メキシコの隅っこ

メキシコの遺跡や動物、植物、人や風景などを写真で紹介してます

死者の日の霊園

2009-11-04 09:00:51 | 催し物
こちらでは一日遅れですが、日本では……気にしない気にしない。

というわけで、雨降りの死者の日の連休、
月曜2日の昼ごろにようやく青空が覗いたので、頑張って出かけてきました。

前にもここで紹介したカルメンの霊園ふたつ。
前回の写真と比べてもらうと、この日の感じがわかるかと思います。

そもそも死者の日がだんだんハローウィンになっちゃって、
スーパーにもあふれるのは頭蓋骨のお菓子の代わりに
米国製とおぼしき魔女だのゾンビだのの仮装とジャック・オー・ランタンばかり。
お菓子をねだりに来る子供たちに責任はないですが、
何だか無性にムカつくのも、正直なところ。

だったんですが、死者の日ってお墓参りするんだよね?
とダンナに訊いたら、知らん、と言うんですよ。
行ったことないの? と訊けば、ない、という。
薄情なヤツだなあ。
まあ家庭にいろいろ複雑な事情が……あるのかないのか知りませんが、
お父さんのお墓はちょっとやそっとじゃ行けない秘境にあるしなあ。

でも確か、そうだったはず、と思って、カルメンの霊園に行ってみたら……。
なんかすごいことになってました。
霊園の前の道路が通行止め、パトカーが何台も並んでいます。
いかめしい制服を着たおまわりさんたちがのし歩いてるし。

そして、霊園入り口に並ぶ並ぶお店。

 

お供え用の花が一番多く、ちゃんと死者の日のマリーゴールド、
スペイン語(というよりメキシコ語?)でセンパスーチルも売ってました。
最近じゃこの時期に見かけるオレンジ色はすっかりカボチャお化けかと思ってましたが。
あと、ケイトウの花もお供え用なんですかね?
センパスーチルと負けないくらいたくさん売ってました。

そしてもちろん、食べ物類の出店も各種。

かなり混みあう霊園の中を歩きます。
あ、ちなみに写真はふたつの霊園取り混ぜてご紹介してます。

 老若男女一家総出でお参りに



それぞれのお墓の前に、持ってきた椅子など並べて座り込み、
これまた持ってきたお弁当を広げ、お父さんは新聞を広げているところもあり、
完全にピクニック状態。
これなら死者も楽しくて、寂しい思いしなくていいですねえ。



マリアッチを呼んできてお墓の前で演奏してもらっている死者も。
いいなあ。

人はあんまり撮れませんでしたが、
並んでいるお墓を見ても、明らかに前回とは違って、
綺麗にお花が添えられています。

 

そして、どちらの霊園でもこんな感じの



臨時祭壇が設けられ、入り口にはミサの時間が何時と何時、と書いてありました。
あいにく私たちが行ったときにはミサはやってませんでしたが、
奥のほうの区画を区切ったお墓のところでは、
独自に司祭を呼んできたらしいお祈りの声が聞こえてました。

まだまだここでは、ちゃんとこれまでどおりのメキシコらしい死者の日やってるなあ、
と安心したことでありました。


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5 コメント

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Unknown (OTTO)
2009-11-04 13:00:50
うちも墓参りは行きません。 
家内の先祖の墓は、シナロア北部にあるんですが、遠いし、やっぱりいろいろ事情があるみたいで。
まあ行かないほうが助かるけど。
で、浦島の亀さんは、だれの墓参りにいったんですかァ?
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Unknown ()
2009-11-05 00:04:50
>OTTOさん
毎年行くのは大変ですよね。
私も子供のころから引っ越し人生だったんで、ずっと同じところに住んで、
一族郎党同じ町にいて、お墓もあって、という感覚がよくわかりません。
霊園にはお墓参りに行ったんじゃなくて、単に冷やかしに行ったんですよ。
まあ一応、昔お世話になっていた獣医さんのお墓に参ってはきましたけど。
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お墓参り (あやたろう)
2009-11-05 01:47:19
(ちょっと違うかもしれんんけど・・・。)

この前、旧盆中に沖縄に行った時、やっぱし、
いたるところでお墓参りしてる光景を目にしました。
そこでは、お墓の前にテントを出して、たくさんの家族(と思う^^;)が
みんなで揃ってピクニック並みのベーべキューなんぞ
してる人たちも大勢いて、
こういうふうだとご先祖様も寂しくなくていいなぁ・・・と
思った次第でございます。
なんか、メヒコと似てますね♪
マリアっちとかお供え物なんかは違うとやろけど^^;

長崎のお盆も賑やかでいいですよ♪
・・・と無理やり共通点を見つけようとする^^;
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Unknown (Azul)
2009-11-05 07:28:36
私たちもメキシコではお墓参りしたことないです。たぶん、「ご先祖様」なんていう感覚がないんでしょうね。
ところで、センパスチルの花ってマリーゴールドっていうのですか。はじめて知りました。あの匂いからするとマリーゴールドというより、やっぱりセンパスチルだと思いますが・・・
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Unknown ()
2009-11-05 07:53:37
>あやたろうさん
おおお~、それはものすごくメキシコと似た雰囲気ですねえ。
前のときのお話だと花火打ち上げなんかもあるとか。マリアッチの代わり?
やはり南国はそういう雰囲気というか気持ちの持ちようが似ているのかも?
いいですよね、そういう湿っぽくない死者との交流って。
長崎のお盆もいつの日か体験してみたいものです。

>Azulさん
そうですね、メキシコ人はご先祖様とは言わない気がしますね。
お参りに行っているのも自分たちが直接知っている親族?
それだけ大勢死んでいるということでもあるんですが……。
いや、それだけ家族の人数が多い、と言うべきかな?
マリーゴールドは園芸種でバリエーションが多いので、厳密には
センパスーチルとは違う花とも言えますが、
http://es.wikipedia.org/wiki/Cempax%C3%B3chitl
こちらで見ると、学名はTagetes erecta。
で、日本語のマリーゴールドのページでは
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89
アフリカンマリーゴールドが同じTagetes erestaになっています。
ただしこれは分類で言うところの「種(しゅ)」までが共通ということで、
生物学的にはこれで「同種」とみなされるんですが(交配できるという意味で)
実際にはここからものすごい数の亜種・品種が生まれていて、
パッと見、ぜんぜん違う花に見えるのもたくさんあるでしょうね。
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