花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

ギメ東洋美術館所蔵「浮世絵名品展」

2007-02-18 22:08:22 | 展覧会
先日も思ったのだが、原宿の欅並木は仙台の定禅寺通りに似ている。歩きながら一瞬宮城県民ホールに向かっているような気がした。葉を落とし黒々とした樹木のシルエットもどこか懐かしい。ちょっと里心が刺激されたかも(^^ゞ

ということで、太田記念美術館に「ギメ東洋美術館所蔵 浮世絵名品展」2回目、後期展示替を観に行った。
1回目の感想はokiさんのブログにちょこっと書いたので省略(^^;;;

前回は北斎の龍虎の出会いを楽しんだが、今回は華やかな浮世絵の摺りの見事さに目が惹かれた。特に魅了されたのは鳥居清長の十體画風俗から《狆をひく姫君》だった!



おっとりとした顔立ちの姫の纏う内掛けは菊花模様の散る珊瑚色の緞子、中に着た淡色の着物の草模様。打掛はよく見るとベタな色ではなく、衣装の質感を表現しようとして緞子の織模様の濃淡を浮き上がらせている。それだけではない、背景の屏風にも淡い桜色の雲が浮き上がって見える。まるで屏風絵に描かれた胡粉の盛り上がりを写したかのようなエンボス摺りの素晴らしさ!

浮世絵は描いた浮世絵師だけではなく、版木を作る彫師や摺り師の技術によるところも大きいことをしみじみと感じてしまった。そもそも、顔や髪、衣装の繊細な線なんてどうやって彫るのだろう?? 浮世絵知らずのド素人はあらためて江戸時代の版画技術の高さに驚いてしまったのだった(^^;;;