事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

月と金星

2011-12-27 23:39:41 | 天体

Moon_3 Moon2_3 最近見えてる宵の明星がたまたま月と接近していた、久々の天体写真、右フラッシュあり、左フラッシュなし、今夜の月は三日月-とそんだけ

追記-金星についてのデータはこちら、会合周期は1年と7ヶ月だから去年の5月頃には明けの明星として見えてたことになるがその時期の夜明け前では観測不可能だね(少なくとも私には、それにその季節は空がかすんでるし)、確かに3年前は宵の明星だった(こちら)、3年で2か月分ずつ位置がずれて行くということは約10年で半年分移動する、つまり2000年ごろには夏に宵の明星、冬に明けの明星だったってことか、見た記憶ないなあ

もう1つ追記-3年前同じ方角にあった木星は今ほぼ天頂方向(だと思う)、なるほど12年で一周するんだなと変に納得


坂の上の雲完結

2011-12-26 10:45:39 | テレビ番組

前半の海戦シーンはなかなかの迫力だったけど、後半は渡辺謙の朗読に合わせて絵を映し続けるだけ、典型的な竜頭蛇尾というヤツだった、まあTVドラマの最終回はこれでよいとも言えるんだがね、もう「来週も見てね」って言わんでよいんだし、クライマックスでエネルギー使い切っちゃったし、だけどこれじゃいかに何でもドラマ無さ過ぎ、再放送は見ないしDVDが出てももちろん買わないよ(テメエごときに買ってもらわんでよいって?だろなあ)

ラストシーンは秋山好古の死(確か昭和5年)、元ネタもそうだからしかたないとは言うものの最後のセリフ聞き取れた?「奉天へ」だったのだ(確認済み)、本ならこれでよい、とうに陸軍を離れてた秋山だが死ぬ間際の意識はあの時に戻ってたんだなあと読者は思い、自分も前に読んだくだりを回想する(私はTVで見ただけだが)、あの戦闘はまさに大バクチの成功だったのに日本の軍部はそこから何1つ学ぶこともなく今破滅へ向かいかけている、「よき時代(ちょっと前に出て来る表現)」はこの時ほんとに終わったのだ-とわざわざ作者に言われなくてもわかる、だけどこれはTVなんだから前回放送の会戦シーンをもう一度映すべきじゃないか?そして朗読じゃなくてよい(元ネタにそういう文章ないから)、字幕を入れる
昭和5年11月 秋山好古没(享年72)
昭和6年 9月 満州事変勃発
(完)
これだけでも多少は締まると思うけど、どう?

思えば司馬遼太郎が原作を書いたのは昭和40年代半ば、高度成長真っ最中でいろいろあったとは言え日本にとって明治30年代にも匹敵するよい時代だった、あれから40年だよ、日露戦争の終結(1905)から太平洋戦争の敗戦(1945)までと同じ年月が経ってるんだよ、あの頃思ってたよりある意味で世の中はよくなったと思う、少なくともこれほど早くテクノロジーが発達するとは予想もしてなかった(できないとわかったことも多いけど)、だけどおかげで全く先が見えない時代になった、40年目のドラマ化であればただ朗読に合わせて絵を撮る以上のことが何かできると思うんだがな、公共放送のドラマに欠けてるものって、40年前に欠けてて今も変わってないものって何だろ?もしや(お子様番組には当然のように存在する)「緊張感」なのかな?
あ、そうだ、これだけはホメとかねば、音楽はよかったよ、さすが久石譲、DVDは買わんけどCDなら買ってもよいと思う


