事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

砂の証明

2010-09-18 18:36:32 | ミステリ

何かありさうなタイトルじゃない?「人間の器」じゃどう考えてもミステリにならんけど
何の話って「人間の証明」は「砂の器」のパクリだって・・・・

え、どこが似てるっての?と必死で考えてようやく気がついた、どっちもかなり印象に残る「名犯人」だってことだな、悲しい過去を消すために、今の地位を守るために、自分の正体を知る人間を消さざるを得なかった、被害者だって全然悪いヤツじゃない、自分の存在が犯人の脅威になるとはユメにも思わず、善意で会いに来たのだ、まさか殺されるとは、そんなんありかよ・・・

日本の戸籍制度のアナをついてることとか(「人間の証明」の方ではそうとも思わんかったな、単純に犯人の前の結婚が「事実婚」だっただけだろ?と)、ナゾの地名は実はどこかとか、地道に捜査を続ける刑事がもう一方の主人公になってることとか・・・・(けどその性格は作者の性格を反映してかなり違う、丹波哲郎と松田優作、ま、どっちもハマリ役ではあるわね)

こん程度がパクリだったらパクリでないミステリってこの世に、いや少なくともこの日本にあるか?わりと近い時期に映画化されて、どっちもそこそこ受けたという以外の共通点まずないんでない?


高橋源一郎さん

2010-09-17 09:15:48 | 本と雑誌
官能小説家 (朝日文庫) 官能小説家 (朝日文庫)
価格:¥ 945(税込)
発売日:2005-05-12

古本ゲト(状態まあまあ)、このヒトの小説、初見のような気がする、競馬モノが大好きだったけど、随筆アンソロジーへ織田作だったかの長ったらしい小説入れた上に、山口瞳さんの名作「草競馬流浪記」をほんのツマミ食い、どういう感覚してんだよ-と思った、あの頃の奥さんと別れてから競馬書くのやめたみたいね
ということとは関係なく、これって小説なんだろか、おもしろいのはギャグだけ(これはメチャメチャおかしい、またまた通勤途上で大爆笑)、ストーリー成り立ってないんでないの、またかなり肝心なこと書いてないし-と思ったから私が書いてやる(誰も読まんけど)

森鴎外(!!)が作者タカハシに文句をつけるシーン
森「オレのオヤジは絵なんか描いてない」
タ「あれはオレのオヤジなんだ」の続き

森「オヤジが死んだのは明治34年だぜ」(タカハシは明治42年のこととしている)
タ「あ、そうだったの?」
森「調べろよ、このクズ、だいたいオレの両親は東京でオレと同居してたの、オフクロはちゃんと同居してるのに、何でオヤジだけ津和野にいるんだよ」
タ「オレのオヤジだと言ってるだろ」
森「弟だって東京に住んでた」
タ「あれもオレの弟」
森「そもそもあんた、津和野の出?」
タ「いや、広島だけど」
森「だったらそう書けよ、つかオヤジの臨終と葬式だけ、何で完全なあんたの私小説になってるわけ?」
タ「オヤジが生きてるうちに書いてやれなかったから一回ぐらい供養してやろうかなと」
森「そう思うんなら自分で出ろ、こんなとこであんたの役をオレにやらせるな」
タ「どうして?」
森「読者が信用するじゃないか、普通の読者は新聞小説読みながらいちいちウラなんか取らんからな」
タ「信用されたらマズイの?あんた、とっくに死んでるのに」
森「オレはネタにされてもいいさ、一応の有名人だからな、だが両親は違う、一般人だ、オレの親を悪く言うな」
タ「悪く言ったかなあ」
森「そーか、つまりあんたはオレのオフクロが、死にかけてる亭主に会いにも行かない不人情な女だったと書いて平気なんだな、ひょっとしてあれもあんたのオフクロさんか?」

これ以上は事情わからないのでヤメ、鴎外にはもうちょっと明治人らしくしゃべってもらいたいよね、こういう文体だとシロウトにもマネしやすいからついついつっこんじゃうのだ、もちろん全文この調子なわけじゃないけど、この文体でないところははっきり言っておもしろくない、アッハッハとおかしくないってだけじゃなくお話としてつまらない(偏見!!)
これって連載中の評判どうだったの?文庫化したってことは一応売れたってことだと思うけど


