ABRF社長の本間さんが井上尚子さんをご紹介下さいました。現代美術の作家でニューヨークから帰って来られ、ニューヨークでは荒川・ギンズさんと次の企画の打合せ等のミーティングをして来られたそうです。井上さんは美術雑誌「創造のさなか」にていさいされた彼女の作品を見せて下さいました。茶室を想像的に表現したその空間を氷河の中に閉じ込め、天井から降りてくるオレンジ色の香りが時空を超え、私の体に巻きついて来る感覚を覚え甘美な気持ちになる作品でした。彼女の名刺のオレンジのコップの中の人間は、「;コップの中に入ったら水と融合出来るか、自分の位置、呼吸、重力、作品に香りを使いアロマセラピーのヒーリング効果で、視覚、嗅覚に訴え、睡眠、精神効果を上げ心が落ち着く」と、 オレンジの香りが彼女の特徴となっています。香り効果付きのオブジェは、始めての経験でした。先日オーストラリアから反転住宅に来られたジョンりー氏が音楽を、井上さんが香り、倉富のストレッチでジョィントし、ニューヨークの反転住宅でやることを荒川・ギンズさんが提案されていると聞きました。ヒーリングを体験していただきました。彼女は、「涙がでました。今なんとも言えない不思議な感覚です、こんな経験始めてです」と言われお帰りになりました。アーティストの感性はスゴイ!です。
倉富ー「相手の痛みを我がことと感じるには、本人自身に、大きな傷を負った経験があった方がいいのです。当然その傷は癒えていなければなりませんが、一人の人間が一生で味わうであろう、あらゆる困難辛苦と悲しみを経験し、それを乗り超えてきた人が、ヒーラー、セラピストには最適だと思います。他人を癒すには、何よりも母性的なものが求められますから、ヒーラー、セラピストには女性が向いています。男性でも女性的要素を持っている人、それもある程度年齢がいっていて、少なくとも結婚、離婚の経験があって、近親者の大病、死を経験して、なおかつ本人が臨死体験している人が一番いいと思います。そこまでの体験をし、それを克服した人なら、他人の痛みも我がこととして共感できるからです」竹村―「まさに倉富さんは、ヒーラーの条件にピッタリじゃないですか」
塩沼亮潤(38歳)・板橋興宗(80歳)、の対談集です。感動の中で一挙に読みました。千日回峰行は10年位の月日をかけて、1年で120日歩いて、9年がかりで千日歩いて行をします。午後11時25分に起床、それから滝行摂氏3℃位の気温で身を清め、階段を500段登ったところで、小さいおにぎりを二つ食べながら着替えをし、鈴懸を身につけて山伏の姿になります。48キロを夜中の零時半から午後3時半まで、15時間かけて大峯の山中を歩く睡眠時間4,5時間、残りの時間で次の日の出発準備、次の日の準備、掃除、洗濯、身の回りの事全て、行者は自分でやります。そんな具合ですので、常に栄養失調状態で、行が始まって、-ヵ月ぐらいすると爪がボロボロに割れてきます、3ヶ月目には、血尿が出たりします途中で行を止めるようなことがあったら、腰に巻いてある紐で首を吊るか、腰にさしてある短刀で腹を切るかという定めの行です。1999年9月16日、読売新聞、朝日新聞で千日回峰行満行の記事を読んで、素晴らしい青年僧がいるなと思って、大変感激された板橋興宗曹洞宗住職が、塩沼阿じゃ梨に面会を申し込まれた事でこの本が刊行されました。続く
竹村―「倉富さんは、誰もがヒーラーになれる可能性を秘めているというが、やはり向き不向きはあるしょう」倉富―「人は誰でも、一生に一度は神秘体験するといわれます。ただし神秘体験には、自己のアイディンティティが崩壊するような恐怖が伴いますから、一度体験するとその後は、「自己防衛本能」が働いて、次なる神秘体験を拒否してしまうのです。それだけに、二度三度と神秘体験をする人は少なくなってしまいます。人の心と身体を癒せるヒーラーになり得るのは、神秘体験時に於ける恐怖を克服し、人に出来ない体験を積み重ねる事で、潜在的に持てる自己の能力を増幅させられる人だといっていいでしよう。心理療法の原点は自分の傷で人を癒すところにあります。相手の苦しみに共感できて、初めて癒すことが出来るのです。その共感が「愛」と呼ばれるものです」