事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

月村了衛さん

2011-08-20 17:33:24 | SF
機龍警察(ハヤカワ文庫JA) 機龍警察(ハヤカワ文庫JA)
価格:¥ 756(税込)
発売日:2010-03-19

このところSFのアタリが多い、「結晶銀河」に載った短編がミステリだったのでSF部分はどうなってるのか気になって買ったこのもの、メチャおもしろくて一気に読まされてしまった(何か平凡な言い方・・・)

舞台は近未来の東京、クルマやコンピュータや通信機器の類は今とあんまし変わってないらしいが接近戦向けの兵器だけが途轍もなくファンタスティックな変形を遂げている、装着型二足歩行戦車とでも言おうか、こういうものには詳しくないので正しい表現じゃないかもしれないが、ジャングルでも砂漠でも街中でもいつでもどこでも戦える装備、諸般の事情で日本も物騒になったので、警察がそういうものを常駐させなくてはいけなくなったらしいのだ、だが非常に特殊な機械(実はその正体、最後まで秘密)なので並のヒトには(たとえ運動能力のよい警察官でも)扱えない、時速300キロのレーシングカーみたいなもので(どういう表現だって?F1レーサーってのは大変な特殊技能がいるらしいよ)、パイロットを外注しなくてはいけないのだ、もちろん運動能力、反射神経だけではダメ(決まった道路をただ走るだけのレーサーとは違うのだ)、どんな異常事態にも対処できる戦闘力と判断力がなくてはいけない、というわけで選ばれたのがプロの傭兵(一人はロシア人の元警官、もう一人は日本人名前を持つナゾの男=たぶん主人公)とプロのテロリスト(IRAの女闘士)、いくら何でもこれでは本来の警察機構がおもしろかろうハズはない、まさに組織の鬼子としてまわりの皆から敵視されている、さて彼らを襲う事件とは・・・・・

すでに多くの方がレビューしておられるから私ごときが屋上屋を架すことはないようなものだが、来月には続きが出るとのことでさらに期待が高まるばかり、これは是非アニメ化してもらいたいよね

追記-今改めて「結晶銀河」を見たら、この特殊な装備は「警察小説と冒険小説を融合させる」ための発明だそうである、なるほど異質なものをくっつけることで新しい世界が生まれるんだね、これぞアイディア!!