スマート詩吟は面白い

スマート詩吟及び福祉詩吟は私の造語です。それらの普及を図っていきたいと思います。

「あなたのそばに吟詠を」(連載第23回)

2020-07-31 21:00:00 | エッセー「あなたのそばに吟詠を」

昨日から続きます。

(4)送別吟

送別会もいろんな場面で遭遇するだろう。

これも模範吟があるので上記と同じ気持ちで対応すると良い。

下記の「送別の詩」は、別れの情の細やかさで特に有名な詩で、

後世、送別の宴に詠うのがならわしとなったとのことです。

  

送別の詩 王維

渭城の朝雨  

渭城の朝雨 軽塵を潤す 客舎青青 柳色新たなり

君に勧む 更に尽くせよ 一杯の酒

西の方 陽関を出ずれば 故人無からん

無からん無からん 故人無からん

西の方 陽関を出ずれば 故人無からん

注:「故人」とは「昔なじみ、友人」のことです。

来週に続きます。またお会いしましょう。

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「あなたのそばに吟詠を」(連載第22回)

2020-07-30 09:00:00 | エッセー「あなたのそばに吟詠を」

昨日からの続きです。

その他、お祝いの席としては叙勲もその一つです。

この様な席に座する機会は必ずあります。

普段から一吟練習しておきますと、

あなたの吟がその場をきっと華やかなものすることでしょう。

私が普段吟じている詩文は下記の通りです。

叙勲を祝す 緒方勉神

積歳の丹心 雪霜に耐え

燦然たる 錦上 叙勲の慶

満堂の賓客 芳醇の酒

君が栄光を寿ぎ 祝觴を挙げん

明日に続きます。

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「あなたのそばに吟詠を」(連載第21回)

2020-07-29 09:00:00 | エッセー「あなたのそばに吟詠を」

昨日からの続きです。

次にこの祝婚歌も結婚に際して吟じてあげたい一つである。

しかし少し全文が長く、かつ詩文の中味をじっくり味わって欲しいので

私はこの吟をDVDに収め、お祝いの一つとして差し上げることにした。

 

     祝婚歌   吉野弘               

二人が睦まじくいるためには 愚かでいるほうがいい      

立派すぎないほうがいい 立派すぎることは          

長持ちしないことだと 気付いているほうがいい

完璧をめざさないほうがいい 完璧なんて不自然なことだと 

うそぶいているほうがいい 二人のうちどちらかが 

ふざけているほうがいい ずっこけているほうがいい

互いに非難することがあっても 非難できる資格が

自分にあったかどうか あとで疑わしくなるほうがいい

正しいことを言うときは 少しひかえめにするほうがいい

正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだと 気付いているほうがいい

立派でありたいとか 正しくありたいとかいう

無理な緊張には色目を使わず ゆったりゆたかに 光を浴びているほうがいい

健康で風に吹かれながら 生きていることのなつかしさに

ふと 胸が熱くなる そんな日があってもいい

そして なぜ胸が熱くなるのか 黙っていても 二人にはわかるのであってほしい

明日に続きます。

 

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「あなたのそばに吟詠を」(連載第20回)

2020-07-28 09:00:00 | エッセー「あなたのそばに吟詠を」

先週から続きです。

(3)お祝い吟披露

お祝い吟には「入学・卒業」、「結婚」、「長寿」、「叙勲」等があるが、

模範吟が用意されているので、その場に相応しい詩文を準備しておくと良い。

そのような準備をしておくと突然指名された場合でも戸惑うことなく余裕持って対応できる。

『上手下手は関係ないのだ。その方を最高に祝福して上げれば良いのだ。』

という気持ちで吟じることである。

私が披露宴で吟じる詩吟の一例を示します。2分前後で吟じ終えるのであっという間です。

結婚祝いの詞   木村岳風             

良縁成立して神明に誓い  結び得たり偕老洞穴の盟 

親戚朋友心を込めて祝い  又祈る爽々隆々家運の栄を

相励まし相援けて苦楽を共にし 忘るる勿れ此の日此の時の情 

明日に続きます。

 

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「あなたのそばに吟詠を」(連載第19回)

2020-07-27 09:00:00 | エッセー「あなたのそばに吟詠を」

昨日からの続きです。

では、この七則を私の言葉で述べることにする。

①敬仰(卒業式で歌った『仰げば尊し』の気持ちですね。)

②栄誉(良い意味で『清水次郎長』の世界かな?

 晩年の咸臨丸事件と山岡鉄舟との交誼から、そんな風に覚えた。)

③謙虚(謙虚の語句で、私がすぐ思い浮かべるのは「イチロー選手」です。

 「常に己を鍛え」ともありますから同意頂けると思う。)

④文学立体化(日常余り使いませんが、演劇で文学立体化運動とあります。

 それと同じく使われるものと思いますが、

 作者の意を十分に汲み取って吟詠をしなければならない、と自覚しています。)

⑤研究(日常使用する「研究」と同じだが、絶えず吟心を研究して、

 人格の形成に努めよ、とあります。

 吟心とは難しいですが、その通りですね。)

⑥通暁(これも日常余り使いませんが、

要は範典の内容をすみからすみまで理解することを求められています。

指導者になると大変です。)

⑦垂範(これは解りますよね。

 自らも範を示し、他の方の手本になれということですから。

 原本では、「中和の美をもって指導に当たること」とあります。

 今はなんとなくしか解りませんが、いつも意識しておきましょう。)

来週に続きます。また来週お会いしましょう。

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