三角関数の還元公式なしで加法定理を導けないかと昨日来いろいろ考えてきたが、
いまのところそれがうまくいくとは考えられない。
いや、余弦関数cos xの加法定理は余弦法則で導けるのだが、正弦関数sin xの加法定理は普通の本では余弦関数の加法定理から還元公式から導いている。
「なんでそんなことにこだわるのか」「あまりに石頭ではないか」 諸兄姉からのお叱りの声が聞こえる感じがする。
実は加法定理から三角関数の還元公式も導くという学習内容にできないかという試みができないかと考えていたのだ。
\cos (x+y)=\cos x \cos y-\sin x \sin y
から
還元公式(余角公式かそれに類似の公式)を用いないで
\sin (x+y)=\sin x \cos y+\cos x \sin y
が簡単に導けたらいいのだが、どうもそう簡単ではないらしい。
余弦定理から正弦定理を導出したり、逆に正弦定理から余弦定理を導出したりすることは前にエッセイとして書いたことがある。
それだから上に書いたことが出来ないように見えるのは、私の考えがたりないだけなのかもしれないなどと思っているのだが。
(追記) 上に書いたことは平面上の点の回転行列を使わないという制約の下で考えたものであった。
もし回転行列を使うならば、問題はまったくなくなる。というのは余弦関数の加法定理と正弦関数の加法定理が同時に求められるから。
それとおなじことだが、オイラーの公式を使えば、余弦関数と正弦関数の加法定理は同時に簡単に求まる。
オイラーの公式は使えないとしても、2次元の回転行列を使うことは可能だろう。