三度、『高校数学でわかるボルツマンの原理』を最後まで昨日読んだ。最後までといういい方はおかしいかもしれない。というのは一番初めの章を一番最後にして、まず第2章「夢のエンジン」の章をさきに読んだからである。
この本ではカルノーのサイクルのことを夢のエンジンと言っているのだろう。この第2章が一番長くて52頁から104頁まである。ここを読み終わったので 最後に第1章の「天を目指す人々」を読んだ。この章は気体の性質について述べられていて、私はどうもはじめ読む気がしなかったが、理想気体の性質とかが書かれてあり、熱力学や統計物理学に詳しくない人に対する導入としてはいい書き方だったと思う。
だが、私みたいな第3章の「エントロピーって何だ?」を読んで、続いて第5章の「統計物理学の世界へ」を読み、つぎに第4章「気体運動論」、第6章「ボルツマンの原理」,第2章「夢のエンジン」、第1章「天を目指す人々」を読むのは一つの読み方ではないかと思う。
この本はテクストではなく、読み物なのでこういう読み方も許されると思う。だが、これを読み進めることができれば、きちんとしたテクストもちょっとした努力で読み進めることができると思う。
私みたいに、あまり熱力学や統計力学が得意でない方々にも勧められる読み物であろう。この本は成功していると思う。この本でたらないところは、ちゃんとした熱力学のテクストで補足したらいいであろう。
(2019.5.22付記) 本をまともな順序で読むことは私には少ない。たいてい関心のあるところから読むからである。なかなか関心の出ないところは読めない。哲学者の鶴見俊輔さんの岩波新書を終わりから読んだのが、こういう読み方をするはじめであった気がする。
その後、鶴見さんと彼の晩年に面識を得たが、そのときに読み方が君はおかしいとも言われなかったから、読み方はそれぞれでもいいのであろう。
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