尾道の観光を期待以上に満喫した私。
その企画を立ててくれた妹への、感謝の気持ちで一杯でした。
心和む尾道の眺望を眼下にしながら、文学の小道を散策しているとき、妹が
「お姉さま、何か詠める心境でしょう。Yさんを偲んで、一句どうぞ・・・・・・」と。
相変わらず折々で涙拭う感傷的な心でしたから、何か詞を紡げそうでも、貧弱な私の感性と語彙では、え~え~とつぶやくばかり。
暮らしの折々で、優れた短歌を詠んだ母とは大違い。
そんな口惜しさもチョッピリ味わいながらも、心から満たされた尾道の旅でした。
そして、昼下がり、私たちは倉敷に向かいました。
尾道の時と同様、私は妹の案内に身をまかせた、実に気楽な旅。
やはり観光ガイド本もなく、下調べも一切していませんでした。
辿り着いたホテルは、過去の紡績工場を改装し、ホテルへと変貌した建物。
タクシーの車窓から、これはいったい何?と思わず目が惹きつけられた赤煉瓦の威圧的な高い塀。
まるで牢獄の塀のようでしたが。
それが、私たちが泊まったホテル、アイビースクエアーです。
倉敷では、とても人気の高いホテルらしく、確かにその塀の門をくぐると、そこはタイムスリップしたかのよう。、
レトロで重厚な趣の素敵な空間が、私達を迎え入れてくれました。
またまたとても感動した私です。
妹の予定表には、夕食後、美観地区の夜景を愉しむプランが組み立てられていました。
けれど、それはさすがに私達には強行軍過ぎる、との思いから中止。
ホテルの夕食を、時間をかけてゆっくり愉しみことになりました。
ところが、どうしたことか、私は食欲がありません。
「ホテルは素敵だけれど、お料理の味は今一つね~」
と、感想を述べた私でしたが、その食欲の減退は、体調異変と言う思いがけないハプニングの伏線だったようです。
その翌朝あたりからの記憶が、今綴るにあたってあまり鮮明でなく、少々困ります。
体調が良くなかったせいでしょうか。
でも翌日の朝の私は、まだ普通に行動ができました。
二人で向かったのは、街並みが国の重要伝統的建造物群保存地区になっている、倉敷河畔の美観地区。
そこは、まるで昔ににタイムスリップしたかのようでした。
歴史のロマンを感じながらの散策。
白壁の蔵を持つ商家風の建物や町家が軒を連ね、倉敷河畔に独特の情緒を醸し出していました。
江戸時代の商人や武士が往来する姿が、目に浮かんでくるような風情です。
倉敷は、江戸幕府の天領となり、年貢米の集積所として栄えた街とのこと。
その街の一角に、私が観光を待ち焦がれていた大原美術館があります。
ところが、誠に誠に残念ながら、私たちが訪ねた月曜日は、休館日。
まだ私はホテルにいて、そろそろ身支度を始めようとしていた時、一足先にこの河畔の散歩に出かけた妹が戻ってきました。
ドアを開けるなり、素っ頓狂な声で発した第一声が、このお知らせ。
私としたことが、なんという失態・・・・・・云々。
私も残念至極だったけれど、今後お墓参りの帰省で、幾度も通る街。
またの機会の楽しみにすることとなりました。
ギリシャ神殿風の重厚な石造建築の佇まいの大原美術館。
今回は、やむなく外観のみ、恨めしく観て終わりでした。
その美術館がある場所の向かい側に、川を挟んで、国の重要文化財になっている大原家の蔵屋敷があります。
美観地区の蔵屋敷を守り、大原美術館まで設立した大原家の人たちの功績とご苦労に頭が下がる思いがしました。
さて、このころから、私の体調は一気に下り坂。
お汁粉を頂いたのは良く覚えているけれど、お昼食は、どうしたのだったかしら。
記憶が途絶えてしまっている。
後半の美観地区の観光は私は取りやめ、アイビースクウェアーの一室を特別提供してもらい、新幹線の発着時刻近くまで休ませてもらうことに。
妹が、残りの観光を済ませ、部屋に戻り、私を叩き起こしにかかりました。
最悪の体調になりつつあった私には、まるで拷問を受けているかのよう。
でも無理しても帰って良かったです。
インフルエンザだった私の体。
タミフル効果の期限がぎりぎりのところで、治療が間に合ったからです。
叩きおこされたなんて、少々大袈裟。
妹が私が体調を崩した時の事を面白おかしく、オーバーに表現していたので、その仕返し。
わたし、「死にそう~」何て言った覚えありません。
観光を途中で取りやめざるを得なかった残念な気持ちを抑え、静かに耐えて、ベッドで横になっていただけです。
次女のMちゃんに、迎えのお願いを頼んだのも、妹。
私はタクシーに乗れば一人で帰れるから、と言いました。
でも、本当に楽しかった姉妹旅行。
次は、イタリア旅行の企画が持ち上がっているけれど、一周忌が過ぎるまではちょっと無理そう。
旅慣れている妹に聞くところによると、旅行経費は、お小遣い除いて5~60万円とのこと。
ビックリ!
遺族年金暮らしの身になった今、お金の使い道は頭を悩ますところです。
シニアーの海外旅行は、今、人気が高いのかもしれないけれど、私は本当にそれを望んでいるのかしら。
それほどの金銭を投入する価値を、そこに見いだしているのかしら。
時差もあり、体力が持つかどうかも、とても気がかり
じっくり検討しましょう。
限られたお金を、一人身になった今、いかに有効に使い、人生を楽しむか。
十分に考えたいものです。
しばらく、またお休みさせていただきます。
心のエネルギー不足か、今回の投稿はいつも以上に疲れました。
長い間お休み後の投稿でしたのにね~
肩に力が入ってしまうのでしょうか。
文章を綴ることへの苦手意識は相変わらずなので、心からまだブログ綴りを楽しめていないのかもしれません。
もっと楽しく、もっと気楽に、を目指したいものです。
最後になりましたが、あの悲劇をもたらした大震災から、五年が過ぎました。
なおその傷から癒えない方々の、ご苦労を思わないではいられません。
被災地の復興が、住民の望み通りに進展しますように。
そして、希望に満ちた良き日々が紡がれますように、と心からお祈り申し上げます。
ご覧下さいまして有難うございました。
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花のように泉のように