スヴェトラーナ・アルパース(著)『描写の芸術-十七世紀のオランダ絵画』(ありな書房)の序文に興味深い記述があった。
「ホントホルストやテル・ブリュッヘンといったユトレヒトの画家たちは、しばしばカラヴァッジョの後継者とみなされる。しかし彼らが反応したのは、イタリアの画家ではあるが北ヨーロッパの伝統に深くとらわれていたカラヴァッジョという画家であったことを見落としてはならないだろう。すなわち彼らは、カラヴァッジョを通じて彼ら自身の北方的根源へと導かれていったとも言えるのである。」(p22)
美術ド素人の私見だが、テル・ブリュッヘンは北方的根源ついでに北方ルネサンス・ゴシックまで遡ったのではないかと思えるのだけど(^^ゞ