双対性とは「そうついせい」と読む。
数学を大学で学ばれた方は射影幾何学でその概念を学ばれると思う。私の知っていた双対性とは射影幾何学に関係したものであった。
ところが、最近武藤 徹先生から数学メモがメールで送られて来たのだが、それが何に関係した事柄なのかわからなったので、お尋ねのメールを書いた。
そうしたら、数日してHilbert und Con-VossenのAnschauliche Geomtrieの数ページのコピーが添付書類で送られて来た。この本の出版年は1932年である。まだ私が生まれてもいない頃の出版である。
この書は「直観幾何学」の名前で訳本が出ていることを知っていたので、それをインターネットの古本屋で購入した。原著が読めないわけでないだろうが、辞書のお世話にならないと読めそうもなかったからである。
そこで、正多面体の双対性という概念にはじめてお目にかかった。
例えば、正多面体の面の中心を線分で結ぶともう一つの正多面体が生じ、この操作を二度くりかえすともとと相似な正多面体が得られるという。この説明は『数学入門辞典』(岩波書店)の説明から引いた。
が、もっとわかりやすくは瀬山士郎さんの「読む数学」(ベレ出版)には正6面体の頂点の数が8で、面の数が6であるが、正8面体では頂点の数は6で、面の数が8となっており、この二つの多面体では頂点の数と面の数が入れ替わった数になっている。このことが上に書いた事実が成立する根底にある。
射影幾何学ではある命題が正しければ、その命題の中の「点」と「直線」とを入れ替えて「含む」と「含まれる」の関係を逆にした命題もそのまま成り立つ。
このような概念は一般に双対性といわれる。
解析幾何学と題された幾何学の講義でこのような話を聞いたと思う。狭い意味の解析幾何学の話は数学科と合同の解析幾何学の講義は聞かなかったと思う。
直線が集まって一つの曲線や曲面をつくることは包絡線や包絡面のことを考えれば当然であろう。
点が集まって直線をつくるように、直線が集まって一つの点をつくるといった話が主だったような気がする。二次形式の理論で出てくる固有ベクトルと固有値の話もそれとは同じ種類のテーマではなかったかもしれないが、講義を受けた。
森永覚太郎先生は講義のはじめに30分間くらい前回の講義の復習をして下さるのだが、その言われることがわからないという学生が多かった。私も同様であった。たまに「森永さんの講義はよくわかる」と豪語する学生もいないでもなかったが、それはあくまで少数であった。
これは前にも書いたことがあるが、前期の試験が危うく不合格になりそうだったということを先生から伺って後期の試験は精出して勉強をした。
それで、友人が後期の試験が終わった後で私のノートを借りに来て、貸してあげたら、ノートは二度と私のところには帰って来なかった。
そのときに先生が Y のつく名前の学生が比較的成績がいいようだからそれらの学生のだれかにノートを借りて追試の勉強せよと言ったらしい。それで私のところに友人がノートを借りに来たというわけである。
後期の解析幾何の試験の成績は優の評価をもらっていると勝手に思い込んでいたが、何年もしてドイツに留学することになって学部時代の成績を取り寄せてみたら、なんのことはない、単に良の評価でしかなかった。
それに後期は解析幾何学の勉強に時間をかけていたせいで、後期の「微積分学」の単位を落としてしまい、3年生の後期に必死になって勉強しなけらばならなかった。
私たちにとっての鬼門は解析幾何学ではなくて、むしろ微分積分学であるというのが定評であった。
工学部で数学を学んだ人などに誤解してもらいたくないのは微分積分学と題する科目で理学部数学科に対する講義は集合論の基礎を教えるのが、どこの大学でも普通だったから、そこで私たちは躓くことが多かったのである。
数学を大学で学ばれた方は射影幾何学でその概念を学ばれると思う。私の知っていた双対性とは射影幾何学に関係したものであった。
ところが、最近武藤 徹先生から数学メモがメールで送られて来たのだが、それが何に関係した事柄なのかわからなったので、お尋ねのメールを書いた。
そうしたら、数日してHilbert und Con-VossenのAnschauliche Geomtrieの数ページのコピーが添付書類で送られて来た。この本の出版年は1932年である。まだ私が生まれてもいない頃の出版である。
この書は「直観幾何学」の名前で訳本が出ていることを知っていたので、それをインターネットの古本屋で購入した。原著が読めないわけでないだろうが、辞書のお世話にならないと読めそうもなかったからである。
そこで、正多面体の双対性という概念にはじめてお目にかかった。
例えば、正多面体の面の中心を線分で結ぶともう一つの正多面体が生じ、この操作を二度くりかえすともとと相似な正多面体が得られるという。この説明は『数学入門辞典』(岩波書店)の説明から引いた。
が、もっとわかりやすくは瀬山士郎さんの「読む数学」(ベレ出版)には正6面体の頂点の数が8で、面の数が6であるが、正8面体では頂点の数は6で、面の数が8となっており、この二つの多面体では頂点の数と面の数が入れ替わった数になっている。このことが上に書いた事実が成立する根底にある。
射影幾何学ではある命題が正しければ、その命題の中の「点」と「直線」とを入れ替えて「含む」と「含まれる」の関係を逆にした命題もそのまま成り立つ。
このような概念は一般に双対性といわれる。
解析幾何学と題された幾何学の講義でこのような話を聞いたと思う。狭い意味の解析幾何学の話は数学科と合同の解析幾何学の講義は聞かなかったと思う。
直線が集まって一つの曲線や曲面をつくることは包絡線や包絡面のことを考えれば当然であろう。
点が集まって直線をつくるように、直線が集まって一つの点をつくるといった話が主だったような気がする。二次形式の理論で出てくる固有ベクトルと固有値の話もそれとは同じ種類のテーマではなかったかもしれないが、講義を受けた。
森永覚太郎先生は講義のはじめに30分間くらい前回の講義の復習をして下さるのだが、その言われることがわからないという学生が多かった。私も同様であった。たまに「森永さんの講義はよくわかる」と豪語する学生もいないでもなかったが、それはあくまで少数であった。
これは前にも書いたことがあるが、前期の試験が危うく不合格になりそうだったということを先生から伺って後期の試験は精出して勉強をした。
それで、友人が後期の試験が終わった後で私のノートを借りに来て、貸してあげたら、ノートは二度と私のところには帰って来なかった。
そのときに先生が Y のつく名前の学生が比較的成績がいいようだからそれらの学生のだれかにノートを借りて追試の勉強せよと言ったらしい。それで私のところに友人がノートを借りに来たというわけである。
後期の解析幾何の試験の成績は優の評価をもらっていると勝手に思い込んでいたが、何年もしてドイツに留学することになって学部時代の成績を取り寄せてみたら、なんのことはない、単に良の評価でしかなかった。
それに後期は解析幾何学の勉強に時間をかけていたせいで、後期の「微積分学」の単位を落としてしまい、3年生の後期に必死になって勉強しなけらばならなかった。
私たちにとっての鬼門は解析幾何学ではなくて、むしろ微分積分学であるというのが定評であった。
工学部で数学を学んだ人などに誤解してもらいたくないのは微分積分学と題する科目で理学部数学科に対する講義は集合論の基礎を教えるのが、どこの大学でも普通だったから、そこで私たちは躓くことが多かったのである。