そらすこん

2010-09-15 11:22:19 | 本と雑誌
そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります (講談社文庫) そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります (講談社文庫)
価格:¥ 550(税込)
発売日:2009-11-13

昨夜、酔い払って近所の本屋へ行った、土曜日に「瑠璃玉」をゲトした時、まだ台車に積んだままだったからカウンターの姉さんに「目立つとこへ並べてね」と頼んどいたのだが、何と「女性作家た行」のとこへ置いてやがった、まあ表紙をこっちへ向けて目の高さになってたから「目立つとこ」じゃないとも言えんけど
「尾崎翠は女性だが、あ行だし、津原泰水は男だぞ、だいたい著者を性別で分ける必然性なんぞあるのかよー」とどなりつけてやろうかと思ったら、カウンターにはいかにも真面目そうな一目でバイトとわかる兄ちゃんしかいないのでやめ、かわりにこの本を買った(何で?)

いったいどーゆータイトル?-と自分まで一瞬岐阜県人に戻ってしまった(愛知県人は「どういうタイトル?」と言う)が、元のブログタイトルが「純粋悲性批判」だからね、これ本のタイトルにしたら特に哲学やってないヒトからだってフクロ叩きだよ(たぶん)
ま、タイトルはおいといて内容なかなか面白いと思う、津原さんがこの時「いかようにも化けうる新人」とおっしゃったとのこと(ウロ覚え)だが、確かに彼の好みかも(何でわかるんだって、それはまあ・・・)、エッセイで時々フィクションぽくてさらに時々意味不明、私に一番よくわかったのは大事にしてたサボテンが死んで悲しいってくだり、いや実を言うとそこしかホントにはわからんかったり、年代の相違か、決定的な感性の差なのか、けど金返せとは言わん、訳わからんくても何となくおもしろい文章ってあるもんで・・・・・

もしやこのヒトって「感想文」苦手なんじゃないかな?そらそんなもの得意なヒトめったにおらんだろうけど(私も大っ嫌いだ)、かの「ドラえもん」の巻末エッセイですら「子供の時から愛読しててある時ファンレター出したらハガキをもらった」ってそんだけだもんなー、ろくに読んでない(最近はアニメも見てない)この私だって、ドラちゃんについてならもうちょっと具体的に何か書けそーな(誰もテメーにゃ頼まんってば!!)

「第九感界彷徨」(05年3月)もちろん入ってない、もし入ってたら津原さんに思いっきりどやされたろうね、けどひょっとしたらその方がよかったかも

付記-アップした後で気がついたけど「川上未映子さん」って固有名詞を入れとかんとGoogleで引っかからんな(入れたって引っかかるか、こんな辺境!!、いやわからんって、ちょっと前に「瑠璃玉の耳輪」ちゃんと引っかかってたし)、たぶん「感想文が苦手」というより「確信犯的に感想文を書かんと決めてる」んだろうと思う、ま、それも一つの行き方なるべし


片山廣子

2010-09-14 10:57:46 | 本と雑誌
新編 燈火節 新編 燈火節
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2007-12
かなしき女王―ケルト幻想作品集
価格:¥ 2,625(税込)
発売日:2002-10

青空文庫では片山広子になってるけど本人は絶対そう書かれたくないと思う、Googleでもひっかかる物件が若干違うし、やっぱヒトの名前は正しく書くべきだ、ということとは関係なくこの本、入手可能、青空にもまだ全編収録になってないから自分もつい買ってしまったのだ、まだ届いてないが、この記事を書くには問題ないと思う(たぶん)

さてこのヒトは明治11年生まれ、与謝野晶子より10ヶ月ほど年長で晶子より15年ほど長生きして昭和32年に亡くなった、晶子に比べたら遥かにマイナーだが歌人としても知られている(翻訳者松村みね子の方が永らく忘れられてたらしく、「ケルト民話集」を訳された荒俣宏氏もご存知なかったとのこと)、その生涯についてはこちらのサイトに詳しい

女なれば夫【つま】も我が子もことごとく身を飾るべき珠と思ひぬ
何事も女なればとゆるされてわがままに住む世のひろさかな

すごいよね、わかる、よくわかる、けど思ってても普通言うか、こんなこと、ヒトを悪く言わないから「梔子(クチナシ)夫人」と呼ばれて年下の芥川や堀辰雄に慕われてたとのことだが、自分を悪く言うのは平気だったんだな・・・・いや・・・・やっぱエライ・・・・

