美濃屋商店〈瓶詰の古本日誌〉

呑んだくれの下郎ながら本を読めるというだけでも、古本に感謝せざるを得ない。

故意に奇言奇行を尚ぶ者(洪自誠)

2018年10月07日 | 瓶詰の古本

能脱俗便是奇。 作意尚奇者。 不為奇而為異。
不合汚便是清。 絶俗求清者。 不為清而為激。

能ク俗ヲ脱スレバ便チ是レ奇、作意ニ奇ヲ尚ブ者ハ、奇ト為ラズシテ異ト為ル。汚ニ合セザレバ便チ是レ清、俗ヲ絶チテ清ヲ求ムル者ハ、清ト為ラズシテ激ト為ル。

凡俗の境地を能く脱却することが出来た人は、それこそ奇特にして偉大なる人と謂ふべきである。然るに、故意に奇言奇行を尚ぶ者は、決して奇特偉大なる人に非ずして、単に異を好む変人に過ぎない。また、世間の汚濁の中に在つて、しかも之に混合しない者は、それこそ清節の人と謂ふべきである。然るに、世俗の交りを絶ちて独り清節を求めんとする者は、決して清節の人となり得ずして、単に矯激なる行為をなす者に過ぎない。

(「ポケツト菜根譚」 五島慶太)

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