昨日、出版社から近々発行予定の本の表紙とカバーの装丁が送られて来た。
それを見て、なかなか専門家というものはすごいものだと感じ入った。
私の本は『四元数の発見』というタイトルだが、その表紙のカバーのデザインが私の本を読まないと思いつかないような装丁なのである。
ブックデザイナーを職業とする人がそもそも日本に何人くらいいるか見当もつかない。しかし、理系の本のデザインをする人もなかにはいるのであろう。
そのような本の装丁を考えるときにやはりその本の全体を通読しないまでもある程度は読むのであろう。
『四元数の発見』という書の装丁を私が考えたのではないが、その本の趣旨に即した(またはその本を象徴する)装丁を考えることができるという装丁家は並みの能力ではない。それが特に理系の内容を含む書である場合には。
本の中で私はハミルトンの発想としての第3の元 j の導入について書き、また図にも表したのだが、第4の元 k についてはなかなか図に表すことができないと補注で述べた。そのことを考慮してのデザインだと思われる。
いや、「専門家恐るべし」。別に恐れているわけではなく、畏敬の念を抱いたというのが、正直のところである。
どういう人がこういう数学的な本の装丁をされているのだろうか。
(2017.12.12付記)この話には後の話があって、実は私が感心した表紙のデザインだが、実はインターネットの四元数にこの図がすでに出ているをそのまま流用したものであった。もっともこの図は特許とか商標をとるようなものではなかろうから、デザイナーが使っても文句はいわないであろう。しかし、それにしてもちゃんとそこを見越しての流用なら、いいのかもしれない。
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