20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
毎日更新。児童文学情報・日々の暮らし・超高層からの眺望などニュース満載。

秋田からのお願い

2008年10月31日 | Weblog
日本児童文学者協会の「児童文学学校」の卒業生で秋田にお住まいのOさんと、その友人のあんこさんから下記のメールを頂きました。
この秋田の「子ども図書館」といい、大阪の「国際児童文学館」といい、まさに児童文学にとって大変な時代です。
どうぞたくさんの皆さまの応援をお願いいたします。


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10月26日。
ある図書館が28年の歴史に幕を下ろしました。

1980年、JR秋田駅前の イトーヨーカドー店内に開館した「子ども図書館」。
絵本や童話、図鑑など約9500冊を蔵書している、 児童書専門の図書館です。

ここ数年は人口の減少もあり、 利用者の数は減っていましたが、
閉館の知らせを聞いた親子からは、 存続を願う声が多数寄せられています。

7年間、同館で司書を務めてきた女性。
毎日「えほんのじかん」になると読み聞かせを行い、 たくさんの子どもたちに愛されてきた笑顔の素敵な方です。
公共の図書館と違って、他の利用者に迷惑がかからなければ、 大声で本を読んでも、でんぐり返しをしても、 係員の方が注意することはありません。
ここでは子どもが主役なのです。

「子ども同士、親同士が自然に会話をして、 いつの間にか友だちになってる。
 ここはコミュニティサロンのようなもの。
 子どもたちの心の成長のためにも、読書は大事。
 小さい頃に楽しい思い出を作った子は、必ず強くなれるから」

司書さんはこんなふうに思いを語ってくれました。
私もこの意見に同感です。
読書の大切さもさることながら、 このような貴重な場が失われるという事実がとても悲しい…。

図書館は一時閉館することになりましたが、 現在、司書も含めた図書館全体の受け入れ先を探し、 さまざまな活動が展開されています。
利用者のママさんによるブログも立ち上げられました。

秋田 子ども図書館 がんばれブログ
http://blog.goo.ne.jp/turumama

一日も早い再出発を、 秋田に住む多くの親子が心から願っています。
もしもこの記事をご覧になっている方で、 何らかの形でご支援をいただけるようでしたら、
ぜひ上記のブログに書き込みをお願い致します。
微力ながら私も引き続き応援したいと思います。
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代々木界隈

2008年10月30日 | Weblog
 今日は児童文学者協会の親しい作家の友人の皆さん5人で、代々木界隈で遊んできました。
 遊びの企画を立てて下さったのは、ムーンさん。
 彼女がネットで見つけてくださったフレンチレストランでおしゃべりしながらランチに舌鼓を打ちました。リーズナブルでとってもおいしかったです。
 ランチのあとはみんなで、彼女のお知り合いのイラストレーター・清須史門さんの個展にお邪魔してきました。
 ギャラリーに入ると、個性的なイラストが壁面にずらっと飾ってあります。若さというのは、びっくりするようなしなやかで、おもしろい構図を生み出すものです。
 
 ギャラリーを出て代々木界隈を歩いていたら、ふと、代々木にお住いの友人のTさんのことを思い出しました。
 すっかりご無沙汰してしまっていますが、お元気でしょうか。
 
 ドコモビルの横をあるき、新宿駅南口方面まで歩き、サザンテラスの紀伊國屋をのぞき、スタバのテラスでお茶。
 楽しいおしゃべりに花が咲き、時間はあっという間に過ぎ、気がついたら空はすみれいろ。
 ほんとに楽しい一日でした。
 また、やりましょうね。モンブランさん、ムーンさん。
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『やぶ坂に吹く風』(高橋秀雄著・小峰書店刊)

