か ら け ん


ずっと走り続けてきました。一休みしてまわりを見ます。
そしてまた走ります。

人間のつながり

2018年10月16日 | 日常

具体的事件を例に引きその事件の面白さとか衝撃度とか特異性を述べることで耳目を集めるのは簡単だ。

興味ない。

E.Frommが「自由からの逃走」を書いて久しい。ワイマール共和国であれ、戦後の日本であれ自由らしきものは突然空から降ってきたものであった。

だから、自由とは自分勝手を意味しないとか、責任を伴うものだとか、、生産関係のトップたちは何とか御用学者を動員して、枠の中でおとなしく草をはむ飼いならされ満足した豚の量産を図った。

Frommは勝つことなしに手に入れたものの脆弱さについて問う。

自由はありがたくないのだ。権威(会社、学校、サークル、団体etc・・・およそ一切の所属させられているもの)にすがる生き方を選択する者に自由ほど邪魔なものはない。不本意な判断、行動、去就が詰まった人生が予約される。

 

今孤独について日本の思想界は盛り上がっている。孤独から逃げるのは簡単だ。先ほどの権威にすがればいい。アリが砂糖にたかるように、すがるもので僕の周りはあふれるだろう。

権威にすがれば、さらにそのすがった者にすがるものがあふれる。これを田舎の低能たちは町役場で昇進したぐらいで、自分の人徳をしたって人が集まると勘違いする。

この勘違いがファシズムの温床であるとFrommは言う。

だが、その「寄らば大樹」選択をせずに、孤高を保てる人は少ない。低俗なコメントによればやせ我慢をしているという。

 

Fromm wurde in Frankfurt am Main geboren.

 

僕は孤独の中で正義を貫くことはできない。こっちの水はあーまいぞ、という声は常に大きく誘惑に満ちている。ボーナスは50万より500万がいい、部下は50人より500人がいい。蛍には甘い水だ。

しかしやせ我慢にしろそうでないにしろ、精いっぱい節を曲げずにいる人を軽蔑的にやせ我慢とかいうものではない。

The ability to be alone is the condition for the ability to love.

(一人でいられる能力こそ、愛する能力の前提条件なのだ。)

フロムは心の弱者に厳しい。


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