で、この本はこのヒトが昭和28年75歳の時に出した生涯ただ一冊のエッセイ集、昭和34年生まれの分子生物学者福岡伸一氏がモンキービジネスVol.5に「隠された刺」として紹介されたものである、引用されてるエッセイは「池を掘る」と「赤とピンクのあいだ」で「池」の方は青空にあるから誰でも読める、「戦時中、庭に防火用水の池を掘らせてくれと頼まれてそうしたが、たぶん一度も使われなかったのでは」という一件、福岡氏によれば「あの頃戦争に協力してた誰彼をはっきりそれと言わずに非難している、つまり復讐の刺を隠してる」(私によるかなりデフォルメな要約)

まあその通りで間違いじゃないんだろうが、福岡殿、貴方の読み方ちょっと違う気がするんだよな、池を掘ったのは昭和18年じゃなくて19年だと思うよ
上に紹介したサイトによれば彼女の一家は大森駅前の大邸宅に住んでいた、ダンナ(大蔵官僚)は大正半ばに亡くなって彼女は40代前半で未亡人になった、その時二人の子供はまだ勉学中だったハズだが別に生活に困るわけでもなく、その家で「梔子夫人」として優雅に暮らし松村みね子の名前でアイルランド文学を翻訳出版した(「かなしき女王」は大正14年発行)、そのうち息子は独立して近所に家を持ち、娘は嫁に行き(時々母親を訪ねていたらしい)、彼女は大邸宅で女中と二人になった、いよいよ空襲が激化して日本が危なくなり出した頃には、すでに60代半ばを過ぎていたがまだ元気だった(みたい、この書きぶりから推測すれば)、以下年代を追う
昭和19年2月-3月 庭に池を掘る
昭和19年*月*日 大森から井の頭線の浜田山へ疎開
昭和20年3月10日 東京大空襲
昭和20年3月24日 長男急死(家は焼けてなかった)
昭和20年4月*日 大森の自宅を訪ねる、池は残っていた、鶯が鳴いた
本文には大空襲が抜けている、当時は言うまでなかったかもしれないし、思い出したくもなかったのかもしれない、大森駅周辺は強制疎開になって誰もいなかったらしい(だから池も役に立たなかったハズと)、自宅はかなり無残な状況だったのじゃあるまいか、その空襲を生き延びたのに息子も死んだ、この年になってなぜこんな目に・・・・なんてことは書いてない
彼女はその後も10年以上生きて書いて世間に復讐した-その意味では福岡氏のおっしゃる通りであるのだが、事実は彼が考えられた以上に劇的だったってことなのだ
(注-上のサイトのデータ、実はウラがとれない、「かなしき女王」の解説は翻訳書の記録だけで彼女のプライバシーには一切触れてないのである、ひょっとしたらまちがいという可能性も、けどせっかく書いたんだ、アップしとけ)


食い物を粗末にするんじゃねえ!!

2010-09-13 13:34:23 | テレビ番組

オーズ2回、クリームでテーブルに3つの○を書く会長(ひょっとしたらボスキャラなのかも、だけどどうやらヒトっぽい、ケーキ作りが趣味)
無限大よりさらに大きいオーズ
私「も、もったいないことすな!!」

パーティー会場
お祝いのケーキが届きました
その直後、巨大化した怪人がビルを襲う、無残にこわされるケーキ・・・
家人「食べ物を粗末にしてはいけないとこのヒトたちは習わなかったんでしょうか」
私「TV局じゃ教えんみたいだな」

まあ○を書いてたものはクリームじゃないかもわからんし、こわれたケーキはちょっとデカ過ぎる(あれじゃ自分の重さでつぶれる)ように見えたから木枠、いや紙枠にケーキっぽい塗料をぬっただけのものかもしれんしと、何とかかんとか納得する私
家人「いつもに比べて同情的じゃありませんか」
私「あれが本物だったら心底許せんからな」

さて今日になって番組のHPを見た、いわく(コピペできないので適当に翻訳)
プロの職人さんにケーキ指南をお願いした、登場するケーキは1つではない、様々なバージョンが必要、どんどんクリームが溶けるのでその度に修復する(どうやって?)、パーティー会場の巨大ケーキももちろんプロに作ってもらった・・・・・

お、の、れ オーズ 許さーーーーーーーん

と言いつつ来週もたぶん見るだろが