以前にも紹介したかもしれませんが、『きっと、うまくいく』というインド映画が大好きです。
インド屈指のエリート大学が舞台で、主人公の大学生3人が織りなす物語。
学長はじめ、ここに通う学生たちの多くは、少しでも良い成績を取り、少しでも良い就職先を手に入れることが人生最大の幸福という価値観を持っています。しかし、主人公はその価値観に対して真っ向から立ち向かいます。大きな勢力や大きな権力に対して、自分の信じる価値観を守るために最大の努力を実行します。
隣の人を蹴落として自分だけ上がるのではなくて、自分が本当に興味のあること、やりたいことをやるべきだと。そうすると、自然と周りに仲間は増えてくる。
インド中から集まるエリート集団の中ではかなり異質な存在で、学長はじめ色んな人から睨まれ、潰されそうになりますが、主人公とおバカな友人2人の奮闘により、最後は学長から認められる。
インド映画お約束のダンスパフォーマンスやお笑い要素も強いですが、とても強いメッセージが込められていることに気付きます。
また、インドの大学生自殺率の高さや、就職活動のシビアな裏側、地方における貧富の差のディテールなど、シリアスな描写もあり、インドという国の抱える問題についても考えさせられる内容となっています。
社会的地位やお金は、人が生きていく上でとても大切です。
しかし、それに捉われすぎると本質を見失ってしまう。自分の心に反することに従事せねばならくなる。
自分が望むからこそやり遂げられる。
そんな作り手の想いが伝わってくる映画です。
「きっと、うまくいく」
主人公がピンチに陥った時、自分に暗示を掛けるかのように呟く言葉です。
もちろん映画とは違い、現実はうまくいかないことも多いです。
しかし、現状を分析して、自分の心に従って最大限の準備をする。その中で苦しい状況や予想外のアクシデント的な事件が起きた時、この言葉は意味を持ってくると思います。