京都国立博物館「国宝」展は展示替えが4期もあり、仙台在住の私には全期を観ることは到底不可能なので、未見の大徳寺龍光院《曜変天目》(第Ⅱ期)に焦点を絞ることにした。
開場は午前9時30分であるが、早めの9時10分には京博に到着した。入門は既に開始されており、会場の平成知新館の中までは入場できた。しかし、目に飛び込んできたのは開場を待つ人々の長蛇の列!!雨降りのウィークデーにもかかわらず…だ(*_*;
9時30分に入場が始まり、順路は3階からとエレベーターに誘導される…が、係員に「陶磁器展示はどこですか?」と尋ねると「1階右奥です」とのこと。もちろん、陶磁器展示コーナーに直行!!これが大正解(^^)v 直行組は少なくて、《曜変天目》のガラスケースの周りを何度も巡ることができ、この茶碗をしっかりと堪能したのだった♪♪
さて、龍光院《曜変天目》であるが、意外に思ったのは静嘉堂文庫や藤田美術館に比べ、曜変斑が小さく、虹色光彩もおとなしいものであったこと。しかし、照明の効果であろうか、特に正面見込みの虹彩は殊更に美しく、小さな虹彩斑が集まり輝く様に、なにやら奥ゆかしささえ覚えた。しかし、正面から離れ後部から覗くと、小さな曜変班は雲母色の飛沫のようにも見え、他のふたつの茶碗の持つ幻惑の趣が少々足りないような気もする。
美術ド素人の私的な感想ではあるが、静嘉堂は虹彩班の散り方も色調も宇宙に飛び散る星々を想起させる格調の高い曜変天目だと思う。藤田は虹彩の際立つアバンギャルドな美しさが魅力の曜変天目だと思う。そして、この龍光院は小さな虹彩班が降り積もる奥ゆかしさが懐かしい曜変天目のような気がしたのだ。