美濃屋商店〈瓶詰の古本日誌〉

呑んだくれの下郎ながら本を読めるというだけでも、古本に感謝せざるを得ない。

日用語大辭典(芳賀剛太郎先生)の配本を刮目して待つ(誠文堂ニュース)

2023年11月19日 | 瓶詰の古本

 出版界で刮目して待つ 
 日用語大辭典の配本

 第三回配本の日用語大辭典は屢記の如く芳賀先生が
  此の本が一冊  あれば、日本のどの書物を読むにも、どんな文章を書くにも差支へないといふ意気で心血を注いだ先生近来の大著述である。されば現代語の網羅は勿論、諸教科書に亘りて難解の字句は悉く拾收してあれば小学生、中学生は教ゆる人を待たずとも此の書一冊に依て自習する事が出来るし、教師諸君には教授用の好参考書たるを疑はぬ。更に高級なる専門学術語も網羅してある。俗語に疑義のある者、最新語を知りたき者、外来語の意義に通じたき者は皆本書に来れといふのが 著者の信條   と意気である。加之本書には早く略字を知る便宜の為に、草書木版約四千余字を毎頁へ挿入してあるから、一面に於て草書法早学びとなり、且手紙を認むる上に於て非常に便益を得る次第である。特別活字を用ゐたる最新式編輯にかゝる此の大出版は第三回配本として、
 予定の如く  本月下旬に配本される事となつた。総頁数八百頁に近き大冊は全く犠牲的奉仕出版として出版界に一大センセーシヨンを捲き起すものと宣伝されてゐる。

(「誠文堂ニュース 八月下旬號」 有坂勝久編輯)

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