前夜は、ホテル自室で北朝鮮と韓国のソジュ(焼酎)を飲んだ。
ただ、飲んだのは覚えているが何時寝たのは覚えていない。
朝目覚めたのは、連れとフロントで待ち合わせた時間の10分前。
この日はソウル最終日。
二日酔いの頭と身体で、大急ぎで荷物をまとめなければいけない。
男一人分の仕度だから何とか10分の遅刻で済んだ。
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朝飯は明洞の「明洞多島海鮮」というお店。
朝の明洞を散策して、たまたま入った店だけど、結構有名店のようだ。
注文のとき、胃の中は昨夜の焼肉とソジュが充満していた。
でも、何かを入れて胃から腸へ押し出さねば。
と言うことで、何とか隙間に流れ込みそうな「粥」を注文した。
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5年前に明洞の「Congee House」という専門店で「アワビ粥」を食べた。
その時は、あまりに上品?過ぎて、アワビの味がちっとも解らなかった。
今回のお店は言ってみれば何でもありの「海鮮レストラン」
ここでもアワビ粥を注文したが
2日酔いの舌でも5年前の専門店よりも味がはっきりと解る。
たぶん庶民的なアワビのお粥なのだろう。(値段は9000w)
ちなみに、元気な連れは「石焼ビビンバ」を朝から食べていた。
追記:店長のアジュンマはなかなかやり手のようだ。
店の壁には来店した有名人の写真が何枚も貼ってあった。
我々のテーブルにもやってきて、流暢な日本語で話してくれた。
「これからどこへ行く?」と聞かれ
「まだ早いからコーヒーでも飲みに行く」と言ったら
「コーヒーならここで飲めはいい」と言って
『インスタント』のコーヒーをサービスしてくれた。
明洞の喫茶店の本格コーヒーは味わえなかったが
かなりおせっかいな、でも人情味のあるコーヒーを味わった。
朝からソウルの味覚を満喫した(しすぎた?)。
完全飽和状態の胃袋で焼肉屋を出たのは9時過ぎ。
この日は土曜日で明洞の夜はまだ始まったばかり。
とりあえず、もう食べることは出来ないので市内を散策した。
3月初旬なのにそれほど寒さは感じない。
行き着いた土産物屋(おみやげ天国)で大量に韓国海苔を買う。
店長さんも気さくだし、日本へ宅配してくれるのでありがたい。
重くはないけどかさばるのだよ、韓国海苔は。
ホテルにいったん戻って、また近くのサウナに行く。
垢すりを頼みたかったが、待ちが多くてあきらめた。
湯上りでコンビニに行き、ソジュを2本かってホテルへ。
ホテルでソジュを飲みながら、今日もソウルの夜は更けていった。
安国駅から仁寺洞キルをぶらついて鍾路3街へ。
『ユジン食堂』という常連客で賑わうジモティのお店を探す。
私事、お洒落な店より、たとえ小汚くても庶民派の店が好きなんだなぁ。
すんなりとは見つからなかった。
純粋ジモティ店だから看板に‘日本語’なんて書いてない。
だから店名の『유진』の文字を探す。
と言っても最初の1文字の「〇にπ」という記号化でしか認識できなかったけど…
なんとか店に着いたけど、土曜の夕刻だったから外でしばしの席待ち。
通された席は親子連れとの相席。(ほどなく親子は帰ったけど)
注文したのは
「フェネンミョン(エイの刺身入り冷麺)」と「ホンオムチム(エイ刺身の辛和え)」
同行の友人はシンプルな「冷麺」を注文していた。
「フェネンミョン」も「ホンオムチム」も辛そうだけどそれほど辛くない。
エイ刺身の鶏軟骨風のコリコリ感は初体験。
出されたタレを混ぜるとさらにマイルドになって食べやすかった。
願わくば夏に食べたい一品だ。
この店のよいところは、我々が日本人だとわかると
日本語が少しわかるお客を通訳代わりによこす。
そして、リンクしたHPをプリントアウトして持っていったものを見せたら
5000ウォンまけてくれた。
極めて庶民的。