スタニスワフ・レム

2011-12-25 17:21:39 | SF

ソラリスの陽のもとに (ハヤカワ文庫 SF 237) ソラリスの陽のもとに (ハヤカワ文庫 SF 237)
価格:¥ 861(税込)
発売日:1977-04

いったん書いた文章をアップできなくて消えちゃったので気勢をそがれたことはなばなしい
50年前には早晩実現すると思われてたけど今はまず不可能が決定したもの、1番が「恒星間飛行」、2番は「重力制御」、この2つがバッチシ使われてる(ついでに言えば3番「タイムマシン」、4番「超能力」、5番「知性を持つ機械」だろな、たぶん)、細かいことを言えば「原子が見える顕微鏡」、「物質じゃないものでできた物質みたいなもの」なんかもあの頃はあってもよいと思われてたんだろね、ニュートリノは光に代わるエネルギーかもしれなかった、その正体は今もって不明だけど「物質らしきもの」を構成することはなさそうだ
逆に何とかなりそうなのが「RNAは記憶物質」という当時最新の知識、実際には記憶(というかアタマの働き全般)は「タンパク合成を必要とするシナプスとそれによる神経細胞のネットワーク形成」だったんだけど、「アタマの中へ(立体的)に描かれるもの」というイメージ自体は結果的に大きなマチガイじゃなかった
また人工衛星にモールス信号で指示を送ったりコンピュータが紙テープを打ち出したり(印字じゃなくパンチ穴が開いてるんだよ、たぶん)、ヒトが「対数表」を使ってややこしい計算を手でやったりなんてことにはさしたる違和感なし、ついこの前までそうだったんだし、小さなテレコがあるあたりハインラインの未来より進んでるかも(そう言えば結局録音聞かずじまいだったんじゃない?)ともあれ技術の進歩において行かれたということは作品の致命的欠陥にならない
ただなあ、とにかくわからんのだよ、若い時に読んだら全く了解不能だったと思うけどこの年になってもわからん、主人公が来るまでにソラリス基地ではいったい何があったのか、1人が死んで残った2人はいったい何をやろうとしてるのか、「言ってもわからん」かもしれんが言わにゃもっとわからんだろ、もうちょっとわかるように書いてくれてもバチは当たらんのじゃあるまいか
というわけで私の勝手な解釈によればこの作品もまた「悲しい愛の物語」、なればこそ時代を超えて残った、違うかな?だってこのカバーにしてからがラブシーンだもんね、02年映画化、主演ジョージ・クルーニー、何となく納得・・・

追記-今頃気がついたけど小松さんの「虚無回廊」はまちがいなく本作の後継だよね、恋人を自殺で失った、そしてそれは自分の責任だとはっきり自覚してる男の子が宇宙=未知の世界へ向かうお話なんだから、いつもオリジナルだった小松さんであればこそ、元ネタを意識したら、この先どうすべきかわからんくなっちゃったんだろか、それで未完になったんだろか、それほどたいした元ネタじゃないと思うんだがな・・・・・

さらなる追記-例によって揚げ足鳥、ギバリャンってどういう人名だよと思ったけど「ギバリアン(あるいはジベイリアン)」って発音が近いのじゃあるまいか、また宇宙船ウリッセス号はないだろ、ユリシーズ号と言ってくれよ


紫式部文学賞

2011-12-23 18:12:50 | 本と雑誌
尼僧とキューピッドの弓 (100周年書き下ろし) 尼僧とキューピッドの弓 (100周年書き下ろし)
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2010-07-24

多和田さん「受賞の言葉」で「宇治は菟(ウサギ)の道」とか言ってた、その通りだけど奈良時代すでにウサギの意味は忘れられてたと思うんだがな、などととりあえずの揚げ足鳥、いや読んだものの何を言ったらいいのか悩んじゃう作品なんだよ、ラジー賞文学賞部門がなかったらパスしてたかも

群像のインタビューによるとプロテスタント修道院宣伝プロジェクトなる企画に招かれてホントにしばらく尼僧院へ滞在してたとのこと

人の住んでない建物は朽ちてしまうから誰かに生活してもらうことによって何とか残したい、歴史をみんなに伝えたい(略)女性がある年齢を迎えて一人になった時(略)自分にできる範囲で社会事業に携わる

というわけで尼さんたちは建物を保全しつつ見学者を案内するのが仕事、それはそれでけっこう大変だし、メンバーは例によって高齢化が進んでる、ガン治療で通院中のヒトもいる、男手は庭師の兄ちゃんだけ、10人の尼さんたちは運転手も賄いも事実上の高齢者介護も自分たちでやる、昔の建物だから8月でも何となく冷えてるほどで冬場はとにかく寒い、でもって

