国立西洋美術館で「クラーナハ展」が始まったようだ。
2010年春にボルゲーゼ美術館で観た「Cranach. L'altro Rinascimento」展を思い出す。時間制で追われるように観たため、記憶が曖昧な部分が多い。今回の展覧会はゆっくり鑑賞したいものだと思う。
ルーカス・クラーナハ《ヴィーナスと蜂の巣を持ったキューピッド》(1531年)ボルゲーゼ美術館
で、ネット検索したら、こんな充実のPDF資料(図録?!)を発見(・・;)。イタリア語と英語が併記されていて助かる。(でも私は横文字苦手 )
ちなみに、日本でもこうした資料を公開してくれると良いのにねぇ~!!
クラーナハについては、当方のブログに2,3書きました。実はそれほど好きではないんですけど、気になる画家です。
クラーナハ 専門 サイト [2016/09/09 08:06]
盗賊と十字架:クラーナハのこと [2016/09/08 09:24]
ボスとクラーナハ [2016/09/01 10:51]
で、クラナーハ関連記事&参考サイトを教えていただきありがとうございました!! 磔刑の件もとても勉強になりましたです。
ちなみに、私も「それほど好きではないけど、気になる画家」です(^^ゞ
クラーナハにはこれまで特別関心があったわけではないのですが、先月ウィーン、ベルリン、ドレスデンで沢山見てきたので、今回の展覧会はちょうど良いタイミングでした。気がついたことなどを少々。
一番の目玉とされているウィーンのユディトの隣に展示されていたブダペストのサロメ(10年ぐらい前に来日したのとは別の作品)の髪飾りの花の部分にダイヤモンドのようなガラス状の材料が貼り付けてあって、光線の具合でキラキラと輝いていました。クラーナハがこういう技法を使うのは驚きでした。そして今回の展示品ではありませんが、ヴァイマール美術館という所にあるフリードリヒ寛容公の14歳の花嫁の絵もこれとほぼ同じ髪飾り(花飾り+ダチョウの羽)なので、多分同じようなガラス?の粒を貼り付けているに違いないと思った次第。この花嫁の6年後の夫妻像が今回出品されていましたが、夫婦ともすっかり貫禄!がついた様子でした。
クラーナハのヴィーナス、イブ、ユディト、サロメやその他の絵に出てくる女性像は皆丸顔で同じような表情をしていますが、こういう理想化された女性像ではなく、肖像としての女性像には個性的で魅力のある人物が多いということを感じました。今回展示されているリヨンのザクセン公女マリア、ルターの妻ボーラ、上記の14歳の花嫁ジビュレ、ドレスデンのハインリヒ敬虔公の妻などなど。ボッティチェリ、カラヴァッジョ、クリムトなど自分の好きな画家や北方ルネサンスではファン・エイクなどの描く女性像にも魅力的・個性的な人物はいますが、それとはちょっと違う、何と言うか一癖ありそうな、それでいて忘れがたい表情の女性たちだと感じました。
ついでに、記念撮影用の板絵について。クラーナハ展ではウィーンのユディトの顔とホロフェルネスの首の両方の部分に顔を入れて2人で写真が撮れます。(東博でやっている特別展「禅」では羅睺羅尊者のお腹の中の釈迦の顔の部分に顔を入れて写真が撮れます。)
で、「クラーナハ展」レポートをありがとうございます!!むろさんさんのコメントを拝見し、さっそくキラキラのチェックをしてきましたよ(^_-)-☆ サロメの他にも絵の中の宝石の一部にガラス状のキラキラが見られましたし、ウフィッツィ《女性の肖像》のドレス装飾の点々キラキラが素敵だったし、お蔭様でクラナーハのテクニックも堪能できました♪
むろさんさんのおっしゃるように、女性たちの表情も一癖ありそうで、画家ならではの人間観察の鋭さが窺えましたし、魅力的だとも思えましたです。
記念撮影用の板絵、むろさんさん、もしかして撮られたりしたのでは??(笑)
美術史美術館の入口前(自然史博物館側)に黄金に輝く大きなチェリーニの塩入れ?(但し人物像はなし)があり、よく見ると発泡スチロールのようなハリボテで階段もついていて、上には椅子が2つ・・・早速登って記念撮影(気分はポセイドン! 裸にはなっていませんが)。ヨーロッパ人の観光客も上に乗って写真を撮ってました。
日本の美術館もどこでも同じような顔出しパネルやゆるキャラでなく、こういうセンスのいい物を作ればいいのにと思いました。(西美でも世界遺産登録記念で、考える人になりきる台を作るとか)
写真は下記HPの2016.7.23のところに。
http://www.wien-kanko.com/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%93%E3%81%BC%E3%82%8C%E8%A9%B1/%E7%B5%B5%E7%94%BB%E3%81%A8%E5%BD%AB%E5%88%BB/
で、むろさんさん、西美の「考える人」はグッドアイデアですね!♪ 私もポーズ写真撮りたいです(笑)
ちなみに、都美「ゴッホとゴーギャン展」ではアルルでの二人の椅子(イメージ再現?)が置いてあり、撮影できるようになっていました。美術館も色々と企画が必要な時代なのですねぇ(^^;