ついでにお店の方と記念撮影もさせてもらった。
恰幅のいい男性は初代店主でした。
明洞も凄い人間の数だったけど、仁寺洞も凄い人だった。
この日は土曜日だったけど、いつもこうなんだろうか。
夜には焼肉屋で宴会があるから少しは腹を減らして臨みたい…
節制を要求する私の理性の頭越しに
屋台の‘匂い’や‘光景’は容赦なく五感に誘いをかける。
最初の何軒かはやり過ごしたが
「大判焼の小さいやつ」を売る屋台で、理性はあえなく沈没した。
「sweet custard bread」と英語表記されていたそれは10個で2000w。
おまけにメチャ美味い。
「仁寺洞名物傳統13年」とも書いてあった。
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理性という堤防が決壊すると、後は言い訳という洪水が流れ込む。
「歩けばお腹が空いてくるよ」 「食べるのはおやつだからたいしたこと無い」
最後には今まで存在を否定してきた別腹まで引っ張り出した。
「焼肉一食なんて別腹で入るよ」…もうそんなに若くないのに…
行列出来ている屋台を見つけると「行列の意味を知ることが必要」と並ぶ。
1個1000wの「ホットッ(シナモンの黒蜜入りパン)」を食べる。
まだ終わらない。
てんぷら屋台を見つけると「日韓の違いを探す必要がある」と立ち止まる。
指差しで、ソウルでは「ティギム」という、1本500wの串に刺したてんぷらを食べる。
日も落ちて、まもなく宴会の集合時間だというのに
私の胃袋はすでに満腹を迎えていた。
ソウルにはソウル5大宮と呼ばれる古宮がある。
「昌徳宮」、「宗廟」、「景福宮」、「徳寿宮」、「昌慶宮」の5つ。
どれも朝鮮李王朝ゆかりの宮殿や霊廟だ。
5年前には「昌徳宮」を日本語ガイドツアーで廻った。
結構、ためになる話を聞けた。
今回は「景福宮(キョンボックン)」を自由見学で廻った。
できれば日本語ガイドツアーに混ざりたかったけど
板門店からロッテホテルに帰ってきたのが3時で
2時40分からの日本語ガイドツアーに間に合わなかった。
【景福宮】
入場料3000ウォン。火曜休み。自由見学。
日本語ガイドツアー(無料)3回(10:00,12:30,14:30)
↑ 【日本語案内】 興礼門は光化門の次に構える景福宮の大門。
チケットを買って最初に潜る門だからこの門が景福宮の始りに思える。
↑ 【勤政門(クンジョンムン)・勤政殿(クンジョンジョン)③・勤政殿の王座】
景福宮の正殿で、王の即位式や外交行事を行った。
勤政殿の王座後の屏風に描かれた『日月五峰図』は新1万ウォンの絵柄になっている。
↑ 【修政殿(スジョンジョン)⑤】 修政殿じゃ宮殿内にある迅速な業務処理や
王との円滑な意思疎通のために作られた官庁舎。
慶会楼は池の中島にある楼閣で接待や宴会が行われた場所。
↑ 【康寧殿(カンニョンジョン)⑥】 王が生活していた建物。
その裏手には王妃がいた『交泰殿』がある。
古宮の屋根には厄除けの意味を持つ【雑像(チャプサン)】と呼ばれる像がある。
西遊記の登場人物(三蔵法師、孫悟空、猪八戒)などが使われていて、探すと面白い。
↑ 【乾清宮(コンチョングン)】 高宗とその妃の明成皇后(閔妃)が暮らした場所である。
1895年明成皇后が殺害された場所としても有名。
香遠亭は王室専用の休息空間。王と臣下が自然を愛でながら詩を作った場所。
地下鉄「支庁」駅から景福宮の「光化門」までの大通りを世宗路という。
この世宗路はメッチャ広い
もともと16車線の100m道路だったのを中央6車線分を潰して広場にした。
これが「光化門広場」
「李舜臣将軍像」や「世宗大王銅像」等のモニュメントも有名だ。
この日は何もイベントが無かったけど、開催時にはもっと賑わっている。
ちなみに
「李舜臣」は豊臣秀吉が朝鮮に攻め込んだ時の将軍で今は韓国の国民的英雄。
「世宗大王」は朝鮮王朝第4代の王様でハングルの創始者。