花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

ノヴァラ「ロットからカラヴァッジョ」展の感想(1)

2016-05-25 13:23:01 | 展覧会

ミラノからノヴァラまでは快速電車で40分ぐらいなので往復しやすい距離だった。ノヴァラといえばカラヴァッジョの弟が司祭をしていた所だった記憶があるが(曖昧(^^;)、「ロットからカラヴァッジョ」展が開催されたのもその縁なのかな?? 

で、展覧会はやはりロベルト・ロンギを顕彰する内容になっており、彼の論考を基に財団所蔵作品中心に展示されていた。財団作品の一部は以前「フィレンツェのカラヴァッジョとカラヴァッジェスキ」展の一環で観ていたが、今回改めて再構成された内容はとても興味深かった。ちなみに会場で出迎えてくれたのはピエル・パオロ・パゾリーニによるロンギの似顔絵!(笑) 

実は最近『芸術論叢』に目を通したのだが、ロンギがボローニャ大学での講演でアミーコ・アスペルティーニも登場させ、最後はモランディで締めくくっており、ロンギの嗜好に思わずニンマリしてしまった(^^ゞ。そのアミーコが今回の展覧会の初っ端から登場したのだ♪ さすが(?)ボローニャ派やドッソ・ドッシのフェッラーラ派への目配りもされていた。 

で、今回一番面白かったのはヴェネツィア派の異端(?)ロレンツォ・ロットだった。特に《聖家族(題をメモしなかった(^^ゞ)》は思わずレンブラントを想起した作品で、その先進的なキアロスクーロはロンバルディ派に影響を与えていくことが了解された。ロットの聖人を描いた作品はモレットやモローニを彷彿させるし、ブレーシャやベルガモへの影響を目で見ることができる。写真がOKだったので後で画像を紹介したい。 

時間が無いので端折ってしまうが、カラヴァッジョ作品はクレモナの《瞑想する聖フランチェスコ》で、財団所蔵の《果物の皮を剥く少年》(模写作品)も展示されていた。カラヴァッジョ作品ならば東京の展覧会の方がもちろん充実しているが、ノヴァラ展覧会はカラヴァッジョに影響を与えた先駆的作品を扱っているのであり、カラヴァッジョから影響を受けたカラヴァッジェスキ作品も扱っている。  

ということで、聖人たちを描いた「ソロモンの審判の画家」がジョゼッペ・デ・リベーラになった件については、西美の川瀬氏の講演会を聴講したので面白く観ることができた。「同じモデルを使う画家たち」という川瀬氏の視点はとても興味深かったし、リベーラ偏愛の眼は多分パピとは違うものを見ることができるのかもしれない。 

もう急ぎ足になってしまったので、とりあえず(1)にしてしまう。時間ができたら(2)も書きたい(^^ゞ



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