先日から遠山啓著作目録の作成をはじめた。これがなかなか大変そうで簡単には完成しそうにない仕事である。
一番はじめの基礎資料としているのは国立情報研究所のciniiのデータだが、それに私のもっている遠山の著作を自宅から持ってきて、それを見ながらデータを補充している。
ciniiのデータと私の著作目録のデータの精度が違うためもあって、なかなか大変である。
長年私が集めてきた、遠山の著書は結構な数だが、それでもまだまだciniiのデータにある300冊にはとても達しない。だが、私のもっている遠山の書も多分150冊を越えているだろう。
最終的には国会図書館に行って調べることをいつかはしなくてはならないだろう。しかし、そういうことをする前に自分でどこにも行かないでもできることはしておかなくてはならない。
それに最近でも遠山の新しい書が出版されているからである。もっともそれは大抵以前に出ていた書の文庫化であったり、再版であったりするのだが。
それらの新しい書も本当は購入すべきなのだが、ポケットマネーの不足のためにまだ十分ではない。
遠山の死後、数十年になるのにまだ新しい書が発行されるのは、遠山の書の魅力があるからなのであろう。
私が著作目録とか業績リストをつくっているもう一人は物理学者の武谷三男だが、彼は2000年に亡くなったので、遠山の死よりは20年くらい後ではあるが、彼の書は「弁証法の諸問題」を除いてあまり新しく出版されていない。
これは日本の社会が忘れっぽいということもあるのであろうが、両者の違いもあるのだと思われる。それが何によるのかは私にもわからない。
ちなみに武谷三男編の「原子力発電」(岩波新書)は最近増刷された。これはデータは少し古くなってはいるが、やはり考え方としては学ぶところがあるというので、福島第一原発の事故がきっかけになって再刷された。