2008年10月29日 | Weblog
 古くからの友人である作家の高橋秀雄さんから新刊をご恵贈いただきました。
 この『やぶ坂に吹く風』は、前作『とうちゃん』の続編で、1950年代の栃木を舞台に書かれた物語です。
 映画「三丁目の夕日」に代表されるように、昭和ブームなどと言われていますが、この作品はそんな安っぽいカテゴリーでは括れない、いえ、そんなものをまるでねじ伏せるかのように「あの時代」を、「あの時代を生きる人間」を掴み取っています。
『やぶ坂に吹く風』を読んでいると、文章から人間たちの息づかいが立ち上がってきます。貧しさやひもじさに立ち向かう人びとの明るさと力強さが、まるで生身の人間がそこにいるように、細部のひとつひとつからすざましいリアリティで迫ってきます。
 作家というのはある意味、人間を見つめる観察者であるのかもしれません。
 
 文藝評論家の斉藤美奈子さんが、朝日新聞の「文芸批評欄」にこんなことを書いています。

 こうしてみると、小説におけるリアルって何だろうという疑問に改めてぶち当たる。「こんな小説を書いちゃおーっと」くらいのノリでできた小説。だけどそのノリが、いまのリアルなのである。「本当の私」なんてどこにもいない、それが現代のリアルなんだから。

 斎藤美奈子さんは、日ごろ私も注目している評論家です。現代という時代を読み解く、的確かつおもしろい評論を論じているからです。
 ですから彼女のこの論も、ある意味とてもよくわかります。
 一筋縄ではいかない「今を生きる人間」の内面を描く困難さを前に。
「リアル」って何だろう。
 これはまさに、現代のブンガクの闇のひとつなのかもしれません。
 リアルであるがゆえに、一直線に人間を描かず敢えてそらして書く。
 これも、「いまのリアル」を描くための手法のひとつかもしれません。
 クドカンのドラマなどを見ていると。

 けれど、この『やぶ坂に吹く風』の主人公の良夫と、義父、祖母、母の関係を読んでいると、「リアル」というのは、こういった繊細さ。日々の困難さのなかで、他者をどれだけ意識して、こだわり、繊細に思う気持ちを描くことなのではないかと思わされてきます。
 そしてこの作品は、いまに通じるそういった関係の繊細さをきちんと描いていて、それが「リアル」になっているのです。
 小手先の手法など蹴散らすほどのリアリティで。
 家族や他者を見る視点の確かさで。

 皆さん、どうぞお読みになってください。

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企画書作り

2008年10月28日 | Weblog
 作家になって30年近い年月がたつというのに、私はいまだかつて、自分の作品の企画書なるものを作ったことがありません。
 企画書というのは、ノンフィクションの作家が、これから取材やなにやらをするために、出版社に提出するものとばかり思っていました。
 フィクションの作家も取材はしますが、これはあくまでも個人的作業であり、わざわざ出版社に提出するまでもなく、困ったときだけ編集者にSOS を出して協力してもらうという形でやってきたので、企画書作りのイメージが湧かないのです。
「企画書作りを教えてやる」
 と言っていたKさんからは、まだその虎の巻が届いておりません。
 
 ところが必要に迫られて、いま、その企画書と格闘しています。
 自分の作品のではありませんが。
 作家のMさんが原型を作ってくださって、それに私の考えをのせていくだけの作業です。
 ですが、これが難しい。
 とにかく経験がないので、「こんな茫洋とした内容でいいのかしら?」とか「ある程度具体的なイメージをださないとわからないのじゃないかしら?」とか・・・。
 考え始めると、おおまかなストーリーとキャラクターを作り込みたくなってしまいます。
 テキストエディットでいただいたたたき台をワードにのせて、そこにあれこれ書き込んでは削除して、また書き込んでは削除。
 朝からずっと、そんなことのくり返しです。
 でもいっこうに山も森も木も自分のなかでイメージできません。
 
 Mさんの作ってくださった企画書のたたき台は、さすが人気実力ともに備えた売れっ子作家。ぐっと目をひきます。言わんとする雰囲気をまるっと掴んでいらっしゃいます。
 その中に具体性のあるアイディアを盛り込むのが、きっと私の役割なのではと感じている、それがいけないのかもしれません。
 と、いうことはMさんの企画書のままでいい?

