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第1,129話 「三五館シンシャの日記シリーズ」が興味深い

2022年08月17日 | キャリア

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「何歳まで働くのか」、近年注目されることの多いキーワードだと思います。年金の受給開始年齢や保有している財産の有無、さらには健康状態や社会のニーズなど様々なことが関係しますので、必ずしも本人の希望どおりにはいかないとは思います。内閣府の令和2(2020)年度の調査でも、60歳以上の人の9割近くが70歳以上まで働きたいと考えているとのことです。

このように高齢者の労働について注目されることが多い近年ですが、私がここ数年、興味を持って読んでいるのが、三五館シンシャの「職業日記シリーズ」です。読んだことがあるという方も多いと思いますが、この日記シリーズは中高年(高齢者が中心)の働く日々のドキュメンタリーです。既に11冊が出版されていますが、交通誘導員、派遣添乗員、メーター検針員に始まり、ディズニーキャスト、そしてコールセンターと続き、最新版は住宅営業マンに関する内容です。私はたまたま最初に出版された交通誘導員の日記について、新聞広告で知ったことがきっかけで読み始め、その後は新しいものが出るたびに必ず読んでいます。

このシリーズが面白いのは、我々が生活していく中で接点はあるものの、知り合いなどに勤めている人がいない限り、なかなかその実情を知りえない職業について、著者のリアルな体験を通して知ることができることだと考えています。

また、それぞれその職業に就くまでの経緯は著者自身の希望とは異なり、様々な事情からいたし方なく就いたケースがほとんどであり、さらに肉体的・精神的にも大変なのにもかかわらず、その多くは低賃金なのです。しかし、それぞれの著者は、顧客から怒鳴られたりクレームに対応に奔走したりする中で、まれに感謝されることもあり、そうした時々に小さなやりがいを感じながら、明日へのモチベーションにつなげて仕事に励んでおり、読者である私たちはそうした姿に共感するのだと思うのです。

「職業日記シリーズ」を発行している、三五館シンシャの代表取締役 中野長武氏によると、「このシリーズは、すべて著者の持ち込みの企画であり、仕事のハッピーな側面だけを描くものではありません。私生活の痛みも、全てをさらけ出す覚悟が決まっているかどうか。それがコンセプトであり、著者に求める“条件”です」(DAIMOND online)とのことです。

このシリーズを読むたびに、「あの職業の内情はこうなんだ」、「いずれの職業も大変だ」などと感じられ、あらためて「働くということは決して簡単なことではない」と率直に感じるのは、プライベートも含めて著者がすべてをさらけ出している、つまり建前ではなく本音で書かれているからなのでしょう。

高齢者に限らず、我々は日々仕事をする中で、ふと自身の今後のキャリアをどのように築いていくか、何歳まで働くのか、どのように生きるのかなどについて考えることがあると思います。

そういう時に、このシリーズをとおしてそれぞれの職業や人生の喜怒哀楽に触れることで、何からのヒントになるところがあるように感じます。年代に関わらず、読んでいただきたいと思う1冊です。

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