山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

消費税の軽減税率について(7)~混乱は覚悟の上?

2016-02-23 | 政治・経済・社会
 先日、ラジオで国会中継を聴いておりましたところ、麻生財務大臣が軽減税率の導入である程度の混乱は起きるだろうと答弁しておられました。元々財務大臣は軽減税率導入に反対していただけに、その馬鹿々々しさは十分にご承知のはずで、この率直な答弁には敬意を表します。その後、潰れる事業者云々といった失言もあったようですが・・・。

 税金は本来ならば国家が直接徴収すべきところですが、間接税という性質上、直接徴収することは不可能です。そこで消費税は事業者に徴収・納税義務を負わせております。つまり、一民間事業者が国家の肩代わりを行っているのです。それも無報酬で!
 今回の軽減税率で事業者は多くの対応を迫られます。POSレジやシステム改修など多くの費用が発生します。これに対しては補助金で対応するそうですが、これも費用の3/4とかで全額ではないようです。
一部政党のゴリ押しで、事業者に余計な負担をさせることになります。どう責任を取ってくれるのでしょうか。
 更には一時費用だけにはとどまらず、恒常的に労務負担が増加します。世の中生産性向上に躍起になっているのに、わざわざ生産性を低下させるようなことをなぜ行おうとするのか一度頭の中を覗いてみたいものです。
 これまでにも色々と不都合な点を指摘してきましたが、接客に大きく影響しそうな問題が提起されております。その最たるものが、販売時点での購入者の意思表示が持ち込まれることでしょう。外形的には同一の行為でも、購買時点での意思によって税率が異なる。そして、販売者はそれを一々確認することが要求される。こんないい加減なことが課税で許されるのか!
 当然のこととして種々クレームが発生するでしょう。これらがすべて事業者に転嫁され、販売の最前線が矢面に立たされるわけです。
 消費税の徴税代理をさせられるのですから、せめて手数料ぐらいは欲しいところなのに、負担増ばかり押し付けられたらたまったものではありません。
 もっとも、手数料を貰えたとすると強烈に批判されるでしょう。フランス革命の時、哀れ徴税請負人の多くはギロチンの露と消えたそうです。(参考:「消費税の軽減税率について (2)」)こんな目に遭いたくはないですよね。

 軽減税率は自民党内部においても反対論が多いと聞きます。側聞によれば選挙協力を人質に公明党のごり押しで無理やり認めさせたとされております。元々公明党主張は軽減税率ではなかったのでは?
公明党内に反対論などないのでしょうか。

 とにかく軽減税率は百害あって一利なしです。強く導入に反対します。