山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

「里山資本主義-日本経済は「安心の原理」で動く」

2015-01-26 | 本と雑誌
藻谷浩介・NHK広島取材班 「里山資本主義-日本経済は「安心の原理」で動く」 

 藻谷浩介氏の記事は、文藝春秋誌で時折拝見し、なるほどと思わされることが度々でした。そこで本書を入手しじっくりと読ませていただきました。

 私が佐賀県の山麓部で農業(兼業)をはじめて5年が経過しました。水田と畑、そして耕作放棄されたミカン山と杉・檜の山林を引き継いだは良いものの当初は正直言って持て余しものといった認識でした。

 50歳を過ぎ子供達もそれぞれ独立している現在、これからの人生をいかにして過ごすかを考えたとき、与えられた環境と折り合いをつけるというのもアリかなという思いもあり真剣に農業に取り組むようになりました。
農業を始め、様々なことに取り組んできて漠然と思い描いていたことが、まさに文字となって本書に凝縮されているのではないかと思います。

 例えば、「お金で買えるものは買えばいい、だがお金で買えんものも大事だ」「森や人間関係といったお金で買えない資産に、最新のテクノロジーを加えて活用することで、マネーだけが頼りの暮らしよりも、はるかに安心で安全で底堅い未来が出現するのだ。」といった珠玉の言葉がそこかしこに書き連ねてあります。そして現代の社会を全否定せずに「里山資本主義こそ、お金が機能しなくなっても水と食料と燃料を手にし続けるための、究極のバックアップシステムである。」と主張する何という奥床しさでしょうか。

 本書は、現代社会に生きる人の何方にとってもお奨めできるものと思います。

※ 「 」内の文章は、同書からの引用です。

 

どうでもよいことですが、2枚もカバーが掛かっているのははじめてでした。