藩正規軍と比べれば強力な部隊ですが、全兵ミニエー銃を装備した第二奇兵隊の敵ではなかったのに納得しました。