成人女性が10人も集まって共同生活を営むのに「和」があるわけはない(メンバーの一人)

とか言いながら彼女らはみんな話し好きでけっこう楽しげ、老尼のおぼろげな記憶につきあって昔の知り合いを訪ねたりもする(でもその家には誰も住んでないらしい、このくだりけっこう不気味)
たいした美術品はないが「最後の晩餐」の絵に犬が描きこまれててそいつだけがこっちを見てる(イエスも使途たちも見られてることを意識してないのに)なんてちょっとおかしい、その絵見たいね、写真載せてくれんかしらん?そう言えば死人を描いたとしか思えない肖像画が飾ってあったとのこと、それが誰だったかの説明あったかなあ(思い出せぬ)・・・

などというただのルポルタージュをヴェテラン作家が小説として売るわけはない、実はこの尼僧院、院長が失踪して戻らないので次の院長を募集中なのである、「院長」というがいわゆる長老のことではない、金銭関係と事務処理一般をこなす経営者=雇われ社長という表現が一番近いのじゃなかろうか、ここへ来るまでの経歴はいろいろだがその方面に有能な女性はそうそういない、前の院長は貿易会社で長く働いてて(と後でわかる)40歳と若くてとっても頼りになったのだが以前弓道の師匠と恋仲だった、その男が訪ねて来て院の庭で弓の練習を始めたあげくとうとういっしょに逃げてしまったのだ、全く男女の仲というヤツは、恋の矢を射るキューピッドは盲目で・・・

ここで前半オワリ、後半はその元院長がサンフランシスコの本屋で上の小説(英語)を買うシーンから始まる、ここに書かれてるのは自分なんだろうけど、でも違うんだよ、あの男に恋してつまりキューピッドの矢に射られて駆け落ちしたわけじゃなかったの、でも尼僧院をやめるしかなかったのはなぜかと言うと・・・

ここは完全なフィクションだよね、せっかくドイツのニーダーザクセンから北米西海岸まで飛んで来ちゃったんだから、もう一ヒネリほしかったなとミステリ読みは思うのであった、あ、何かけっこう書けちゃったじゃないか、何でもやってみるもんだ

12/25追記-よく見たら元院長のいる街は「カリフォルニアのどこか」であってシスコと決めてはなかった、たまたま若い同僚がシスコからチョコを買って帰った印象がどっかに残ってたらしい、重要なのはドイツよりずっと明るい街であってかつヨーロッパの反対側だということ、そこまで考えたんだからやっぱもっとひねってほしいよな・・・


大森さんの100冊

2011-12-22 16:30:53 | SF
21世紀SF1000 (ハヤカワ文庫JA) 21世紀SF1000 (ハヤカワ文庫JA)
価格:¥ 1,155(税込)
発売日:2011-12-07

買うべきや否やと悩んでたのだが、とりあえず上位100タイトルだけ紹介されてたのでリンク(こちら)、21世紀の作品ばかしじゃなく超古典のレムやスタージョン、ジェイムス・ティプトリー・ジュニアなんかも並んでる、エクセルを駆使して数えたところ読んでたのは25冊だった、まあそんなもんだろな、元々SFには偏見があるし、大森さんとはあんまし趣味が合わんこともわかってる、私は揚げ足鳥だし、ミステリとしての出来(デキと読む、シュッタイではない)を一番重視する主義だし

でもまあチェックしようと思う作品はけっこうあるな、まずはレム、山尾悠子、山田正紀あたりだろか、年末年始はSFで行こう

追記-今日はお休みなので早速近所の本屋を偵察、「11」が初めて入ってた、カバーをこっちへ向けてあったのはめでたい、ということはさておいて、全く最近の単行本は文庫でも重厚長大だね、ダン・シモンズの2冊、フランク・シェッツィング、飛浩隆と揃ってたけど購入に二の足踏んじゃったよ、とりあえず「ソラリス」(文庫あり)、「Boy's surface」、「あなたのための物語」、「時間封鎖」をまとめ買い、さてどこから手をつけるべきか?