私がまだ50代の頃だったでしょうか。
某デパート前の商業ビルの上階に素敵なレストランがありました。
今はそのビルは取り壊され、新しい高層ビルに生まれ変わってしまいましたが。
そのレストランは、ちょっと格式のあるおしゃれな雰囲気。
私のお気に入りのお店で、時々利用していました。
初孫のR君が生まれて間もない頃ではなかったかと思います。
お昼食時、そこを一人で訪れた時のことです。
デパートの入り口の窓際に立ち、R君を待ちました。
まるで恋人を待つような心境でした。(笑)
通路を挟んだ隣の窓際の席に、とても上品な年配の女性が腰かけておられました。
私には、その方が心待ち顔に見え、どんな方が見えるのかしら、と多少の関心を寄せていました。
すると、そこに現れたのは、いかにも体育系といった爽やかな若者。
初老の女性の前のテーブル席に就くと、サーブされるご馳走を黙々と食べていました。
それを目を細めて見入る、初老の奥様。
私はすぐ、状況が理解できました。
その若者は、お孫さんだ、と。
そのシチュエーションに、すっかろ魅せられてしまった私。
私も、R君が成長したら、同様のことをしよう。
素敵なレストランで、R君にご馳走をしてあげよう、とその日を夢見たのでした。
そして、ついにその長年の夢が、最近実現。
私はある日、ママを通してでしたが、電話でR君にお食事のお誘いの声を掛けました。
大学に入学して間もないR君です。
慣れるのに精いっぱいで、おばあちゃんの相手をする心の余裕なんて、ないのかもしれない。
自分の心が落胆しないように、と断られてもともと、と思うようにしていました。
ところが翌日の夜、次女宅にいるところに、R君から電話が入りました。
思いがけずのOK.
夫の墓参で、帰省旅行を誘った時以来の快諾です。
私は飛び上がらんばかりに喜びました。
それを見て、次女が笑っていましたけれどね。
前置きが長くなってしまいましたので、実際にデートした時のお話は手短に。
もちろん、とても楽しいひと時でした。
デパートの階上にある、割と高級感のあるレストランへ。
K君には、5000円のステーキコース。
私は3500円のコース料理を注文。
お料理の画像は、すべて私が頂いたものです。
期待以上に、一品、一品、とても美味しくて、思わずR君のステーキを一切れ、私も賞味。
まるで口の中で溶けるような柔らかさ。
このおいしさを味わってしまうと、もう固いステーキなんて、絶対食べられそうにありません。
R君も、美味しそうに味わっているように見え、私はまず一安心。
ランチを共にして、入学後の近況を、スマホの写真を見せてもらいながら聞きました。
とても楽しそう。
何だか、すっかり安心した私です。
大学生といえば、もう大人。
私は話すとき、子ども扱いにしないように、亮の人格を尊重する語りかけを心がけました
ただ一つ、「姿勢をもう少しよくするように努力した方がいいわよ」とだけは言わせてもらいましたけれどね。
最後に、心優しいR君が私に言った、ここ数年の語録で、とても嬉しかったことを書かせていただきますね。
信じてなど全くいないけれど、嘘でもうれしい温かな言葉でした。
もうずいぶん前のことです。
購入したばかりのタニタのヘルスメータで測定した時、体年齢の表示が実年齢より15歳ほど若く表示されました。
信じられなくて、驚きの表情で傍にいたR君に告げると、
「おばあちゃんは、とても若く見えるよ。その年齢を言っても、疑われないよ」、と。
またある日の二人の会話
「長生きしすぎると、ママたちが先に亡くなることだってあるでしょ。
それは余りに辛いから、長生きするのも考えものね~」
「その様なことになれば、僕が世話をしてあげるよ」
「おじいちゃんとおばあちゃんとの思い出は、楽しい事ばっかりだなあ~」
春の墓参旅行の時の会話
「おばあちゃんはボケてなんかいないよ。とても元気でしっかりしているよ」
お世辞と分かっていても、温かい言葉は、年老いた身にはひとしを有難く嬉しいものですね。
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ありがとうございました。
花のように泉のように