 ああ、企画書の作り方。
 Kさん、早くマニュアルを送ってくださ~い!
 
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『ゆうきメガネ』(赤羽じゅんこ著 あかね書房刊)

2008年10月27日 | Weblog
 なかよしの作家、赤羽じゅんこさんの新刊のご紹介です。
 この『ゆうきメガネ』は『わらいボール』に次ぐ、「ゆうやと、らくがきにんじゃ」シリーズの二作目です。
 前作では一年生の「ゆうや」が「らくがきにんじゃ」に頼まれて「わらいごえ」を集めるお話でした。
 楽しそうなわらいごえをきくと、人間はつい、つられて笑ってしまうものです。
 そして、どうやらそのわらいごえには、いろいろないろがあるようです。
 恥ずかしそうにわらう、やわらかなさくらいろのわらいボール。
 元気いっぱいのオレンジいろのわらいボール。
 さて、「ゆうや」から「らくがきにんじゃ」が受け取ったボールは。なにいろだったでしょうか?
 
 そして二作目。今回の作品は「ゆうき」を見つけ出すメガネを、にんじゃからあずかるおはなしです。
 ほんとうの勇気というのはいったい、どんなものなのでしょう。

 作家・赤羽じゅんこさんは、内なる子どもの視点をそなえた作家だとしみじみ思います。
 小学校低学年の子どもが、どんな視点で日常を見つめ、どんな視点で自分や友だちを見つめていくのか。それをたのしい仕掛け満載で、物語として提示してくれているのですから。
 この「子どもの視点の獲得」を拝見するにつけ、彼女の、子どもの本の作家としての豊かな資質を垣間見せていただく思いがします。
 理屈ではなく、もっと皮膚感覚に近いところでの、子どもの感性。
 こういったものを、どうやら赤羽じゅんこさんは資質として兼ね備えていらっしゃるようです。
 そこに作者の、登場人物を思いきりデフォルメさせ、おもしろく意外なキャラクターを作り上げるというサービス精神が随所に散りばめられ、発揮されているのですから、おもしろくないはずがありません。
 ぜひお読みになってください。 

 そしてもう一つ、お知らせです。
 赤羽じゅんこさんたちでお作りになっている『ももたろう』の同人誌29号が発刊されました。
 力のある作家の揃った『ももたろう』もぜひご覧になってください。
 HPはこちら↓
 http://ww5d.biglobe.ne.jp/^d-momo/
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ぽかんとした夕暮れどき。

2008年10月26日 | Weblog
 午後、娘夫婦と○くんが自宅へ帰り、またいつもの日常がもどってきました。
 賑やかだったリビングが、がらんとしていて、ぽかんとした休日の夕暮れどきです。

 気分を変え、お買い物がてら近くの本屋さんで来月の「Be-子どもと本」のテキストである『告白』(湊かなえ著・双葉社刊)を買ってきました。
 図書館で予約を入れようとしたら、なんと560人待ち。
 諦めて買ってしまったというわけです。

 この本は土曜の朝、9時半からはじまるTBSの「王様のブランチ」の本のコーナーで筑摩書房の松田哲夫さんお薦めの一冊です。
 彼がこのコーナーで「チョイス」した本は必ずといっていいくらい売れます。
「てっちゃん」恐るべし、です。
 そういえばしばらく前、地下鉄「明治神宮前」駅付近で彼をお見かけしました。
 ひとりでつまらなそうに、下を向いて地下道を歩いていました。
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お宮参り

2008年10月25日 | Weblog
 今日は富岡八幡宮でお宮参りでした。
 娘夫婦と赤ちゃん。彼のご両親と私たち夫婦。
 いつもと違う様子にちょっと緊張した顔つきの赤ちゃん(○くん)を、みんなで囲み、「健やかに育ちますように」と、神主さんに祝詞をあげていただきました。
 あちらのおかあさまに抱かれた○くんは、鷹と鶴のお祝い着を着ておすまししていました。
 晴れオンナの娘が「生まれた日も雨。退院の日も雨。天気予報では数日前までお宮参りの日も雨だと言ってたので、すっかり雨オトコかと思っていたのに、雨じゃなかったわね。・・・雨オトコ返上!」と、高い空に、ぐんと○くんを抱き上げました。
 
