花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

踊るサテュロス

2005-02-19 22:41:06 | 展覧会
東京国立博物館で「踊るサテュロス」を観てきました。
頭を傾け、きっと右足をつま先立ててピルェットしている...しなやかなサテュロス像は観る者の心を楽しくします。
酔いしれ、回転しながら踊るサテュロスの髪は風に靡き、彼の目は虚空を見つめ、口元には恍惚の笑みを浮かべています。若々しい均整のとれた肢体、特に臀部が魅力的です(笑)。どうも最近彫刻を見る時は後からしみじみと眺めてしましますが、この像は回転の身体のねじれを表現しているので、どの角度からも見応えがあります。躍動感あふれた素晴らしい造形だと思いました。

ちなみに、このサテュロス像はギリシア・ヘレニズム期のオリジナル彫刻をローマ期に模刻したものではないか...というのが有力説のようです。
図章研究では、バッカスの従者であるサテュロスは飲み干した酒杯(カンタロス)を左手に、霊杖(テュルソス)を右手に持っているのだとか。サテュロスの肢体部分から全体像が想像できるようです。
彫刻に見られる眼彩の白目部分のアラバスターは残っているのですが、残念ながら虹彩部分が欠落しています。

さて、展示されている表慶館内で、驚いたことにチョコレートを売っていました。日本人ショコラリエが作った「サテュロス」と言う名のショコラ。好奇心の強い私ですのでもちろん買って食しました。ショコラのほろ苦さとシャンパンの効いた押さえた甘味の美味しいショコラでした。しか~し!1粒1000円はいけません。庶民として怒ります。原価の半分はパッケージ代ではありませんか?>Hさん。