「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
「疑うからはじめる。」※という本を読みました。その本の中で、ムダな仕事として槍玉に上がっていたのは次の通りです。(1)毎朝9時に出社する、(2)「報告」「連絡」ばかりの会議をしている、(3)毎日、会社に行く。
私は「なるほど!」と思いましたが、反発される方も多いのではないでしょうか。その理由や考え方などは本を読んでいただくとして、この3つを単に行動面から考えてみたいと思います。
まず、毎朝9時(定時)に出社するです。これについては職種によって要・不要が決まります。工場のラインは言うまでもなく、警察や自衛隊に至るまで、現場仕事には「定時」が不可欠です。一方、そうでない職種ならば工夫次第で「定時」を無くすことはできるはずです。
次に「報告」「連絡」ばかりの会議をしている。確かにわざわざ同じ空間に複数の人間が集まって行う必要はなさそうです。まさに時間と労力の無駄と言えます。とはいえ、報告や連絡から話が繋がっていって重要な課題が見つかるということもないわけではありません。
最後の、毎日会社に行く。私は特に必要がなければ行かなくて良いという考え方に賛成です。何よりも通勤は「時間の使い方は、そのまま命の使い方になる」(ノートルダム清心学園理事長・渡辺和子氏)ことを考えれば命の無駄使いです。しかし、通勤ですることで意識を切り替え、仕事に集中できるようになる人もいることを忘れてはいけないと思います。
この3つについて私が言いたいことは次の通りです。
「そう思う人はそうすれば良い」です。
定時に出社し、報告会議を行い、休日以外は会社に行く。それで成果を生むことができる人が集まって仕事をすれば良いのです。そうでない人は自分なりの働き方に合った職場を選ぶことになります。
ただし、1つだけ条件があります。
新人(新入社員)は「毎日定時に出社して報告だけの会議のある職場」で働くことを強く勧めます。
実はこのところ様々な「生産性」に関わる情報を集めているのですが、どれもこの3つの事柄が大前提なのです。なぜなら、人類は「(物理的に)集まって話し合う」ことで発展してきたからです。大袈裟なようですが、人類の歴史の流れをいきなりスイッチするのはやや危険な感じがしています。まあ、あまりロジカルではないですが。
とりあえず「毎日定時に出社して報告だけの会議のある職場」を一種の義務教育のように考えてみてはいかがでしょうか。
数年間そういう職場で働いて「無駄だ」と思えば会社を変わり、そうでなければそのまま働き続けます。
テレワークという大きな変化に止むを得ず直面している現在、好き・嫌いは別として、一度この本の主張について考えてみるのも良いのではないでしょうか。
※『「疑う」からはじめる。 これからの時代を生き抜く思考・行動の源泉』アスコム 、2021年、澤 円著