今週の「週刊碁/旬の人」に海外普及に奔走する小林千寿・五段の談話が掲載されていました。
※以下、「週刊碁」より抜粋
「棋道」を発信、日本文化に誇りを
長く海外普及に取り組んできた、小林千寿五段。「文化交流使」なる肩書のもと、都合1年7ヶ月間、これまでとはちょっぴり違うスタンスで海外普及に情熱を注いできた思いを聞いた。
----途中、略----
「ただの碁では・・・」
-海外普及、これで軌道に乗ったといえますか。
「とんでもない。文化交流使というのは自国の文化を知って、相手の文化を知って。それで成り立つ。今現在はお互いにまだ安定していません。
たとえば、ルールを知れば、インターネットで棋譜も詰碁も手に入り、対局もできる時代。若い人はどんどん強くなる。だけど日本の文化の中の碁から見ると、ただの碁。棋道ではない。私は碁ではなく日本で育った棋道を伝えたいですね。
特に今は中国、韓国のプレイヤーたちも世界で教え始めています。今、日本が発信しなかったら勝負だけを争うただのゲームになってしまいますね。マナー、精神性が消えていきます。それについてはかなりの危機感を感じています」
-明るい兆しは?
「日本文化は他の国が簡単に追随できないものばかり。平和な中で何百年もかけて培われたきたわけですから。
もっと自信を持てばいいと思います。世界的にみると日本文化は大人のディズニーランドのように平和で水準の高い楽しい国だと思います」
----以下、略----
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国際棋戦で苦戦を強いられている日本囲碁界ですが、「囲碁」を伝統文化としてとらえる姿勢は共感できます。
しかし、一般の囲碁ファンに「棋道」という精神がどこまで浸透しているか、難しいところがあります。
これまで世界の歴史はパワーゲームの繰り返しでしたが、強弱より精神性や美意識に価値があると思いたいですね。(ちょっと大げさですが・・・)