ぼくは上陸している (下): 進化をめぐる旅の始まりの終わり 価格:¥ 2,625(税込) 発売日:2011-08-10 |
ウロ覚えだが「カラマーゾフ」の最初の方で、スメルジャコフが「神様が4日目に太陽と月をお作りになったのなら、最初の日はどこから光がさしたんでしょう」と言って老僕グリゴーリーにぶん殴られる(おかげでてんかん発作を起こすようになったとのこと)というシーンがあった、何も殴るほどのことじゃないと思うけど、これ必ずしもスメルジャコフの冒涜というわけではなく、ドストエフスキー本人が密かにそう思ってたんじゃあるまいか、創世記の書き方がよくないのである、最初に光を作って昼と夜を分けたと言っておきながら、4日目に作った太陽と月(それによる昼と夜)は最初にできた光と無関係に見えるのだ(少なくとも日本語訳ではそのように読める)
今さら手遅れだがここはグールド師匠に解説してもらうと、神様は最初の日に「光と闇」を左右に分け、2日目に「天と地」を上下に分け、3日目に地を「海と陸」に分け(陸に植物を生やし)、4日目になって光を「大きな太陽と小さな月と星」に分けて昼と夜に配したのだ、以下5日目に海の動物と空の動物、6日目に陸の動物、そしてヒト(念のために言えば男と女)を作って終了(というモザイク画がベネチアのサン・マルコ大聖堂にあるとのこと、昔のヒトは偉かった)
光を出す物質である太陽や恒星より前にエネルギーとして光があった-とは偶然ながら宇宙の始まり方としても正しい、いったい創世記1章の著者はどっからそんなことを考えついたんだろね?他ではあんまし聞かない気がするけど・・・・*
ということはさておいて不明な私はオラトリオ「天地創造」をヘンデルの作だと思い込んでいた、ハイドンだったのか、「光あれ」の Licht,Sei (英語では light,be になるんだろか?)は確かに聞いた気がするけど、他のところは全然知らないのでとりあえずレコードを注文した、ジョージ・セル指揮だからたぶん英語だと思う
追記-*もちろんこれは過大評価、このヒト(エロヒストと呼ばれてる)は全ての生物(植物と動物)が光を必要としてることはわかってたけど、地球におけるその光とは太陽に他ならぬという近代人ならあったりまえの事実をちゃんと認識してなかったというそんだけのこと・・・・こっから後はグールド先輩が喜んで歌ったというその曲を聴いてから考えることにしよう
とか言いつつもう一つ追記-とは言えこれまた現代人の偏見かも、夜が完全な闇ではなく、毎日形を変える月、位置を変える恒星と惑星があるという事実は大昔の中東人にとって今の日本人には想像もつかぬほど重要な事実だったハズ、神様がまず大きな光を作って後からそれを昼と夜に切り分けたというのは意外にロジカルな思考なのかもしれないのでアル