映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『ラスト、コーション』

2008年02月05日 | Weblog
ふつう

アン・リー 監督
トニー・レオン、タン・ウェイ、ワン・リーホン、ジョアン・チェン、トゥオ・ツォンホァ、チュウ・チーイン、チン・ガーロウ、クー・ユールン、ガオ・インシュアン、ジョンソン・イェン 出演

日本軍占領下の1942年の上海。傀儡政府のスパイのトップであるイーは、かつて香港で出会った女性ワンと再会する。数年前、香港大学の学生だったワンは、抗日に燃える演劇仲間たちとイーの暗殺計画に加わっていた。その時、イーが突然上海に帰ったことで計画は流れたが、レジスタンス活動を行う組織は、上海に戻っていたワンに再びイーの暗殺計画への協力を求める。ワンはイーに近づき、彼の愛人になることに成功。やがて二人は……。

歴史ものの威を借る恋愛もの。

lustを辞書で引くと、
1 (…への)性欲, 肉欲, 情欲((for, of ...));《聖・神》欲, 煩悩
2 (権勢などへの)渇望, 切望((for, after ...))
とある。

ついでにcautionを引くと、
1 [U]注意, 用心, 警戒, 慎重さ
2 [U][C]((英))(公式の)警告, 戒告. ▼warningより弱い
3 ((通例a ~))((米南部))((古風))びっくり[楽しく, 不安に]させるような人[物], 風変わりな人[物], 注意人物.
とある。

ともに1の意味でいいと思うが、情欲も警戒もたいしたものではない。

感心したのは、主人公ふたりの最初のベッドシーン。
乱暴にチャイナドレスを引き裂き、ベッドに押し倒す。おもむろにベルトをはずし、女を後ろ手に縛る。が、すぐに解き放つのだ。
つまりこれは、男の趣味を表しているのではなく(笑)、男がズボンとパンツをおろすというスキのできる時間を防御したということなのだ。ここは男の警戒がよく出ている。

ママゴトの学生抗日運動のシーンをもう少し短くすれば、印象はもっとよくなっただろう。

撮影・美術はよい。

この監督の作品をいくつか観たが、どうも好みに合わないようである。