10,000 B.C (紀元前1万年) ネタばれあり

2008-04-26 | 映画
今回は「インデペンデンス・デイ」「デイ・アフター・トゥモロー」の大作を手がけ、印象的な映像を数々見せてくれたローランド・エメリッヒ監督の「紀元前1万年











ランキングに参加してます。 クリックお願いします。
  


それは遥か遠い昔、予言と神々の時代。精霊が幅を利かせ、巨大なマンモスが大地を揺るがすなか、山奥に住む若いハンター、デレー(スティーブン・ストレイト)と美しいエバレット(カミーラ・ベル)は子供のころから惹かれ合い、将来を誓う。
だが、あるとき、正体不明の男たちが彼の村を襲い、エバレットたち大勢の民をさらってしまう。デレーは彼女を救うため、3人の仲間とともに彼らを最果ての地まで追っていく。
未知の土地に足を踏み入れるたび、彼らは自分たちよりも進んだ文明の存在を発見し、人類には果てしない可能性があることに気づく。旅の途中で出会うさまざまな民族を仲間に加え、いつしかデレーは大勢の戦士たちを率いることになる...(オフィシャルサイトより)

この作品は、SFアドベンチャーのジャンルに紹介されているが、自分ではラブ・ストーリーのジャンルに入り、一番のテーマには「愛」。
親子の愛、恋人との愛、そして隣人に対しての愛。 
この愛の力が、年に一度のマンモス狩で細々と辺境の地で暮らす部族の一人の青年に、絶対的な権力を持つ、生き神様の支配者を倒すまでの勇気と行動力を与えている。

もちろん、アドベンチャーとしての魅力もふんだんにあり、エメリッヒ監督お得意のCGはすごい。
先ずマンモス狩りのシーン。
何十、何百頭というマンモスの群れに、忍び寄り、罠の場所まで一気に追い立てる。
アップになった時の汚れた体毛の自然な流れ。草原をいきなり暴走し、衝突して倒れ込むシーンは圧巻。
マンモスに踏まれそうになるシーンでは、思わず体をすぼめた。

そしてエバレットをさらった謎の騎馬軍団に接触した密林では、一瞬「ジュラシック・パーク」の世界に入り大きなダチョウとのレースがはじまる。  
ここでも不気味で大きなダチョウの人間狩がCGで描かれている。

その時に落ちた洞穴でサーベルタイガーとの遭遇。 
この義理堅いトラを助けた事が、この物語のカギになるのだが、このトラも描写も見事。

奴隷とマンモスを使いピラミッドを建造している場面も、どうやって撮ったんだろうと思わせるほどリアル。

そのマンモスの習性を利用して、奴隷達の氾濫を起こさせる。(もちろん前半のマンモス狩りが複線になっている)
そしていよいよ、自分を神と勘違いしているバカ殿様の対決になる。

最後がハッピーエンドになるかどうかは、観てのお楽しみ。(って、もうばらしているようなものだけど)

この作品には、特に有名な役者は出演していない。
先ず主人公のスティーブン・ストレイトが、ほとんど無名に近い。
ヒロインのカミーラ・ベルは「ストレンジャー・コール」が印象に残っているが、あまり演技力があると思わなかった。その代り、彼女は目力が強い。
特に今回はグレイ系のコンタクトを入れて、その目がいっそう印象的になっている。

そしてもう一人は「ダイ・ハード4.0」に出演していたクリフ・カーティス。
彼はニュージーランド出身のマオリ人だそうで、顔がとても個性的。

そのCGの迫力と大ラブロマンのこの作品は、絶対に映画館で観て欲しい。


トリビア
カミーラ・ベルは、「ジュラシックパーク 2」の冒頭サンドイッチを持って森に入り恐竜の子供達に群がられていたあの少女を演じていた。

主人公の名前、D'LehはHELDを反対にしたもので、ドイツ語でヒーローの意味。

洞穴でのトラの動き(水面下と水上での毛の動きの微妙さと全体の動作)が、この作品のCGで一番難しかった。


「ストレンジャー・コール」



「ジュラシック・パーク 2」