■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-23 プロ管理職のリーダーシップ 「リーダーシップ」と「マネジメント」の違い
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。
「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。
では、「あたり前」とは、なんでしょうか?
「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。
あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。
1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方
本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。
筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。
管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。
「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。
難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。
管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。
管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。
温かい管理とは
https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f
ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。
知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。
■ 第2部2章 プロ管理職のリーダーシップ
私達は、ひとりでは生きていくことはできません。社会や組織に所属して、他の人と共に力をあわせることが、近道といえます。そこに求められるのが、「リーダーシップ」です。
管理職だけではなく、ビジネスパーソンにはリーダーシップを取れることが、成功への近道であり、自己実現には不可欠といっても過言ではありません。では、ビジネス界におけるリーダーシップとはどのようなものなのでしょうか。原点に戻って、再度考え、新たな気持ちでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
■ 2-23 「リーダーシップ」と「マネジメント」の違い
リーダーシップのある人というのは、既述の通り「熱い心」を持つだけではなく、リーダーシップとマネジメントの双方を兼ね備えて持っています。
ここで、リーダーシップとマネジメントの違いについて、考えてみましょう。
この両者の違いは、なんとなく違いがあることは感じられますが、両者を関連付けたり、対比したりして考えたことのない人が多いのではないでしょうか。中には、その両者が融合してしまって、本質的なものを見失ってしまっていることに気づかないでいることもあるでしょう。
この両者には、違いがあり、それぞれにそれなりの役割があり、やるべきことが異なります。
リーダーシップは、将来に向けてのビジョンを明確にして、長期的で大局的な視点を持って、その目的が達成されるように導いてゆく力のことです。相手のモチベーションを高められなければなりません。
目的とそこに求められる成果に着目し、目標達成に向けて全力を尽くします。その過程におきましては、これまで体験したことのない方法を取り入れて、新しいことに挑戦することもあるでしょう。
従来の延長線上でのやり方では、たどり着けない、創造的な方法を編みだして、火事場の莫迦力といわれるような、期待以上の成果を上げることもあるでしょう。
熱い心を持って、チーム全体を導いていくことがリーダーシップの力でもあり、組織に必要なことでもあるのです。
一方、マネジメントとは、目標・目的達成のための手段を明確にし、組織的に活動して、成果に結び付けることです。わかりやすい言い方をしますと、リーダーシップが、what to に重点がおかれているの対して、マネジメントは how to に力点が置かれます。
中長期経営計画が、そこに盛り込まれています経営戦略を実現するための方策であります年度計画を達成するために、その具体的な戦術や戦技を、組織の年度計画とし、その実現のための各担当者の年度計画をベースに進捗管理を行ってゆきます。
経営資源の効率的な活用を、管理会計的な進捗管理を行うことにより、計画を必達してゆきます。PDCAの考え方をベースに、双方向コミュニケーションを重視した「温かい管理」を実施して行くことにより、全社員の成長を並行して進めてゆきます。
当然、その過程の中では、経営環境や市場動向の変化を考慮に入れたり、リスク管理の観点から、予見されそうな問題回避の行動をとったり、業務運営法を改善したりしてゆきます。また、その様な日常活動の中で、自社のノウハウの蓄積を忘れてはなりません。
このことからも「何を、どちらの方向に向かって行うか」というリーダーシップと、5W1Hに基づいて業務を進めるマネジメントとは、異なることであることを、ご理解いただけたと思います。また、その両者を持ち合わせる行動が求められる重要性も、言うまでもありません。
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