スマート詩吟は面白い

スマート詩吟及び福祉詩吟は私の造語です。それらの普及を図っていきたいと思います。

[散る日 金井直」横浜八聖殿で独吟(5回連載その5最終回)

2022-05-21 09:00:00 | 吟行

ウグイスぎんえい仲間で横浜市中区本牧の八聖殿への吟行シリーズも今回で最終回の5回目になりました。今回は八聖殿窓外の桜を見ながら吟じた私指方龍順の吟詠「散る日 金井直」をどうぞ。

散る日 金井直

桜の花が散る                              惜しげもなく 己を捨てる すばらしさ                 うれい顔が それを眺める                      いま見たときから 散りはじめたような はなやかさ           見ている あいだに 散り果ててしまいそうな 風情          こんなに 豊かな心が どこにあろう                  だれにも 見られないうちから 散っているのだ            そしてまた                              落花に酔った者たちが 去ったのちも                  最果に 向かって 散りつづけて いるのだ               散りつづけて いるのだ

「散る日 金井直」(横浜八聖殿でとの吟詠):「福祉吟詠は楽しい」

 

「散る日 金井直」(横浜八聖殿でとの吟詠):「福祉吟詠は楽しい」

 

 

八聖殿を後にして隣接している三渓園の散策をしました。横浜の住民になって長いので三渓園は何度も足を運んだ所でした。しかし三渓園に関する知識は殆ど無く、生糸貿易で財を成した原三渓の日本庭園、位なものでした。

今回の吟行は一味違いました。同行した廣岡幸吟さんは読書家で横浜歴史に詳しく、原三渓物語の抜粋と言って漢詩「大震災(仮題)」を見せてくれました。

大震災(仮題)                              山傾地裂火雲流                                                                               狼藉伏屍積若丘                                      ・今回中略・・                                        塊我非才任興復                                        宵宵前濁座更欄

氏は慶応生まれですから優に還暦を過ぎています。関東大震災後の横浜復興に尽力した氏の生き様にこの詩をきっかけに尊敬し、出展が「横浜王(永井沙耶子著)」と聞き、読み始めました。次回機会あればこの「大震災(仮題)原三渓」を吟じてみたいと思いました。

八聖殿吟行5回シリーズはこれで終わりです。次回は又新しく。

 

 

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「海を望む 藤井竹外」横浜八聖殿で独吟(5回連載その4)

2022-05-07 09:00:00 | 吟行

ウグイスぎんえい仲間で横浜市中区本牧の八聖殿への吟行シリーズも4回目になりました。八聖殿には八聖人の他、横浜の海の変遷、漁業の歴史、特に海苔の養殖についての展示が併設されています。長崎県大村湾で育った私は、横浜本牧が遠浅で豊かな漁場だったことにとても興味がありました。

では、今回は吟友久保萌照さんの吟詠「海を望む 藤井竹外」を紹介します。

海を望む 藤井竹外
鵬際晴開九萬天   
無人之島定何邊
追風狂浪如奔馬
忽触巉礁砕作煙

<詩の心>
はるか水平線、海と空がどこまでも遠い。無人島はどこにあろうか?
風を追い荒れ狂う波は、まるで奔馬の様。切り立った岩にぶつかり、    砕け散り、一瞬、煙の様である。

<久保萌照さんの選句から>                        安達漢城「太平洋」から思いを馳せたこの「海を望む」を聴いて下さい。    視線が遠から近へ、更に静から動へとダイナミックに展開されています。 色彩が、青い空と海、黒い岩、白い波と鮮やかに描かれています。この様な場面を思い頂き、萌照さんの迫力ある吟詠を下記いずれかの動画でお楽しみ下さい。

「海を望む 藤井竹外」(横浜八聖殿 吟行)

「海を望む 藤井竹外」(横浜八聖殿 吟行)
動画リンク
 
なお、私はR4.2.5「ブログ「風のこたろう」にリンクしました」の記事を公開しました。萌照さんはその作者です、是非訪問して下さい。         この1月18日記事には、「ウグイスぎんえい教室」が紹介されています。

風のこたろう - 2022年1月18日の記事一覧 (teacup.com)

今後とも両方のブログをご支援下さい。

 

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横浜八聖殿で「太平洋 安達漢城」合吟(5回連載その3)

2022-04-30 09:00:00 | 吟行

ウグイスぎんえい仲間で横浜市中区本牧の八聖殿での合吟を紹介します。

安達謙蔵(漢城、大正~昭和初期の代議士)氏の別荘で、氏は詩吟に造詣深く、   詩文「太平洋 安達漢城」を選んで合吟しました。

太平洋  安達漢城
日浪昇又波沈 海水洋々紫色多
鵬影不飛鯤躍   碧空万里白雲過

詩のこころ

空路十数時間で太平洋をひとっ飛びという現代と違って、作者が欧米視察をした大正年代は渡米するのに横浜からサンフランシスコまで2週間もかかる時代でした。その間開けても暮れても、見えるものは海ばかり。今日も太陽は波間から昇って、又波間に沈んでいく。太平洋の広さが実感として身にしみるようです。

ウグイスぎんえい吟友①大谷祥一、②久保萌照、③平原正城、④廣岡幸吟、⑤柳田泰水、そして⑥指方龍順の6名の合吟をどうぞ。

下記いずれかの動画でお楽しみ下さい。

 

横浜八聖殿で「太平洋 安達漢城」を合吟しました

横浜八聖殿で「太平洋 安達漢城」を合吟しました
動画リンク
 
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「川中島 頼山陽」横浜八聖殿で吟詠(5回連載その1)

2022-04-16 09:00:00 | 吟行

私たちは「福祉吟詠」の仲間です。

改めて『私が思っている福祉吟詠は、自分のできる範囲で、原作をできるだけ理解して、原作者の気持ちにできるだけ溶け込み、自分が感じたままの朗詠(朗読・吟詠)を通して、聴く人にその感動を与えることで、周りを豊かに・幸せにしようとするものですだから福祉吟詠では、上手下手を問いません。詩文、朗読そして吟詠に感情をこめた深みを、大事にしたいと思います。』・・・これが私の思いの「福祉吟詠」です。

その仲間6名で横浜市中区本牧にある八聖殿に吟行しました。

八聖殿は、昭和8年(1933年)に、大正から昭和初期に逓信大臣や内務大臣など歴任した熊本出身の政治家・安達謙蔵氏の別荘として建てられました。その姿は、法隆寺の夢殿を模して造られた正八角形の建物です。また、本牧岬の先端に建てられた八聖殿からは、美しい東京湾が眺められ、富士山や大山・丹沢、箱根の山々まで見渡すことが出来た、とあります。その本牧の海は遠浅で栄養分が高く、海苔の生育条件に適していて、明治末期から海苔の養殖が始まった、とお聞きしました。1階には横浜の海の歴史の変遷に関わる展示物がありました。

2階に八聖人の像が安置されています。詳細は別の機会に譲り、私たちは、往時を偲びつつ、館長さんのお許しを得て、それぞれ吟詠を楽しみました。たまたま八聖殿の見学にこられた方にも聴いて貰えて、嬉しいことでした。

今回の八聖殿記事を5回連載とする予定です。それぞれの吟詠を3,4分の動画に纏め公開しますので、どうぞお楽しみ下さい。                     先ずは柳田泰水さん、廣岡幸吟さんの合吟「川中島 頼山陽」から、どうぞ。

横浜八聖殿で合吟「川中島 頼山陽」

 
 
横浜八聖殿で合吟「川中島 頼山陽」(上記と同じ)
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