



今回は5回の内、第5回目最終です。
健常時何の制限も無い活動から真逆の別世界に落ち込んだ訳であるが、
私は障害者になって思うことは健常時のままだったら
既存の枠を出て自分から別世界に対し「相手の悩みを聞き気持ちを和らげてあげる」ことは多分無かったと思う。
身体のどこか一つ不自由があるだけで他人への優しさ・思いやりが
これ程変わるものかということを肌身に感じ、
私自身が逆に助けられていることで受容・回復につながっていると思う。
趣味に助けられたスマート詩吟が同病者の活力の元になると信じ5年目に一歩進んだ「福祉吟詠」を立ち上げた。
「福祉吟詠」を次の様に定義し同病者数名で楽しんでいる。
定義をそのまま転記すると
「福祉吟詠とは自分の出来る範囲で、原作を出来るだけ理解し、作者の気持ちに出来るだけ溶け込み、
自分が感じたままの朗詠(朗読・吟詠)を通して、聴く人にその感動を与えることで、周りを豊かに・幸せにしようとするものです。」
となっています。
だから福祉吟詠では上手下手を問いません。
詩文、朗読そして吟詠に感情を込めた深みを大事にしたいと会員全員で共有しています。
健常時のイメージを常に持ち続けることによって「中小企業再生へのお手伝い」のテーマの実現もレールに乗せることが出来そうである。
発症から5年の一行日記を読み返すと、私は月日の経過と共に少しずつではあるが回復している。
6ケ月の壁は必ず越えられると思って行動してきた。今後もそのつもりである。
自分への戒めは
「健常時のイメージを描き両手両足で行動する」、「積極的に社会参加し全てを共有する」
そして「後遺症に負けそうになると自分を鼓舞する」である。
以上で5回連載した「5年目の脳卒中後遺症の受容と回復」は終了です。
ぜひ感想をお聞かせ下さい。
今回は5回の内、第4回目です。
詩吟大会は毎年2回開催されていたので2年目には一人で吟じる独吟に挑戦した。
舞台上での直立での吟は緊張はしてもそれ以上にこの場に立てた嬉しさが勝った。
私の心構えにしていた自分を鼓舞しながら
「みんな違ってみんな良い」という金子みすずのメッセージ「わたしと小鳥とすずと」を詠い終った際に
感無量の中で自然とお礼の言葉が出た。
詩吟が私を回復・受容に際しまさしく助けてくれていると思い、
詩吟に対し敬意を込め「スマートホン」つまり「賢い電話機」に倣い、
「賢い詩吟」ということで「スマート詩吟」と認識したことは新しい発見であった。
3年目には今回再編集しているこの短編エッセー原作「脳卒中後遺症の受容と回復」が
文芸社発行「闘病記Ⅳ」の中に掲載された。
http://www.bungeisha.co.jp/bookinfo/detail/978-4-286-14527-3.jsp
この感動を4年目には長編として文芸社から「スマート詩吟は面白い=趣味の詩吟が脳卒中後遺症を癒してくれた=」
として上梓することが出来た。
http://www.bungeisha.co.jp/bookinfo/detail/978-4-286-15064-2.jsp
どうぞ単行本をお手元にとってご覧ください。
ここで第4回は終わりです。次回最終回をお待ち下さい。