今夜は、隔月の水曜日に行っている、読書会です。
今月のテキストは、辻村深月作『家族シアター』です。
姉妹、姉弟、親子など、家族を描いた7編の短編集です。
どの短編も、どこにでもありそうな日常を描きながら、とても深いです。
そしてそれぞれの家族の関係が、切なくて、泣けて、そしておもしろい。
小川洋子や川上弘美が描く世界とは違い、ある意味とても私たちの感性に近いところを、微妙にすくいあげています。
でも小川洋子たちの作家的感性は、その高みを目指そうとしても、とうてい目指すことのできない世界を描き出しています。
その点、この辻村深月。
サスペンスではないのに、サスペンス的な匂いを感じさせながら物語を読ませていく力・・・。
それは、いまの文学や児童文学の多くの作品の傾向につながる大衆性でもあると思いました。
(その大衆性については、Facebookで)
すごく人間観察の深い、作りの上手い作家です。