柔道つながり ~からみつく大外刈~

柔道を通じてたくさんの人と出会い、成長できました。
柔道に興味のある人も、無い人も、コミュニケーションしましょう!

神の子の死

2018年09月22日 | 想い
前回は「強さ」についての想いを書きました。

「本当の強さって何なんやろうな〜?」と改めて考えていたら、総合格闘家の山本KID徳郁選手がガンで亡くなったとのニュース。

まだ41歳という若さでした。

個人的には、KIDが若い時、ノックアウトした相手に対してレフェリーが止めるにもかかわらず舌を出して何度も殴り続けた試合を見たことがあって、狂気を感じるくらいのファイターでしたが、年齢を重ねるにつれて穏やかになり、その中に誰にも寄せ付けない怖さを持った雰囲気に変化していったという印象を持っています。
本当に本当に強い選手でした。相手の技を見切る勘と反射神経はNo.1でした。

30代に入ってからは怪我に悩まされ、かつてほどの輝きは取り戻せませんでしたが、僕は勝てなくなってからの方が何故か魅力的に感じました。
前十字靱帯を切ると、自分もそうだったのですが、体重の掛かり方や筋肉の硬さが変化して、微妙に身体のバランスが崩れて大きな影響が出ます。自分と同じ怪我で悩まされているという事も親近感を覚える要因だったのかなと思います。

ニュース記事からの知識ですが、彼はレスリング日本代表を目指したが挫折して、プロ格闘家を目指すも最初はうまくいかず、お金も尽きて、極貧生活の中でとことん追い込んだ時期があったとか。

そうした苦しい時期を抜け出し、実力を開花させて一気にブレイク。

名シーン動画がYouTubeにあがってました。

いや、本当に強かった。

応援していた須藤元気選手との闘い、凄かった。

K-1王者の魔裟斗選手との闘い、勝ったと思ったけどなぁ。

コンテンダーズで柔道家の小室選手と闘った試合もハイレベルな動きが見られて、とても興奮したのを覚えています。

彗星のように現れ、神の子と言われた山本KID徳郁選手のご冥福をお祈りします。



さて、テストが近付いて来ました。

三連休の1日目だけ早朝練習を行いました。ユーシン(1年)の背負投の形も少しずつ良くなってきて、体力も付いてきました。全力で打込100本できるようになったので、次のステップへ移りましょう。
課題である寝技に関しては、まだまだこれから沢山乗り越えてもらわないといけないので、頑張ってもらいます。


部員1人でここまでやれる君は強い!

11月の大会まで、ベストを尽くして行きましょう。

強さへの憧れ

2018年09月16日 | 想い
社会人になってから、「強さへの執着は物凄いです」とある後輩に言われたことがありました。

自分では気付いてなかったけど、そう言われると、人よりも強くなりたい!という気持ちが強く、強さへの憧れがあったなぁと思います。


そんな自分が中学生の頃に読んだ本の中で、最も衝撃を受けたのが、木村政彦先生の『我が柔道』という自伝です。

読んでみての感想は、とりあえず強い。
ほとんど負けないんです。

そして、体から精神、思考、生活、食事、豪快さ…生物としてのスケールが違うんです。

何を取っても尋常ではない木村政彦ワールドに、中学生だった僕は頭をガツンと殴られたくらいの衝撃を受け、感激したのを覚えています。

そして、随所に妙に笑ってしまうというか、凄いなと感心するセンスの話が盛り込まれているのがポイントでした。

仲がよかったヤクザとの交流を開けっぴろげに描いているかと思いきや、個人名まで出したそのヤクザを「ダニのような」と書いてみたり、大学での寮生活で味噌汁にウ○コを混ぜて食べてみたり(そして自分でも食べてみて凄い味がしたと書いてある!)、一度乱取りで膝をつかされたことが悔しくて、包丁を持って相手の家の前まで行ったが思いとどまったり、稽古の時間を1日9時間にして、夜はウサギ跳びと腕立て1000回と木への打ち込み1000回のトレーニングを毎日行ったり、フランスではホテルの窓際にとまっていた鳩を鷲掴みにして圧殺し、コックに料理させたり…

ちょっと自分の常識を超えた世界にいる人なんだなと、畏怖の気持ちを覚えたわけです。


しかし、柔道界を離れた37歳の時、一斉を風靡したプロレスラー・力道山との闘いでは、引き分けにするという約束を本番で破られた上、完膚なきまでに叩きのめされ(YouTubeにも動画があがっています)、死ぬまで複雑な思いを持ちながら75歳で亡くなったのです。

木村政彦最強論を信奉する北海道大学柔道部出身の作家・増田俊也が、15年以上の取材を行い、木村政彦の強さを客観的な視点から分析してまとめ上げた渾身の作品が、『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』です。

増田先生は、木村政彦先生の勝ちを裏付けるため、様々な角度から裏を取ってその強さを測定していきます。しかし、一方で力道山の強さも冷静に測っていく上で、自分の中で木村政彦の方が強かったという確信を持てなくなっていくのです。

この過程を見ていると、本当にキツい部分もあるのですが、木村と力道山を取り巻く様々な武人、政治家、女性との相関関係がとても面白く、歴史を感じさせてくれます。
もはや武道の歴史だけでなく、昭和史や日系移民史、社会史の要素も入り、壮大なスケールで木村政彦を取り巻く動きを描いていくのです。

そして、『木村政彦外伝』はそれを補足する内容となっており、一見違う分野の話かと思いきや、全てが木村政彦に繋がっていく内容となっています。




本当の強さとは何なのか?

考えさせられる2冊でした。

土曜の稽古

2018年09月01日 | 柔道
9時より高校で行いました。

部員1人と膝が怖い僕とでどんな稽古ができることができるのか?

本当に試合で勝てるように持っていけるのか?

この夏は色々と悩みましたが…



ユーシン(1年)は黙々とやり遂げます。

この夏を超えて、体力も劇的に付いてきました。ここに来るまで本当に苦しかったと思うけど、ひとつ山を越えたような感覚で受けとめています。

稽古の内容はというと、まずは崩しをイメージさせた1人打ち込みを何度も何度も反復させ、その後はずーっと2人で研究と打ち込みの繰り返し。相四つ、ケンカ四つ、背の高い相手、背の低い相手、奥襟狙い、前襟狙い…

自分が考えられる全てのイメージを使って、対応策を練っていく感じ。

立ち技の後は、寝技の反復。

、三角、逆三角、腕ひしぎ逆十字などの反復をして、あとは僕と時間無制限の乱取り。

投げ込み(投げた後は抑え込むか関節に移行)が終わると、柔道の試合の特性を考えたサーキット・トレーニング。



こんな感じです。

時々、イヴァルや社会人の先輩が稽古に来てくれ、稽古をつけてくれます。本当に有難い。

ベストを尽くし、冬の試合に向けて力を蓄えていこう!



そして、今日は関西学生体重別選手権です。今年は行けないけど、OB達の奮闘を願ってます。
特に最後の4回生は、悔いのない試合を。

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