物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

記録は風化するが・・・

2015-02-14 12:21:01 | 日記
「記録は風化するが、記憶は風化しない」とかこんなことを言われたら、誰でもドキッとする。

NHKのEテレで放映されていた岩井俊二の「ムビー・ラボMovie Labo」が一昨日終わった。はじめの数回は見なかったが、最近は見るようにしていた。

一昨日の最後の放映のときにゲストの一人の大林宣彦監督が言われていたのが、冒頭の言葉である。これにはドキッとした。なかなか印象的なこういう文句を口にする人はあまりいない。

もっともよく言葉を吟味してみると「記録は風化しないが、記憶は風化する」と言い直した方が本当は正しいだろう。
だが、そういっても誰もドキッとはしない。多分大林流のユーモアなんだろう。

本当は「記録を風化させるのは人間であって、その風化はやはり記憶と関係がある」とか、そのような道理を言っても誰もドキッとしない。そこを計算した発言であった。

大林監督は私の生まれ故郷の I 市の瀬戸内海を挟んで反対側にある尾道市の出身の映画監督である。それでということもないのだが、大林監督には親しみを覚えている。

それに私は映画としては「転校生」しか見たことがないような気がするが、印象的な映画をつくる監督として知られており、「ムビー・ラボMovie Labo」でもゲストして別格の存在のような感じだった。

尾道は私の大学の同級生だった Y 君の出身地だった。彼は若くして亡くなったが、同じ年に大学の同じ研究室に入った3人の中でまだ生き残っているのは私だけである。もう一人の H 君などは私よりは長生きするかと思っていたのだが、先年事故のために亡くなった。

(注)昨日の朝日新聞か今日の朝日新聞かは覚えていないが、このmovie laboの放映が終わったと出ていた。どうも朝日新聞の記事と重なることが多いが、これは私と朝日新聞の記者とがお互いに独立に記事を書いているからであろう。いつだったかもワイツゼッカー元大統領のことを書いた次の日に天声人語で取り上げられていた。もっとも内容は天声人語のほうが詳しかった。movie laboのことではとりあげた内容は違っていた。朝日新聞の名誉のために付言しておく。