 お宮参りが済んで全員で記念写真を撮って、そのまま彼のご両親もご一緒に我が家にお越しいただき、朝から慌ただしく用意しておいた和食で、お祝い膳を囲みました。

 明日の日曜日は、娘の家族がいよいよ自分たちの家に帰る日です。
 母子ともに一ヶ月検診も終え元気にご帰還で、ほっと一安心です。
 八月の終わりから、二ヶ月あまり。
 とても楽しいひとときでした。
 ○くんが生まれてからは、生活の中心がすべて○くんのためになり、なおのこと、忙しく賑やかで楽しい日々でした。
 帰ってしまったあとは、きっとさびしくなるでしょう。
 
 月曜日からは、またいつのも日常がもどってきます。
 保留にしてあるいろいろや、原稿などに追いこまれる日々が、しばらくは続きそうです。
 
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北句会

2008年10月24日 | Weblog
 今月から「北句会」の句会の会場が変わりました。
 いままでは飯田橋でしたが、昨晩からは高田馬場。
 馬場にある専門学校をお借りし、毎年日本児童文学者協会では「児童文学学校」なる講座を、もうかれこれ40年近く開校しています。
 私も20年近く講座の運営に関わってきましたので、とても馴染みのある場所です。
 
 さて北句会です。
 10月の兼題は「星」。他に自由詠2句
 では入選作のご紹介をいたしましょう。
 空々さんは、なんと「天」ふたつ。
 静謐で、美しく、とても文学的な俳句が出揃いました。

天(一等賞)
・星くずの一夜に降りし金木犀(きんもくせい)  空々
・おだやかな孤独という日鰯雲          空々

地(二等賞)
・星ひとつ億光年の手紙なる           悠久

人(三等賞)
・星月夜少し冷たき指とゆび           高笑
・酔う程に友の手握り語る秋          満月
・そぞろ寒まだ冷酒の余裕あり          海恋
 
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今夜は句会。

2008年10月23日 | Weblog
 今日は夜、句会です。
 日ごろ、いろいろに追われていて、なかなかじっくり俳句を作る精神的余裕がなく、近頃はいつも句会の日に付け焼き刃で作っています。
 そんなことでいい俳句などができるはずありません。
 句友のすばらしい俳句を目に前にするたびに、来月こそは!と決意するのですが、実行した試しがありません。
 でも、来月こそ!
 いまから、ここで宣言しておきましょう。

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「仙台 おさんぽかるた」(おさんぽ屋発行)

2008年10月22日 | Weblog
 仙台にお住いの児童文学作家、佐々木ひとみさんから「仙台 おさんぽかるた」(てくてく歩きを 楽しもう)をご恵贈いただきました。
 彼女はその読み札をお書きになっていらっしゃるのです。
 仙台の「おさんぽマップ」つきのを。
 佐々木ひとみさんは「新童話の海」(ポプラ社・日本児童文学者協会)に入選され、来年にはご本が出版される期待の作家です。そのご本の出版も心待ちしているところです。
 
 それでは読み札を2~3、ご紹介いたしましょう。

 青竹に 七つ飾りの 仙台七夕
 枝豆の 香り豊かな ずんだ餅
 ぬくもりに とぷんとひたる 秋保温泉

 どうですか。「仙台」が目の前に立ち上がってきませんか?
 カルタの絵も、さながら仙台駄菓子を彷彿とさせるような、とても郷愁を感じる味わいのある絵です。

 
 ちなみに、いまカルタがブームなのでしょうか。
 子どもの本・九条の会でも「9ゾウくん平和カルタ」をみんなで作ろう!という応募の呼びかけがはじまっています。
 「あ」~「ん」までの読み札を募集しているのです。
 詳細をお知りになりたい方は、メールでこちらまで。
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